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作品中では塾を手伝っていた先生の夫人の存在が完全に消し去られ、あたかも一人暮らしの独身のように描くなど、大きく脚色されてはいるが、「日高先生本人」のことは一切脚色せず、実際の言動を、これでも控えめに描いている、と東村は主張している。また単行本でも言及しているが、本人の言によると東村は記憶力が人一倍よく、出来事や人物を映像として明確に覚えている<ref>第3巻巻末収録「sketch book 私の記憶とかくかくしかじか」</ref><ref name="降りてこない" /><ref>『ダ・ヴィンチ』2012年9月号「こんげつのブックマーク③EX『かくかくしかじか』1巻」 メディアファクトリー</ref>。 |
作品中では塾を手伝っていた先生の夫人の存在が完全に消し去られ、あたかも一人暮らしの独身のように描くなど、大きく脚色されてはいるが、「日高先生本人」のことは一切脚色せず、実際の言動を、これでも控えめに描いている、と東村は主張している。また単行本でも言及しているが、本人の言によると東村は記憶力が人一倍よく、出来事や人物を映像として明確に覚えている<ref>第3巻巻末収録「sketch book 私の記憶とかくかくしかじか」</ref><ref name="降りてこない" /><ref>『ダ・ヴィンチ』2012年9月号「こんげつのブックマーク③EX『かくかくしかじか』1巻」 メディアファクトリー</ref>。 |
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連載後半は、アシスタントが泣きながら作業していることが多く、最終回は東村もアシスタントも泣きながら仕上げた<ref name="konomanga20150106">{{cite news|title = 東村アキコ『かくかくしかじか』インタビュー【後編】 ヒット作連発の人気漫画家がなんでそこまで!?人生むきだしの自伝的マンガ堂々完結!!|url = http://konomanga.jp/interview/28417-2|publisher = [[このマンガがすごい!|このマンガがすごい!WEB]]|date = 2015年4月6日 | accessdate = 2015年9月21日}}</ref><ref name="mantanweb20150324">{{cite news|title = マンガ大賞2015:東村アキコの「かくかくしかじか」が大賞受賞で「やったー」|url = http://mantan-web.jp/2015/03/24/20150324dog00m200014000c.html|publisher = [[ |
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2015年、第8回[[マンガ大賞]]<ref name="sankei20150401"/><ref name="hokkaidoh20150401">{{cite news|title = 東村アキコさんにマンガ大賞 「かくかくしかじか」 |url = http://dd.hokkaido-np.co.jp/entertainment/culture/culture/1-0115334.html|publisher = [[北海道新聞]]|date = 2015年3月24日| accessdate = 2015年4月3日}}</ref>および第19回[[文化庁メディア芸術祭マンガ部門]]大賞を受賞した<ref name="bunka19">[http://festival.j-mediaarts.jp/award?division=manga 第19回文化庁メディア芸術祭 - 受賞作一覧 - マンガ部門] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20151130020423/http://festival.j-mediaarts.jp/award?division=manga |date=2015年11月30日 }}</ref>。 |
2015年、第8回[[マンガ大賞]]<ref name="sankei20150401"/><ref name="hokkaidoh20150401">{{cite news|title = 東村アキコさんにマンガ大賞 「かくかくしかじか」 |url = http://dd.hokkaido-np.co.jp/entertainment/culture/culture/1-0115334.html|publisher = [[北海道新聞]]|date = 2015年3月24日| accessdate = 2015年4月3日}}</ref>および第19回[[文化庁メディア芸術祭マンガ部門]]大賞を受賞した<ref name="bunka19">[http://festival.j-mediaarts.jp/award?division=manga 第19回文化庁メディア芸術祭 - 受賞作一覧 - マンガ部門] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20151130020423/http://festival.j-mediaarts.jp/award?division=manga |date=2015年11月30日 }}</ref>。 |
2021年10月15日 (金) 12:19時点における版
かくかくしかじか | |
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ジャンル | 自伝、漫画家、エッセイ |
漫画 | |
作者 | 東村アキコ |
出版社 | 集英社 |
掲載誌 | Cocohana |
発表号 | 2012年1月号 - 2015年3月号 |
発表期間 | 2011年11月28日 - 2015年1月28日 |
巻数 | 全5巻 |
話数 | 全34話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
『かくかくしかじか』は、東村アキコによる日本の漫画。『Cocohana』(集英社)2012年1月号から2015年3月号まで連載された[1]。
概要
東村アキコが幼年時代からの生い立ちと、有名漫画家になるまでの女性漫画家版『まんが道』を想定して描く自伝エッセイ漫画。
もともと、女性漫画家が描いたことがなかった『まんが道』的な作品を描きたいという思いがかねてからあった。また、日高絵画教室(作中の仮名)で東村が休日アルバイト講師をしていた頃の生徒で元アシスタントであるはるな檸檬からの「日高先生のことは描かないんですか」という示唆があり、その二つが合わさり製作につながった[2]。
作品中では塾を手伝っていた先生の夫人の存在が完全に消し去られ、あたかも一人暮らしの独身のように描くなど、大きく脚色されてはいるが、「日高先生本人」のことは一切脚色せず、実際の言動を、これでも控えめに描いている、と東村は主張している。また単行本でも言及しているが、本人の言によると東村は記憶力が人一倍よく、出来事や人物を映像として明確に覚えている[3][2][4]。
連載後半は、アシスタントが泣きながら作業していることが多く、最終回は東村もアシスタントも泣きながら仕上げた[5][6]。
2015年、第8回マンガ大賞[1][7]および第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した[8]。
テーマ
どうやって「美大に合格したか」、「漫画家になれたか」と、東村は、よく若い子に聞かれるが、絵を描くということは、ただ手を動かし「描くこと」、「どれだけ手を動かしたか」が全てだ。日高教室で同じものを何回も何十回も強制的に描かされた。それがよかったと思う。楽しくだけでない押しつけるような、きつい先生に出会うこともだいじだ。大学で描けなくなったのは、「何を描くか」、「自分の描きたいものは」と考えたからだ。根気のない子や頑張れない子、逃げで描く子は無理だ。絵を描くことに生活で一番集中してないと。しかし、口で言うと偉そうだし、若い子には伝わらないので漫画で表そうとした。若い子は、ある日何か降りてきて、いつかすっと描けるようになると思っている。それは違って、しんどいが想念の海の中から無理やり、何か掴んで引きずり降ろすしかない[2]。
あらすじ
林明子は、宮崎県の片隅で伸び伸びと育ち、自分は絵の天才だと思い込みながら少女漫画家になることを夢見ていた。高校生のころ「美術大学に進学し、在学中に漫画家としてデビューする」という計画を立て、高校3年生で日高絵画教室の美大進学コースに入る。しかし、講師であり自らも画家の日高健三に、それまでの自信と天才との思い込みを粉々に打ち砕かれ、待っていたのは竹刀とアイアンクローのスパルタ指導。そして、厳しくも優しい恩師・日高先生と、調子者のミラクルガール・明子が、ときに反発しながら二人三脚で美大合格を目指す。
受験、大学生活、就職、仕事……漫画家としての人生に至るまでを描いたドラマチック・メモリーズ。
登場人物
主要人物
- 林 明子(はやし あきこ)
- 本作の主人公。後の東村アキコ。
- 物心がつくころから少女漫画家を目指し、『りぼん』、『ぶ〜け』を読みふける。高校では美術部長で、日高に教えられ絵を描くことに努力するようになる。
- 自信過剰なお調子者であるが、自分の意見が言えず優柔不断な面もある。名前は本名の「森」をもじったもの。
- 日高 健三(ひだか けんぞう)
- 日高絵画教室開設者で先生。スパルタ指導で高校生に美大受験指導をする。
- 一般の街の絵画教室も兼ねて老人子供も学ぶが同様の指導法。九州ではけっこう有名な画家だが、団体に入らない異端児。29歳から画家を志し有名画家の弟子になり学ぶが、年齢のため美大には入っていない。
- 明子のため、受験時には月5000円の月謝のまま、無償奉仕で日を増やし指導を行う。払えない家の子のため月謝は上げず貧乏で、そうでないように見えて「誰よりもお人好しの宮崎人気質」。 あらゆることに正面から向かう。
- 日高健三は本作中の仮名で、本名は日岡兼三[9][10]。
他の人物
- 母親
- 専業主婦、ママさんバレーに熱心。
- 内職でシルバニアファミリーの洋服を作っていたという器用さで、スクリーントーンのきれいな貼り方もすぐ覚え、娘のデビュー第2作を手伝った。
- 父親
- NTT勤務。転勤族。マイペースな性格。
- 弟
- 明子に誘われ美術部に入る。
- 二見(ふたみ)
- 高校のクラスメイトで美術部員。クールなミーハー女子。
- 唯一の美大進学希望の仲間で、日高絵画教室へも通い明子を誘う。東京学芸大学に合格するが、わずかで退学してしまう。
- 今田(いまだ)
- 通称、今ちゃん。高校で2年下。
- ヤンキーだが、明子に美術の才能を見いだされ、美術部に入り、日高絵画教室へも通い、多摩美術大学の油絵科に合格する。卒業後スペインに絵画留学する。
- 佐藤(さとう)
- 日高教室で東村が講師をしていた時代の教え子。当時は高校生。
- のちに東村のアシスタントをへて、はるな檸檬として漫画家デビューする。
- 石田拓実
- 漫画家デビュー以来の親友漫画家。
- 特に大阪時代ではともに漫画家としての青春を過ごす。
- U岡
- 集英社に勤務する東村の初代担当。
- 西村(にしむら)
- 金沢美大時代から大阪時代までの東村の彼氏。東村というペンネームの由来にもなる。
書誌情報
- 東村アキコ 『かくかくしかじか』 集英社〈愛蔵版コミックス〉、全5巻
- 2012年7月25日発売、ISBN 978-4-08-782457-5
- 2013年5月24日発売、ISBN 978-4-08-782653-1
- 2014年1月24日発売、ISBN 978-4-08-782746-0
- 2014年7月25日発売、ISBN 978-4-08-782797-2
- 2015年3月25日発売、ISBN 978-4-08-792004-8
脚注
- ^ a b “東村アキコさん「かくかくしかじか」がマンガ大賞2015に”. 産経新聞. (2015年4月1日) 2015年4月3日閲覧。
- ^ a b c 『パピルス』「東村アキコ 神様は、降りてこない」2013年8月号 幻冬舎
- ^ 第3巻巻末収録「sketch book 私の記憶とかくかくしかじか」
- ^ 『ダ・ヴィンチ』2012年9月号「こんげつのブックマーク③EX『かくかくしかじか』1巻」 メディアファクトリー
- ^ “東村アキコ『かくかくしかじか』インタビュー【後編】 ヒット作連発の人気漫画家がなんでそこまで!?人生むきだしの自伝的マンガ堂々完結!!”. このマンガがすごい!WEB. (2015年4月6日) 2015年9月21日閲覧。
- ^ “マンガ大賞2015:東村アキコの「かくかくしかじか」が大賞受賞で「やったー」”. MANTANWEB. (2015年3月24日) 2015年9月21日閲覧。
- ^ “東村アキコさんにマンガ大賞 「かくかくしかじか」”. 北海道新聞. (2015年3月24日) 2015年4月3日閲覧。
- ^ 第19回文化庁メディア芸術祭 - 受賞作一覧 - マンガ部門 Archived 2015年11月30日, at the Wayback Machine.
- ^ 朝日新聞宮崎版 2015年11月19日「日岡兼三 独創の人生 高鍋町美術館で回顧展」
- ^ “山下昇平展 公式サイト | 開催情報・プロフィール | WEB対談 「東村アキコ×山下昇平」”. 2016-08-10. 2019年8月7日閲覧。
関連項目
- 金沢美術工芸大学
- ひまわりっ 〜健一レジェンド〜
- 吉富昭仁:世代は異なるが宮崎県出身で、同じ絵画教室に通い、同じ講師に師事した。