「系図 (武満徹)」の版間の差分
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[[詩人]]の[[谷川俊太郎]]の詩集『はだか』の中にある詩を、武満が6篇を選出してテキストにし、彼によって再構成されたものが作品に用いられている。詩の英訳はウィリアム・I・エリオットと[[川村和夫]]が行った。詩集の原文では主人公は少年であり一人称は「ぼく」となっているが、本作では少女に変更され、一人称は「わたし」となっている。 |
[[詩人]]の[[谷川俊太郎]]の詩集『はだか』の中にある詩を、武満が6篇を選出してテキストにし、彼によって再構成されたものが作品に用いられている。詩の英訳はウィリアム・I・エリオットと[[川村和夫]]が行った。詩集の原文では主人公は少年であり一人称は「ぼく」となっているが、本作では少女に変更され、一人称は「わたし」となっている。 |
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曲の最後に現れるアコーディオンの旋律は、以前に書いたが使われなかった曲(映画監督[[ジム・ジャームッシュ]]が[[1991年]]に制作した[[映画]]『[[ナイト・オン・ザ・プラネット]]』のために書いた曲)を再利用したものである<ref>{{Cite book|和書|title=武満徹の音楽|author=ピーター・バート|year=2006|publisher=音楽之友社|isbn=4-276-13274-6|page=257}}</ref>。後日談として、使用される予定だったが結局使用されなかったアコーディオンの奏する部分の音楽を、後日武満は(残念に思ったのか)自宅の食卓において、[[ |
曲の最後に現れるアコーディオンの旋律は、以前に書いたが使われなかった曲(映画監督[[ジム・ジャームッシュ]]が[[1991年]]に制作した[[映画]]『[[ナイト・オン・ザ・プラネット]]』のために書いた曲)を再利用したものである<ref>{{Cite book|和書|title=武満徹の音楽|author=ピーター・バート|year=2006|publisher=音楽之友社|isbn=4-276-13274-6|page=257}}</ref>。後日談として、使用される予定だったが結局使用されなかったアコーディオンの奏する部分の音楽を、後日武満は(残念に思ったのか)自宅の食卓において、[[背景音楽|BGM]]として流したという話がある。 |
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==構成== |
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2021年11月23日 (火) 10:00時点における版
『系図 ―若い人たちのための音楽詩―』(Family Tree - Musical Verses for Young People -)は、武満徹が作曲した、少女の語り手とオーケストラのための作品である。『若い人たちのための音楽詩』は副題である。
概要
1992年に、ニューヨーク・フィルハーモニックの創立150周年を記念として委嘱された作品である。1995年の4月20日に、レナード・スラットキンの指揮とニューヨーク・フィルハーモニック、サラ・ヒックスの語りによって初演が行われた(この時は英語版による)。世界初演の直後に、日本では、女優の遠野凪子の語り、岩城宏之の指揮、NHK交響楽団によって放送初演の形式で行われた。日本語版による舞台初演は、同年の9月7日に松本文化会館で、女優の遠野凪子の語り、小澤征爾の指揮、サイトウ・キネン・オーケストラの演奏で行われた。
1996年2月20日、武満徹が死去し、同年2月25日NHK教育テレビで放送された追悼番組では、「映像詩 系図」の制作風景と、完成した「映像詩 系図」(朗読:遠野凪子)が放映された。
詩人の谷川俊太郎の詩集『はだか』の中にある詩を、武満が6篇を選出してテキストにし、彼によって再構成されたものが作品に用いられている。詩の英訳はウィリアム・I・エリオットと川村和夫が行った。詩集の原文では主人公は少年であり一人称は「ぼく」となっているが、本作では少女に変更され、一人称は「わたし」となっている。
曲の最後に現れるアコーディオンの旋律は、以前に書いたが使われなかった曲(映画監督ジム・ジャームッシュが1991年に制作した映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』のために書いた曲)を再利用したものである[1]。後日談として、使用される予定だったが結局使用されなかったアコーディオンの奏する部分の音楽を、後日武満は(残念に思ったのか)自宅の食卓において、BGMとして流したという話がある。
構成
全6曲から構成され、演奏時間は22分から25分程度。括弧内は英語版での表記。
- 第1曲 むかしむかし (Once Upon a Time)
- 第2曲 おじいちゃん (Grandpa)
- 第3曲 おばあちゃん (Grandma)
- 第4曲 おとうさん (Dad)
- 第5曲 おかあさん (Mom)
- 第6曲 とおく (A Distant Place)
語り手は、12歳から15歳の少女が望ましい、と武満は語っている。
編成
- フルート 3 (2番はピッコロ、3番はアルトフルート持ち替え)
- オーボエ 2 (2番はイングリッシュホルン持ち替え)
- クラリネット 4 (4番はバスクラリネット持ち替え)
- ファゴット 3 (3番はコントラファゴット持ち替え)
- ホルン 4
- トランペット 3 (C管)
- トロンボーン 3
- チューバ
- 打楽器 3 (1:ヴィブラフォン、2:グロッケンシュピール・チューブラーベル・サスペンデッドシンバル・アンティークシンバル(Gと高いE)、3:タムタム(3台)・スチールドラム・サスペンデッドシンバル(2台)・チューブラーベル) - 同一の楽器を2名が分担して担当することがある
- ハープ
- チェレスタ
- アコーディオン
- 語り手
- 弦五部(14-12-10-8-6)
語り手を務めた人物
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日本
- 遠野凪子 - 日本初演(放送初演、舞台初演)、上述「概要」欄 参照
- 蓮佛美沙子 – 2009年5月9日、沼尻竜典指揮日本フィルハーモニー交響楽団第247回横浜定期演奏会(横浜市・横浜みなとみらいホール)にて
- 夏菜 - 2013年3月22日、山田和樹指揮、広島交響楽団 第327回定期演奏会(広島市・広島文化学園HBGホール)にて
- 上白石萌歌 - 2016年1月30日、山田和樹指揮、日本フィルハーモニー交響楽団「マーラー・ツィクルス」第4回(渋谷区・東急Bunkamura オーチャードホール)にて
- 山口まゆ - 2016年4月22・23日、レナード・スラットキン指揮、NHK交響楽団 第1833回定期公演(渋谷区・NHKホール)にて
- 浜辺美波 - 2016年8月27日、浅野亮介指揮、アンサンブル・フリーEAST 第6回演奏会(小金井市・小金井宮地楽器ホール)にて
- のん - 2018年5月21・22日、アンドレア・バッティストーニ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団(新宿区・東京オペラシティ コンサートホール)にて
- 白鳥玉季 - 2022年1月14・15・16日、佐渡裕指揮、兵庫芸術文化センター管弦楽団(西宮市・兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール)にて(予定)
出典
- ^ ピーター・バート『武満徹の音楽』音楽之友社、2006年、257頁。ISBN 4-276-13274-6。
参考資料
- 小澤征爾指揮/サイトウ・キネン・オーケストラ/遠野なぎこ(語り手)演奏のCDのブックレート(フィリップス、PHCP-11035)
- 『N響アワー』「武満徹と映画音楽」より(2010年放送分)