「大門 (函館市)」の版間の差分
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かつてあった'''大森遊廓'''が元になり形成された歓楽街である。名前の由来は、[[1908年]]([[明治]]40年)の[[火災|大火]]で、函館の遊廓(遊里)は[[蓬萊町]]の[[蓬莱町遊里]]及び台町の[[台町遊里]]から当地に移転し、大森遊廓と呼んだ。その入り口に[[吉原遊廓]]の如く巨大な[[門]]がそびえていて、その巨大な門を「大門」を呼んだことからである。 |
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2021年12月14日 (火) 08:28時点における版
大門(だいもん)は、北海道函館市の北海道旅客鉄道(JR北海道)函館駅前にある歓楽街である。
概要
かつてあった大森遊廓が元になり形成された歓楽街である。名前の由来は、1908年(明治40年)の大火で、函館の遊廓(遊里)は蓬萊町の蓬莱町遊里及び台町の台町遊里から当地に移転し、大森遊廓と呼んだ。その入り口に吉原遊廓の如く巨大な門がそびえていて、その巨大な門を「大門」を呼んだことからである。
なお、1934年(昭和9年)3月21日の函館大火で焼け落ちて以降門は再建されていない。
この歓楽街は2つの町丁にまたがり函館駅側は若松町、大森浜側は松風町である。松風町は明治32年、旧東川町より分割されたものでその町丁名由来は成田山(成田山函館別院函館寺)や新川小辺に小松林があったからである。電車路(国道278号)を中心に左右に横通りがあり、それに沿って歓楽街が広がっている。横通りは駅側より、音羽通り、ヤナギ小路、高砂通り、仲通り、富士銀通り、京極通り、大門広小路、浅草通り、祇園通りがある。
正確な大門地帯は松風町全体で、若松町は駅前である。函館大火以降、都心を十字街から奪い、繁栄をみせた。
第二次世界大戦中の1945年(昭和20年)7月14日に空襲を受けており、アメリカ軍機により当時あった精肉店に爆弾が直撃した。一説では向いの北海道拓殖銀行が攻撃目標であったとされる。
大森遊廓の終焉
名前の由来となった大森遊廓も時代の流れで最終的に終焉を迎えていく。
敗戦直後に廃業した業者もいたが、1945年10月のアメリカ軍函館進駐で再度吹き返すことになる。GHQの1946年1月21日発表「日本における公娼の廃止に関する覚書」と24日の公娼制度廃止命令によって遊廓自体は終止符を打つはずであった。しかし皮肉なことに結果として街娼が増加することとなり、警視庁は社会上やむを得ないとして、特殊飲食店など集娼地域(地図上に赤い線で囲んだので「赤線」と呼んだ)を指定、事実上公娼制度を復活させてしまった。最終的に1956年(昭和31年)5月、やっと売春防止法(1956年(昭和31年)5月24日法律第118号)が成立し、1958年(昭和33年)4月、函館の赤線こと大森遊郭は廃止された[1]。
現在
昭和後半に一度衰退したが、現在も新函館市総合計画に基づき都市再開発が行われている[2]。
歴史
- 1898年(明治31年)1月9日 亀函馬車鉄道(後の函館馬車鉄道)の鶴岡町停留場(現在の函館駅前停留場)開業
- 1904年(明治37年)7月1日 北海道鉄道 (初代)函館駅(2代目)開業
- 1908年(明治40年) 大火により蓬莱町より遊郭が移転し大森遊廓形成
- 1913年(大正2年)函館水電大門前駅(現・松風町停留場)開業
- 1934年(昭和9年)3月21日 函館大火被災
- 1937年(昭和12年)10月1日 棒二森屋開店
- 1947年(昭和33年)4月 大森遊廓廃止
- 1959年(昭和34年) 彩華デパート開店
- 1968年(昭和43年) 和光デパート開店
- 1970年(昭和45年)4月 函館駅前バスターミナル開設
- 2004年(平成16年)6月1日 函館駅前バスターミナル、新バスターミナル供用開始
- 2016年(平成28年)7月29日 キラリス函館開店
主要施設等
- 警察
- 函館西警察署函館駅前交番
- 函館西警察署大森交番
- 交通
- 国道5号・国道278号・国道279号
- 北海道道83号函館南茅部線
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)函館駅
- 函館市企業局交通部(函館市電)
- 函館駅前停留場
- 松風町停留場
- 函館バス
- 函館駅前バスターミナル
- 松風町停留所
- 銀行等
- 商業・娯楽施設
かつてあった施設
脚注
- ^ 函館市史デジタル版 通説編第4巻 第7編 市民生活の諸相(コラム) 函館市 2013年5月27日閲覧
- ^ 新函館市総合計画 函館市企画部計画推進室計画調整課 2013年5月27日閲覧
参考文献
- 函館市史 通説編2 函館市総務部函館市史編さん室編 函館市
- 函館市史 通説編4 函館市総務部函館市史編さん室編 函館市
- 日本鉄道旅行地図帳 1号 北海道 今尾恵介、新潮社 2008年 ISBN 978-4-10-790019-7
- 函館 =その歴史・史跡・風土= 須藤隆仙 南北海道史研究会 昭和50年