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== アレースの乳母 == |
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この'''テーロー'''は、[[軍神]]アレースの乳母。[[スパルタ]]における'''アレース・テーリタース'''信仰は[[ディオスクーロイ]]が[[コルキス]]から持ち帰ったと伝えられるアレース神像に由来するが<ref>パウサニアス、3巻19・7。</ref>、異名のテーリタースは乳母のテーローから取られている。しかし[[パウサニアス]]は[[ギリシア人]]の間ではアレースの乳母をテーローとする伝承は知られておらず、コルキス人からアレースの異名が伝わった際に乳母の伝承も伝わったのではないかと述べている<ref>パウサニアス、3巻19・8。</ref>。 |
この'''テーロー'''は、[[軍神]]アレースの乳母。[[スパルタ]]における'''アレース・テーリタース'''信仰は[[ディオスクーロイ]]が[[コルキス]]から持ち帰ったと伝えられるアレース神像に由来するが<ref>パウサニアス、3巻19・7。</ref>、異名のテーリタースは乳母のテーローから取られている。しかし[[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]は[[ギリシア人]]の間ではアレースの乳母をテーローとする伝承は知られておらず、コルキス人からアレースの異名が伝わった際に乳母の伝承も伝わったのではないかと述べている<ref>パウサニアス、3巻19・8。</ref>。 |
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== ピューラースの娘 == |
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== 参考文献 == |
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* [[パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年) |
* [[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年) |
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* [[高津春繁]]『ギリシア・ローマ神話辞典』、[[岩波書店]](1960年) |
* [[高津春繁]]『ギリシア・ローマ神話辞典』、[[岩波書店]](1960年) |
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2021年11月15日 (月) 11:08時点における版
テーロー(古希: Θηρώ, Thērō)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してテロとも表記される。主に、
の2名が知られている。以下に説明する。
アレースの乳母
このテーローは、軍神アレースの乳母。スパルタにおけるアレース・テーリタース信仰はディオスクーロイがコルキスから持ち帰ったと伝えられるアレース神像に由来するが[1]、異名のテーリタースは乳母のテーローから取られている。しかしパウサニアスはギリシア人の間ではアレースの乳母をテーローとする伝承は知られておらず、コルキス人からアレースの異名が伝わった際に乳母の伝承も伝わったのではないかと述べている[2]。
ピューラースの娘
このテーローは、イオラーオスとメガラーの娘レイペピレーとピューラース(ヘーラクレイダイの1人アンティオコスの子)の娘で、ヒッポテースと兄妹[3]。アポローン神との間にカイローンを生んだ[4][3]。ヘーシオドスは彼女の美しさを夜空に輝く月に喩えた[3]。ボイオーティア地方のカイローネイアの地名は彼女の息子のカイローンに由来するという[4][5]。
系譜
アムピトリュオーン | アルクメーネー | ゼウス | ピューラース | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
クレオーン | イーピクレース | アウトメドゥーサ | ヘーラクレース | メーダ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
メガラー | イオラーオス | アンティオコス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
レイペピレー | ピューラース | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ヒッポテース | テーロー | アポローン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アレーテース | カイローン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||