「クレイトス (ギリシア神話)」の版間の差分
| 10行目: | 10行目: | ||
== マンティオスの子 == |
== マンティオスの子 == |
||
この'''クレイトス'''は、[[ホメーロス]]によるとマンティオスの子で、[[ポリュペイデース]]と兄弟。[[予言者]][[メラムプース]]の孫にあたる。美男子であったので、[[女神]][[エーオース]]に愛された。エーオースはクレイトスを地上から連れ去り、神々に加えようとしたと伝えられている<ref>『オデュッセイア』15巻249行。</ref>。クレイトスの家系からは[[コイラノス]]、 [[予言者]]ポリュイードスと続いたが<ref name=LP_Fr>[[レーロスのペレキューデース]]断片（『イーリアス』13巻663行への古註）。</ref>、[[パウサニアス]]によれば、コイラノスは[[アバース]]の子となっている<ref name=Pa_1_43_5>パウサニアス、1巻43・5。</ref>。 |
この'''クレイトス'''は、[[ホメーロス]]によるとマンティオスの子で、[[ポリュペイデース]]と兄弟。[[予言者]][[メラムプース]]の孫にあたる。美男子であったので、[[女神]][[エーオース]]に愛された。エーオースはクレイトスを地上から連れ去り、神々に加えようとしたと伝えられている<ref>『オデュッセイア』15巻249行。</ref>。クレイトスの家系からは[[コイラノス]]、 [[予言者]]ポリュイードスと続いたが<ref name=LP_Fr>[[レーロスのペレキューデース]]断片（『イーリアス』13巻663行への古註）。</ref>、[[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]によれば、コイラノスは[[アバース]]の子となっている<ref name=Pa_1_43_5>パウサニアス、1巻43・5。</ref>。 |
||
== ポリュイードスの子 == |
== ポリュイードスの子 == |
||
| 30行目: | 30行目: | ||
== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
||
* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]]（1953年） |
* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]]（1953年） |
||
* [[パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎（1991年） |
* [[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎（1991年） |
||
* [[ホメロス]]『[[イリアス]]（下）』[[松平千秋]]訳、岩波文庫（1992年） |
* [[ホメロス]]『[[イリアス]]（下）』[[松平千秋]]訳、岩波文庫（1992年） |
||
* [[ホメロス]]『[[オデュッセイア]]（下）』[[松平千秋]]訳、[[岩波文庫]]（1994年） |
* [[ホメロス]]『[[オデュッセイア]]（下）』[[松平千秋]]訳、[[岩波文庫]]（1994年） |
||
2021年11月15日 (月) 11:04時点における版
クレイトス（古希: Κλεῖτος, Kleitos, 英: Cleitus）は、ギリシア神話の人物である。主に、
の4人のほか数名が知られている。以下に説明する。
アイギュプトスの子
このクレイトスは、エジプト王アイギュプトスの50人の子供の1人である。母の名はテュリアーで、ステネロス、クリューシッポスと兄弟。アイギュプトスの息子たちはダナオスの50人の娘たち（ダナイデス）と結婚したが、クレイトスら3兄弟は、彼らと同じ名前を持つダナオスとメムピスの3人の娘（クレイテー、ステネレー、クリューシッペー）と結婚したが[注釈 1]、他の兄弟と同様に殺された[1]。
マンティオスの子
このクレイトスは、ホメーロスによるとマンティオスの子で、ポリュペイデースと兄弟。予言者メラムプースの孫にあたる。美男子であったので、女神エーオースに愛された。エーオースはクレイトスを地上から連れ去り、神々に加えようとしたと伝えられている[2]。クレイトスの家系からはコイラノス、 予言者ポリュイードスと続いたが[3]、パウサニアスによれば、コイラノスはアバースの子となっている[4]。
ポリュイードスの子
このクレイトスは、予言者ポリュイードスの子で[3]、トロイア戦争に参加したエウケーノール[5]ほか、アステュクラテイア、マントーと兄弟[4]。上述のクレイトスの曾孫[3]。
パレーネーの求婚者
このクレイトスは、トラーキア王シートーンの娘パレーネーの求婚者である[6][7]。パレーネーには多くの求婚者がいたが、最初、シートーンは勝利者に娘を与える代わりに敗けたら殺すという条件で、多くの求婚者を自分に挑ませて殺した。しかし後に娘にも夫が必要であると考え、クレイトスとドリュアースの2人の求婚者が現れたとき、2人を戦わせ、勝利した者に娘と王国を与えるとした。クレイトスは彼に恋をしたパレーネーの助けでドリュアースに勝利し、パレーネーと結婚した[6]。
その他のクレイトス
脚注
注釈
- ^ クレイテー、ステネレー、クリューシッペーは、それぞれクレイトス、ステネロス、クリューシッポスの女性形。
脚注
参考文献
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫（1953年）
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎（1991年）
- ホメロス『イリアス（下）』松平千秋訳、岩波文庫（1992年）
- ホメロス『オデュッセイア（下）』松平千秋訳、岩波文庫（1994年）
- クイントゥス『トロイア戦記』松田治訳、講談社学術文庫（2000年）