「ABC予想」の版間の差分
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{{告知|議論|私たちがウィキペディアで提供するのは、「[[信頼できる情報源]](ソース)を参照することにより『検証できる』内容だけ」です|section=ウィキペディアは真実や事実を掲載する場所ではありません|date=2022年8月}} |
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{{center|{{math|''a'' + ''b'' {{=}} ''c''}}}} |
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を満たす組 {{math|(''a'', ''b'', ''c'')}} は高々有限個しか存在しないであろうか? |
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'''ABC予想'''(ABCよそう、{{lang-en-short|''abc'' conjecture}}, 別名 |
'''ABC予想'''(ABCよそう、{{lang-en-short|''abc'' conjecture}}, 別名:オステルレ–マッサー予想、{{lang-en-short|Oesterlé–Masser conjecture}})は、[[1985年]]に[[ジョゼフ・オステルレ]]と[[デイヴィッド・マッサー]]により提起された[[数論]]の予想である。 |
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これは[[多項式]]に関する[[メーソン・ストーサーズの定理]]の[[整数]]における類似であり、[[互いに素 (整数論)|互いに素]]でありかつ {{math|1=''a'' + ''b'' = ''c''}} を満たすような3つの[[自然数]](この予想に呼び方を合わせると){{mvar|a}}, {{mvar|b}}, {{mvar|c}} の和と積の関係について述べている<ref>{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/ABC%E4%BA%88%E6%83%B3 |title=知恵蔵2013『ABC予想』|website=kotobank.jp |publisher=コトバンク |date=2020-04-03 |accessdate=2020-04-03}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://mathworld.wolfram.com/abcConjecture.html |title="abc Conjecture".|website=mathworld.wolfram.com |publisher=MathWorld |date=2020-04-03 |accessdate=2020-04-03}}</ref>。 |
これは[[多項式]]に関する[[メーソン・ストーサーズの定理]]の[[整数]]における類似であり、[[互いに素 (整数論)|互いに素]]でありかつ {{math|1=''a'' + ''b'' = ''c''}} を満たすような3つの[[自然数]](この予想に呼び方を合わせると){{mvar|a}}, {{mvar|b}}, {{mvar|c}} の和と積の関係について述べている<ref>{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/ABC%E4%BA%88%E6%83%B3 |title=知恵蔵2013『ABC予想』|website=kotobank.jp |publisher=コトバンク |date=2020-04-03 |accessdate=2020-04-03}}</ref><ref>{{Cite web |url=http://mathworld.wolfram.com/abcConjecture.html |title="abc Conjecture".|website=mathworld.wolfram.com |publisher=MathWorld |date=2020-04-03 |accessdate=2020-04-03}}</ref>。 |
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ABC予想は、この予想から数々の興味深い結果が得られることから有名になった。数論における数多の有名な予想や定理がABC予想から直ちに導かれる。 |
ABC予想は、この予想から数々の興味深い結果が得られることから有名になった。数論における数多の有名な予想や定理がABC予想から直ちに導かれる。 |
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{{harvtxt|Goldfeld|1996}} は、ABC予想を「[[ディオファントス方程式|ディオファントス解析]]で最も重要な未解決問題」であるとして |
{{harvtxt|Goldfeld|1996}} は、ABC予想を「[[ディオファントス方程式|ディオファントス解析]]で最も重要な未解決問題」であるとしている。 |
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== 定式化 == |
== 定式化 == |
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*{{math|rad(8) {{=}} rad(2{{sup|3}}) {{=}} 2}}. |
*{{math|rad(8) {{=}} rad(2{{sup|3}}) {{=}} 2}}. |
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*{{math|rad(45) {{=}} rad(3{{sup|2}} ⋅ 5) {{=}} 3 ⋅ 5 {{=}} 15}}. |
*{{math|rad(45) {{=}} rad(3{{sup|2}} ⋅ 5) {{=}} 3 ⋅ 5 {{=}} 15}}. |
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[[自然数]]の組 {{math|(''a'', ''b'', ''c'')}} で、{{math|''a'' + ''b'' {{=}} ''c''}}, {{math|''a'' < ''b''}} で、{{mvar|a}} と {{mvar|b}} は[[互いに素 (整数論)|互いに素]]であるものを abc-triple と呼ぶ。大抵の場合は {{math|''c'' < rad(''abc'')}} が成り立つが、ABC予想が主張するのはこれが成り立たない例(例えば、{{math|''a'' {{=}} 1}}, {{math|''b'' {{=}} 8}} のとき {{math|''c'' {{=}} 9}} であり、{{math|rad(''abc'') {{=}} 6}} である)の方である。ただし、{{math|''c'' > rad(''abc'')}} が成り立つ例も'''無限に存在する''' |
[[自然数]]の組 {{math|(''a'', ''b'', ''c'')}} で、{{math|''a'' + ''b'' {{=}} ''c''}}, {{math|''a'' < ''b''}} で、{{mvar|a}} と {{mvar|b}} は[[互いに素 (整数論)|互いに素]]であるものを abc-triple と呼ぶ。大抵の場合は {{math|''c'' < rad(''abc'')}} が成り立つが、ABC予想が主張するのはこれが成り立たない例(例えば、{{math|''a'' {{=}} 1}}, {{math|''b'' {{=}} 8}} のとき {{math|''c'' {{=}} 9}} であり、{{math|rad(''abc'') {{=}} 6}} である)の方である。ただし、{{math|''c'' > rad(''abc'')}} が成り立つ例も'''無限に存在する'''{{Efn|name="壱"}}{{Efn|name="弐"}}ため、{{math|rad(''abc'')}} を少しだけ大きくすることで例を有限個にできないかどうかを考える。すなわち、ABC予想は任意の {{math|''ε'' > 0}} に対して、次を満たすような自然数の組 {{math|(''a'', ''b'', ''c'')}} は[[高々 (数学)|高々]]有限個しか存在しないであろうと述べている: |
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:<math>c>\operatorname{rad} (abc)^{1+\varepsilon}.</math> |
:<math>c>\operatorname{rad} (abc)^{1+\varepsilon}.</math> |
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これと同値な他の定式化(Oesterlé–Masser の ABC予想)として次のものがある。すなわち、任意の {{math|''ε'' > 0}} に対してある {{math|''K''(''ε'') > 0}} が存在し、全ての abc-triple {{math|(''a'', ''b'', ''c'')}} について次が成り立つという: |
これと同値な他の定式化(Oesterlé–Masser の ABC予想)として次のものがある。すなわち、任意の {{math|''ε'' > 0}} に対してある {{math|''K''(''ε'') > 0}} が存在し、全ての abc-triple {{math|(''a'', ''b'', ''c'')}} について次が成り立つという: |
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このときABC予想は、任意の {{math|''ε'' > 0}} に対して、abc-triple {{math|(''a'', ''b'', ''c'')}} であって {{math|''q''(''a'', ''b'', ''c'') > 1 + ''ε''}} を満たすものは高々有限個しか存在しないということを主張している。 |
このときABC予想は、任意の {{math|''ε'' > 0}} に対して、abc-triple {{math|(''a'', ''b'', ''c'')}} であって {{math|''q''(''a'', ''b'', ''c'') > 1 + ''ε''}} を満たすものは高々有限個しか存在しないということを主張している。 |
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現在、{{math|''q''(''a'', ''b'', ''c'') > 1.6}} を満たす abc-triple は後述の通り3組しか知られていない。{{math|''q''(''a'', ''b'', ''c'')}} を 2 まで大きくすれば、そうした abc-triple は存在しないという予想もある。すなわち「全ての abc-triple {{math|(''a'', ''b'', ''c'')}} に対して、{{math|''c'' < rad(''abc''){{sup|2}} }}を満たすであろう」という主張だが、こちらも肯定も否定もされていない |
現在、{{math|''q''(''a'', ''b'', ''c'') > 1.6}} を満たす abc-triple は後述の通り3組しか知られていない。{{math|''q''(''a'', ''b'', ''c'')}} を 2 まで大きくすれば、そうした abc-triple は存在しないという予想もある。すなわち「全ての abc-triple {{math|(''a'', ''b'', ''c'')}} に対して、{{math|''c'' < rad(''abc''){{sup|2}} }}を満たすであろう」という主張だが、こちらも肯定も否定もされていない{{Efn|name="参"}}。 |
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== 証明の |
== 証明の提案 == |
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1985年の予想の提起から、数々の数学者によりABC予想の証明が提案されてきた<ref>NHKスペシャル 数学者は宇宙をつなげるか?abc予想証明をめぐる数奇な物語(前編)[https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pzwyDRbMwp/]</ref>。しかし、現在、数学コミュニティの同意が得られたものはない<ref>NHKスペシャル 数学者は宇宙をつなげるか?abc予想証明をめぐる数奇な物語(後編)[https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pBg9n63J4m/]</ref><ref>WHAT IS THE POINT OF COMPUTERS? A QUESTION FOR |
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1985年の予想の提起から、数々の数学者によりABC予想の証明が試みられてきた。現在望月による証明がごく一部除きほぼ完全なる[[合意形成|コンセンサス]]を数学界で得ている{{R|:paper2}}。 |
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PURE MATHEMATICIANS,KEVIN BUZZARD[https://arxiv.org/pdf/2112.11598.pdf]</ref>。 |
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=== 望月新一による提案 === |
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=== リュシアン・シュビロの試み ~ 数を曲線に置き換える手法 === |
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[[望月新一]]{{Efn|name="所属"|[[京都大学数理解析研究所]]教授}}は、自身の考案した[[宇宙際タイヒミュラー理論]]によるディオファントス的不等式(論文IUTT-IVの系2.3)の証明から、[[スピロ予想]]、[[ヴォイタ予想]]、ABC予想を証明したと主張している{{Efn|name="PRIMS"|2012年8月30日、自身が所属する京都大学数理解析研究所編集の専門誌『Publications of the Research Institute for Mathematical Sciences』(以下『PRIMS』)に投稿し、初稿が同誌の[[プレプリント]]で公開された{{R|Preprint|Mochizuki_a|Mochizuki_b|Mochizuki_c|Mochizuki_d}}。}}。(なお、宇宙際タイヒミュラー理論のサーベイ論文については[[宇宙際タイヒミュラー理論#サーベイ|こちら]]を参照。) |
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ニューヨーク市立大学教授リュシアン・シュピロは、ABC予想のaやbといった数を曲線に置き換えそれが交わることを示す戦略により証明を試みた<ref name=":nhk1">{{Cite web |title=数学者は宇宙をつなげるか?abc予想証明をめぐる数奇な物語(前編)スペシャル - NHK |url=https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pzwyDRbMwp/ |website=NHKスペシャル - NHK |access-date=2022-07-30 |language=ja |last=日本放送協会}}</ref>が、提案に至らなかった。 |
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上記の証明に対し、[[ペーター・ショルツェ]]と[[ジェイコブ・スティックス]]が、論文IUTT-IIIの系3.12<ref>Mochizuki's corollary 3.12 in nLab[https://ncatlab.org/nlab/show/Mochizuki%27s+corollary+3.12]</ref>の証明の反例となるレポート{{R|Scholze_Stix}}にて「提案された〔望月のプレプリントの〕証明には深刻な問題があり、小さな修正で証明戦略を救うことはできず、証明になっていない」と指摘した(2018年5月公開、2018年9月一部修正)。望月は、反例において宇宙際タイヒミュラー理論にいくつかの簡略化がおこなわれており、それらの簡略化が悉く誤りであると指摘するレポート{{R|Mochizuki_x|Mochizuki_y}}を公表し反論した(2018年9月発表、2021年3月改訂)。(なお、指摘事項の詳細については[[宇宙際タイヒミュラー理論#指摘事項|こちら]]を参照。) |
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=== 望月新一による証明 ~ たし算とかけ算を分離する手法 === |
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[[京都大学数理解析研究所]]教授の[[望月新一]]は、ABC予想を証明するためには「数学の世界に混ざり合うように存在しているたし算とかけ算を分離する必要がある<ref name=":nhk1" />」考察により、「かけ算は成立するけど、たし算が成立しない数学世界を作ることで、たし算とかけ算を独立して扱う」数学的手法<ref name=":nhk2">{{Cite web |title=数学者は宇宙をつなげるか?abc予想証明をめぐる数奇な物語(後編)スペシャル - NHK |url=https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pBg9n63J4m/ |website=NHKスペシャル - NHK |access-date=2022-07-30 |language=ja |last=日本放送協会}}</ref>によりABC予想の証明を提案した。 |
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望月の証明論文は、2020年2月査読を通過し{{Efn|name="記者会見"|2020年4月に[[京都大学数理解析研究所]](RIMS)の雑誌『PRIMS』の共同編集委員長[[柏原正樹]]、[[玉川安騎男]]より発表された。}}、翌年、2021年3月4日、雑誌{{Efn|name="特別号"|『PRIMS』の特別号電子版}}に掲載された{{R|Mochizuki_z}}。(なお、記者会見および論文掲載時のコメントについては[[宇宙際タイヒミュラー理論#記者会見|こちら]]を参照。) |
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'''査読論文''' |
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上記論文に対し、[[ペーター・ショルツェ]]は書評{{Efn|name="zbMATH"|2021年7月31日、[[ヨーロッパ数学会]]が運営する[[zbMATH]]に掲載}}にて「このシリーズの最初の3つのパートにおいて、読者は残念ながら実質的な数学的内容をほんの少ししか見出さないだろう。第2部と第3部では、肝心の系3.12に、数行以上の証明を見出さないだろう」{{R|Scholze}}と否定的にコメントした。一方、{{仮リンク|モハメド・サイディ (数学者)|label=モハメド・サイディ|en|Mohamed Saidi (Mathematician)}}{{Efn|name="サイディ氏所属"|[[エクセター大学]]教授(京都大学数理解析研究所客員教授)}}<ref>{{Cite web |url = http://emps.exeter.ac.uk/mathematics/staff/ms220|title = Prof Mohamed Saidi|website = emps.exeter.ac.uk|publisher = University of Exeter|date = |accessdate = 2022-05-08}}</ref>は書評{{Efn|name="MR"|2022年4月、[[アメリカ数学会]]が運営するMath Reviews誌に掲載}}で、宇宙際タイヒミュラー理論の系3.12に関連する論文IUTT-IIIの定理3.11を肯定するコメントを行った{{R|Saidi}}。 |
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望月の証明の試みは、数学専門誌2誌の審査を通過し、査読付き論文として掲載された。 |
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2022年7月、ヴォイチェフ・ポロウスキ、南出新、星裕一郎、イヴァン・フェセンコ、望月新一らの査読論文が雑誌{{Efn|name="KodaiMath"|[[東京工業大学]]が編集する数学論文誌Kodai Mathematical Journal}}に掲載された{{R|MFJMP}}(受理は2021年11月)。この論文で、楕円曲線の 6 等分点を用いて、ディオファントス的不等式中の定数を数値を明示した形(非明示的な「定数」が現れない)に修正した。2012年10月の、ヴェッセリン・ディミトロフ<ref>{{Cite web |url=https://www.math.toronto.edu/cms/people/faculty/dimitrov/|title=Vesselin Dimitrov|website=math.toronto.edu|publisher=[[トロント大学]]数学科|accessdate=2021-06-03}}</ref>と[[アクシェイ・ヴェンカテシュ]]による指摘<ref>この議論の発端は、[[MathOverflow]]の記事 [http://mathoverflow.net/questions/106560/philosophy-behind-mochizukis-work-on-the-abc-conjecture Philosophy behind Mochizuki’s work on the ABC conjecture] である</ref>により、望月の論文で証明される命題は「弱いABC予想」となっていたが、今回の結果により「強いABC予想」および「フェルマーの最終定理」の別証明を得たとされる。 |
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* 2021年3月4日 [[京都大学数理解析研究所]](RIMS)が編集する論文誌PRIMS『Publications of the Research Institute for Mathematical Sciences』は、非明示的な「定数」が現れる不等式の形(ABC予想の弱い形の証明)である査読論文を掲載<ref name=":paper1">{{Cite web |title=Volume 57, No. 1/2 (2021) Special issue on Inter-universal Teichmüller Theory{{!}} Publications of the Research Institute for Mathematical Sciences {{!}} EMS Press |url=https://ems.press/journals/prims/issues/1507 |website=ems.press |access-date=2022-08-04 |language=en}}</ref>した。 |
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'''認定までの指摘事項と対応''' |
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1)素数 "2 "で分割する悪い場所においては正しく機能しなくなる」ことによる数値的有効性の指摘と対応 |
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2012年10月 [[ヴェッセリン・ディミトロフ]]<ref>{{Cite journal|last=Dimitrov|first=Vesselin|date=2016-01-14|title=Effectivity in Mochizuki's work on the $abc$-conjecture|url=http://arxiv.org/abs/1601.03572|journal=arXiv:1601.03572 [math]}}</ref>と[[アクシェイ・ヴェンカテシュ]]<ref>{{Cite web |title=ag.algebraic geometry - Philosophy behind Mochizuki's work on the ABC conjecture |url=https://mathoverflow.net/questions/106560/philosophy-behind-mochizukis-work-on-the-abc-conjecture |website=MathOverflow |access-date=2022-08-04 |language=en}}</ref>)により「素数 "2 "で分割する悪い場所においては正しく機能しなくなる」ことの数値的有効性の指摘があった。指摘により望月は、数値を明示的しない「定数」を用いた不等式(弱いABC予想の証明)となる論文の修正をおこない、数学論文誌PIMSは「ABC予想の証明の形」で論文を掲載<ref name=":paper13">{{Cite web |title=Volume 57, No. 1/2 (2021) Special issue on Inter-universal Teichmüller Theory{{!}} Publications of the Research Institute for Mathematical Sciences {{!}} EMS Press |url=https://ems.press/journals/prims/issues/1507 |website=ems.press |access-date=2022-08-04 |language=en}}</ref>した。なお2022年7月の追加論文<sup>[2]</sup>で、楕円曲線の 6 等分点を用いる手法で、不等式の数値を明示化(非明示な定数が現れない)する障害の回避で、数学論文誌Koda mathJは、「ABC予想の強い形の証明」の論文を掲載<ref name=":paper23">{{Cite journal|last=Mochizuki|first=Shinichi|last2=Fesenko|first2=Ivan|last3=Hoshi|first3=Yuichiro|last4=Minamide|first4=Arata|last5=Porowski|first5=Wojciech|date=2022-06|title=Explicit estimates in inter-universal Teichmüller theory|url=https://projecteuclid.org/journals/kodai-mathematical-journal/volume-45/issue-2/Explicit-estimates-in-inter-universal-Teichm%c3%bcller-theory/10.2996/kmj45201.full|journal=Kodai Mathematical Journal|volume=45|issue=2|pages=175–236|doi=10.2996/kmj45201|issn=0386-5991}}</ref>した。 |
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2)証明の系3.12に反例があるとの指摘と対応 |
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2018年5月および2018年9月に [[ペーター・ショルツェ]]と[[ジェイコブ・スティックス]]は、望月の証明の系3.12の論理過程に反例があると主張<ref>{{Cite web |url=https://ncatlab.org/nlab/files/why_abc_is_still_a_conjecture.pdf |title=Why abc is still a conjecture |access-date=2022年8月5日}}</ref>した。この指摘に対し望月は、「反例では理論にいくつかの簡略化がおこなわれ、それらの簡略化が誤り」と反論<ref name=":ref2">{{Cite web |url=https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Rpt2018.pdf |title=REPORT ON DISCUSSIONS, HELD DURING THE PERIOD MARCH 15 – 20, 2018, CONCERNING INTER-UNIVERSAL TEICHM ̈ULLER THEORY (IUTCH) |access-date=2022年8月5日}}</ref><ref name=":ref1">{{Cite web |url=https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Cmt2018-05.pdf |title=COMMENTS ON THE MANUSCRIPT BY SCHOLZE-STIX CONCERNING INTER-UNIVERSAL TEICHM ̈ULLER THEORY |access-date=2022年8月5日}}</ref>した。論文誌PRIMSの編集委員会は、2020年4月に記者会見を行い、「ABC予想を証明した望月氏の論文が正しいものであるとの判断し」て論文受理を発表<ref>{{Cite web |title=数学の難問「ABC予想」証明 望月京大教授の論文、学術誌に掲載(1/2ページ) |url=https://www.sankei.com/article/20200403-EWYJ3VHDZFJ5JIDWRK46ACZ5Z4/ |website=産経ニュース |date=2020-04-03 |access-date=2022-08-04 |language=ja |first=SANKEI DIGITAL |last=INC}}</ref>した。同会見では「内容に懐疑的な海外の数学者もいるが、望月教授自身が反論<ref>{{Cite web |url=https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Cmt2018-05.pdf |title=COMMENTS ON THE MANUSCRIPT BY SCHOLZE-STIX CONCERNING INTER-UNIVERSAL TEICHM ̈ULLER THEORY |access-date=2022年8月6日}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Rpt2018.pdf |title=REPORT ON DISCUSSIONS, HELD DURING THE PERIOD MARCH 15 – 20, 2018, CONCERNING INTER-UNIVERSAL TEICHM ̈ULLER THEORY ( |access-date=2022年8月6日}}</ref>もしており、(ショルツェ教授からの)再反論もない」との状況の認識であると表明し<ref>{{Cite web |title=望月教授「ABC予想」証明 斬新理論で数学界に「革命」 京大数理研「完全な論文」 |url=https://mainichi.jp/articles/20200403/k00/00m/040/295000c |website=毎日新聞 |access-date=2022-08-04 |language=ja}}</ref>ている。一方、 [[ペーター・ショルツェ]]は、2021年7月、[[ZbMATH|Zentralblatt Math]]誌に、望月の論文誌PRIMS掲載の論文について、系3.12の論理過程に批判的なレビュー<ref>{{Cite web |url=https://zbmath.org/pdf/07317908.pdf |title=Mochizuki, Shinichi Inter-universal Teichmüller theory. I: Construction of Hodge theaters. |access-date=2022年8月5日}}</ref>を寄稿した。なお同レビューには「望月の反論内容への数学的な再反論」は付されてない{{R|:paper2}}。 |
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'''新しい言語体系の構築、理論論理の明示化への要望''' |
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望月の理論は「新たな数学的な手法と言語を用いた」証明による理論であるため、「現今の数学との違いを完全に言語化し新しい言語体系の構築」あるいは「理論をわかりやすくする」ことへの要望があり、これに対し望月は、査読された理論の論理展開を詳しく解説するレポートを公開により応対をおこなっている{{R|:paper2}}。 |
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*イギリスの科学誌ネイチャーは、2012年時点で望月の新たな数学的手法と言語により「[[査読]]に時間がかかるだろう」と報じた<ref>{{Cite journal|last=Ball|first=Philip|date=2012-09-10|title=Proof claimed for deep connection between primes|url=https://www.nature.com/articles/nature.2012.11378|journal=Nature|language=en|doi=10.1038/nature.2012.11378|issn=1476-4687}}</ref>。実際にその後完全な証明の認定まで10年要している。 |
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*[[日本放送協会]]制作のドキュメンタリー番組『[[NHKスペシャル]]』は、「現今の数学との違いをきちんと完全に言語化」し「理論を分かるようにしてほしい」との要望があり、一方、望月からは論理展開を詳しく解説するレポート<ref>{{Cite web |url=https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Essential%20Logical%20Structure%20of%20Inter-universal%20Teichmuller%20Theory.pdf |title=ON THE ESSENTIAL LOGICAL STRUCTURE OF INTER-UNIVERSAL TEICHM ̈ULLER THEORY IN TERMS OF LOGICAL AND “∧”/LOGICAL OR “∨” RELATIONS: REPORT ON THE OCCASION OF THE PUBLICATION OF THE FOUR MAIN PAPERS ON INTER-UNIVERSAL TEICHM ̈ULLER THEORY |access-date=2022年8月5日}}</ref>の公開で応対<ref>{{Cite web |title=望月新一の最新情報 |url=https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/news-japanese.html |website=www.kurims.kyoto-u.ac.jp |access-date=2022-08-04}}</ref>を紹介<ref name=":nhk2" />した。 |
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なお望月の証明の試みで、本項はABC予想に関する情報であるが、他の[[ディオファントス方程式|ディオファントス]]問題の解析等については、[[宇宙際タイヒミュラー理論]]を参照のこと。 |
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== 得られる結果の例 == |
== 得られる結果の例 == |
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; [[トゥエ・ジーゲル・ロスの定理|トゥエ=ジーゲル=ロスの定理]] |
; [[トゥエ・ジーゲル・ロスの定理|トゥエ=ジーゲル=ロスの定理]] |
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: [[代数的数]]のディオファントス近似に関する定理。 |
: [[代数的数]]のディオファントス近似に関する定理。 |
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[[フェルマーの最終定理 |
; [[フェルマーの最終定理]] |
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: ただし指数が十分大きい場合。どの程度大きければよいかは {{math|''K''(''ε'')}} に依存する。定理自体は、ABC予想とは独立に[[アンドリュー・ワイルズ|ワイルズ]]が証明した。ある {{math|''K''(''ε'')}} が具体的に求まれば、有限個の例外を直接計算することにより、原理的にはすべての指数 ≥ 4 に対して証明が可能である。{{math|1=''ε'' = 1}} のとき {{math|1=''K''(1) = 1}} という予想もあり、この仮定の下で、指数が {{math|6}} 以上の場合は直ちに証明される {{harv|Granville|Tucker|2002}} |
: ただし指数が十分大きい場合。どの程度大きければよいかは {{math|''K''(''ε'')}} に依存する。定理自体は、ABC予想とは独立に[[アンドリュー・ワイルズ|ワイルズ]]が証明した。ある {{math|''K''(''ε'')}} が具体的に求まれば、有限個の例外を直接計算することにより、原理的にはすべての指数 ≥ 4 に対して証明が可能である。{{math|1=''ε'' = 1}} のとき {{math|1=''K''(1) = 1}} という予想もあり、この仮定の下で、指数が {{math|6}} 以上の場合は直ちに証明される {{harv|Granville|Tucker|2002}}{{Efn|name="フェルマー"}}。 |
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⚫ | :<math>c^n <(\operatorname{rad} a^n b^n c^n )^2</math> が成り立つ。一般に <math>\operatorname{rad} x^n = \operatorname{rad} x \le x</math> であるから、<math>(\operatorname{rad} a^n b^n c^n )^2 \le (abc)^2 < (c^3)^2 = c^6</math> となる。ゆえに {{math|''c{{sup|n}}'' < ''c''{{sup|6}}}}, {{math|''c'' > 1}} より {{math|''n'' < 6}}。{{math|1=''n'' = 3, 4, 5}} については古典的な証明があるので定理が証明される |
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; [[モーデル予想]]([[ゲルト・ファルティングス|ファルティングス]]の定理): {{harv|Elkies|1991}} |
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2015年に、ABC@homeプロジェクトは合計2380万組の3つ組を見つけ、その直後にプロジェクトは終了した<ref>{{Cite web |title=Bart de Smit - ABC triples |url=https://www.math.leidenuniv.nl/~desmit/abc/index.php?set=1 |website=www.math.leidenuniv.nl |access-date=2022-07-30}}</ref> |
2015年に、ABC@homeプロジェクトは合計2380万組の3つ組を見つけ、その直後にプロジェクトは終了した<ref>{{Cite web |title=Bart de Smit - ABC triples |url=https://www.math.leidenuniv.nl/~desmit/abc/index.php?set=1 |website=www.math.leidenuniv.nl |access-date=2022-07-30}}</ref> |
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== 大衆文化において == |
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*[[乃木坂46]]の27thシングル「[[ごめんねFingers crossed]]」typeA CDに入っている[[林瑠奈]]の特典映像は「ABC予想解説」であった<ref>{{Cite web |title=乃木坂46_27th_林瑠奈PV「ABC予想解説」|url=https://www.youtube.com/watch?v=tifpx4qIOmE&ab_channel=Y_KMT|website=YOUTUBE |access-date=2022-08-05}}</ref>。 |
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== 脚注 == |
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=== 注釈 === |
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{{Efn|name="弐"|なお、{{math|''c'' {{=}} rad(''abc'')}} すなわち {{math|''q''(''a'', ''b'', ''c'') {{=}} 1 }} となるような abc-triple は1組もない。もし {{math|''a'' < ''b''}} を課さなければ (1, 1, 2) という1組だけがあるが、予想自体には支障をきたさない。}} |
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{{Efn|name="参"|この主張と元のABC予想の主張の間に論理的な強弱関係はない。すなわち、ABC予想の主張の一部が弱められ、一部が強められている。この主張は[[:en:Abc_conjecture]]では「an effective form of a weak version of the abc conjecture」(ABC予想の弱いバージョンの[[数論の有効な結果|有効]]な形(の一種))として言及されている。}} |
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=== 出典 === |
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<ref name="Mochizuki_a">{{Cite journal|url=http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Inter-universal%20Teichmuller%20Theory%20I.pdf|title=Inter-universal Teichmüller Theory I: Construction of Hodge Theaters.|first=Shinichi|last=Mochizuki|authorlink=望月新一|format=PDF|accessdate=2021-03-05}}</ref> |
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<ref name="Mochizuki_b">{{Cite journal|url=http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Inter-universal%20Teichmuller%20Theory%20II.pdf|title=Inter-universal Teichmüller Theory II: Hodge-Arakelov-theoretic Evaluation.|first=Shinichi|last=Mochizuki|authorlink=望月新一|format=PDF|accessdate=2021-03-05}}</ref> |
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<ref name="Mochizuki_d">{{Cite journal|url=http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Inter-universal%20Teichmuller%20Theory%20IV.pdf|title=Inter-universal Teichmüller Theory IV: Log-volume Computations and Set-theoretic Foundations.|first=Shinichi|last=Mochizuki|authorlink=望月新一|format=PDF|accessdate=2021-03-05}}</ref> |
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<ref name="Mochizuki_x">{{Cite web|url=https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Rpt2018.pdf|title=REPORT ON DISCUSSIONS, HELD DURING THE PERIOD MARCH 15 – 20, 2018, CONCERNING|accessdate=2021/11/13}}</ref> |
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<ref name="Mochizuki_z">{{Cite web|title=EMS Press {{!}} Publications of the Research Institute for Mathematical Sciences Vol. 57, No. 1/2|url=https://ems.press/journals/prims/issues/1507|website=ems.press|accessdate=2021-11-13|language=en}}</ref> |
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<ref name="Saidi">{{Cite web |url=https://mathscinet.ams.org/mathscinet-getitem?mr=4225476 |title=Mochizuki, Shinichi Inter-universal Teichmüller theory IV: Log-volume computations and set-theoretic foundations. Publ. Res. Inst. Math. Sci. 57 (2021), no. [1-2], 627–723. |access-date=2022/04/29}}</ref> |
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⚫ | <ref name="MFJMP">{{Cite journal|last=Mochizuki|first=Shinichi|last2=Fesenko|first2=Ivan|last3=Hoshi|first3=Yuichiro|last4=Minamide|first4=Arata|last5=Porowski|first5=Wojciech|date=2022-06|title=Explicit estimates in inter-universal Teichmüller theory|url=https://projecteuclid.org/journals/kodai-mathematical-journal/volume-45/issue-2/Explicit-estimates-in-inter-universal-Teichm%c3%bcller-theory/10.2996/kmj45201.full|journal=Kodai Mathematical Journal|volume=45|issue=2|pages=175–236|doi=10.2996/kmj45201|issn=0386-5991}}</ref> |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
2022年10月9日 (日) 09:14時点における版
a + b = c
を満たす、互いに素な自然数の組 (a, b, c) に対し、積 abc の互いに異なる素因数の積を d と表す。このとき、任意の ε > 0 に対して、 c > d1+ε
を満たす組 (a, b, c) は高々有限個しか存在しないであろうか? |
ABC予想(ABCよそう、英: abc conjecture, 別名:オステルレ–マッサー予想、英: Oesterlé–Masser conjecture)は、1985年にジョゼフ・オステルレとデイヴィッド・マッサーにより提起された数論の予想である。
これは多項式に関するメーソン・ストーサーズの定理の整数における類似であり、互いに素でありかつ a + b = c を満たすような3つの自然数(この予想に呼び方を合わせると)a, b, c の和と積の関係について述べている[1][2]。
ABC予想は、この予想から数々の興味深い結果が得られることから有名になった。数論における数多の有名な予想や定理がABC予想から直ちに導かれる。
Goldfeld (1996) は、ABC予想を「ディオファントス解析で最も重要な未解決問題」であるとしている。
定式化
自然数 n に対して、n の互いに異なる素因数の積を n の根基 (radical) と呼び、rad n と書く。以下に例を挙げる。
- p が素数ならば、rad(p) = p.
- rad(8) = rad(23) = 2.
- rad(45) = rad(32 ⋅ 5) = 3 ⋅ 5 = 15.
自然数の組 (a, b, c) で、a + b = c, a < b で、a と b は互いに素であるものを abc-triple と呼ぶ。大抵の場合は c < rad(abc) が成り立つが、ABC予想が主張するのはこれが成り立たない例(例えば、a = 1, b = 8 のとき c = 9 であり、rad(abc) = 6 である)の方である。ただし、c > rad(abc) が成り立つ例も無限に存在する[注釈 1][注釈 2]ため、rad(abc) を少しだけ大きくすることで例を有限個にできないかどうかを考える。すなわち、ABC予想は任意の ε > 0 に対して、次を満たすような自然数の組 (a, b, c) は高々有限個しか存在しないであろうと述べている:
これと同値な他の定式化(Oesterlé–Masser の ABC予想)として次のものがある。すなわち、任意の ε > 0 に対してある K(ε) > 0 が存在し、全ての abc-triple (a, b, c) について次が成り立つという:
- (K(ε) を ε に依らずに取ることはできない。)
三つ目の定式化は「質」(quality) と呼ばれる概念を導入して表現する。abc-triple (a, b, c) に対して、質 q(a, b, c) を次のように定義する:
このときABC予想は、任意の ε > 0 に対して、abc-triple (a, b, c) であって q(a, b, c) > 1 + ε を満たすものは高々有限個しか存在しないということを主張している。
現在、q(a, b, c) > 1.6 を満たす abc-triple は後述の通り3組しか知られていない。q(a, b, c) を 2 まで大きくすれば、そうした abc-triple は存在しないという予想もある。すなわち「全ての abc-triple (a, b, c) に対して、c < rad(abc)2 を満たすであろう」という主張だが、こちらも肯定も否定もされていない[注釈 3]。
証明の提案
1985年の予想の提起から、数々の数学者によりABC予想の証明が提案されてきた[3]。しかし、現在、数学コミュニティの同意が得られたものはない[4][5]。
望月新一による提案
望月新一[注釈 4]は、自身の考案した宇宙際タイヒミュラー理論によるディオファントス的不等式(論文IUTT-IVの系2.3)の証明から、スピロ予想、ヴォイタ予想、ABC予想を証明したと主張している[注釈 5]。(なお、宇宙際タイヒミュラー理論のサーベイ論文についてはこちらを参照。)
上記の証明に対し、ペーター・ショルツェとジェイコブ・スティックスが、論文IUTT-IIIの系3.12[11]の証明の反例となるレポート[12]にて「提案された〔望月のプレプリントの〕証明には深刻な問題があり、小さな修正で証明戦略を救うことはできず、証明になっていない」と指摘した(2018年5月公開、2018年9月一部修正)。望月は、反例において宇宙際タイヒミュラー理論にいくつかの簡略化がおこなわれており、それらの簡略化が悉く誤りであると指摘するレポート[13][14]を公表し反論した(2018年9月発表、2021年3月改訂)。(なお、指摘事項の詳細についてはこちらを参照。)
望月の証明論文は、2020年2月査読を通過し[注釈 6]、翌年、2021年3月4日、雑誌[注釈 7]に掲載された[15]。(なお、記者会見および論文掲載時のコメントについてはこちらを参照。)
上記論文に対し、ペーター・ショルツェは書評[注釈 8]にて「このシリーズの最初の3つのパートにおいて、読者は残念ながら実質的な数学的内容をほんの少ししか見出さないだろう。第2部と第3部では、肝心の系3.12に、数行以上の証明を見出さないだろう」[16]と否定的にコメントした。一方、モハメド・サイディ[注釈 9][17]は書評[注釈 10]で、宇宙際タイヒミュラー理論の系3.12に関連する論文IUTT-IIIの定理3.11を肯定するコメントを行った[18]。
2022年7月、ヴォイチェフ・ポロウスキ、南出新、星裕一郎、イヴァン・フェセンコ、望月新一らの査読論文が雑誌[注釈 11]に掲載された[19](受理は2021年11月)。この論文で、楕円曲線の 6 等分点を用いて、ディオファントス的不等式中の定数を数値を明示した形(非明示的な「定数」が現れない)に修正した。2012年10月の、ヴェッセリン・ディミトロフ[20]とアクシェイ・ヴェンカテシュによる指摘[21]により、望月の論文で証明される命題は「弱いABC予想」となっていたが、今回の結果により「強いABC予想」および「フェルマーの最終定理」の別証明を得たとされる。
得られる結果の例
ABC予想を真だと仮定すると、多数の系が得られる。その中には既に知られている結果もあれば、予想の提出後に予想とは独立に証明されたものもあり、部分的証明となるものもある。ABC予想がもし早期に証明されていたなら、得られる系という意味での影響はもっと大きかったが、ABC予想が成立した場合に解決される予想はまだ残っており、また数論の深い問題と数多くの結び付きがあるので、ABC予想は依然として「重要な問題」であり続けている。「有限個に限定される」ことが結論である命題(予想)の証明に役に立つ。
- トゥエ=ジーゲル=ロスの定理
- 代数的数のディオファントス近似に関する定理。
- フェルマーの最終定理
- ただし指数が十分大きい場合。どの程度大きければよいかは K(ε) に依存する。定理自体は、ABC予想とは独立にワイルズが証明した。ある K(ε) が具体的に求まれば、有限個の例外を直接計算することにより、原理的にはすべての指数 ≥ 4 に対して証明が可能である。ε = 1 のとき K(1) = 1 という予想もあり、この仮定の下で、指数が 6 以上の場合は直ちに証明される (Granville & Tucker 2002)[注釈 12]。
- モーデル予想(ファルティングスの定理)
- (Elkies 1991)
- エルデシュ=ウッズ予想
- ただし有限個の反例を除く (Langevin 1993)。
- 非ヴィーフェリッヒ素数が無限個存在すること
- (Silverman 1988)。
- 弱い形のマーシャル・ホール予想
- 平方数と立方数の間隔に関する予想 (Nitaj 1996)。
- フェルマー=カタラン予想
- フェルマーの最終定理の拡張であり、冪の和である冪を扱う (Pomerance 2008)。
- ルジャンドル記号を用いて記述したディリクレのL関数 L(s, (-d/.)) がジーゲル零点を持たないこと
- 正確には、このためには上で紹介している有理整数を扱うABC予想に加えて、代数体上の一様なABC予想を用いる。(Granville & Stark 2000)。
- Schinzel–Tijdeman theorem
- P を少なくとも3つ以上の単根を持つ多項式とすると、P(1),P(2),P(3), … の中には高々有限個しか累乗数が存在しない、という定理 (1976)[22]。
- ティーデマンの定理の一般化
- ym = xn + k が持つ解の個数について。ティーデマンの定理は k = 1 の場合を述べている。また、Aym = Bxn + k が持つ解の個数に関するピライ予想 (1931)。
- グランヴィル=ランジュバン予想と同値。
- 修正したスピロ予想。
- これは境界として を与える (Oesterlé 1988)。
- 任意の整数A について、n! + A = k2 が有限個の解しか持たないこと(一般化されたブロカールの問題)
- (Dąbrowski 1996)と同値。
コンピューティング(演算)による成果
2006年、オランダのライデン大学数学研究所は、さらなる abc-triple を発見しようと、Kennislink科学協会と共に分散コンピューティングシステム「ABC@homeプロジェクト」を立ち上げた。たとえ演算によって発見された例または反例が ABC予想を解決することができなくとも、このプロジェクトによって発見される組み合わせが、予想と整数論についての洞察に繋がることが期待されている。
q は上記で定義した abc-triple (a, b, c) の質 q(a, b, c) である。このとき、c の上限によって、質 q は以下のような分布を取る。
cの値 | q > 1 | q > 1.05 | q > 1.1 | q > 1.2 | q > 1.3 | q > 1.4 |
---|---|---|---|---|---|---|
c < 102 | 6 | 4 | 4 | 2 | 0 | 0 |
c < 103 | 31 | 17 | 14 | 8 | 3 | 1 |
c < 104 | 120 | 74 | 50 | 22 | 8 | 3 |
c < 105 | 418 | 240 | 152 | 51 | 13 | 6 |
c < 106 | 1,268 | 667 | 379 | 102 | 29 | 11 |
c < 107 | 3,499 | 1,669 | 856 | 210 | 60 | 17 |
c < 108 | 8,987 | 3,869 | 1,801 | 384 | 98 | 25 |
c < 109 | 22,316 | 8,742 | 3,693 | 706 | 144 | 34 |
c < 1010 | 51,677 | 18,233 | 7,035 | 1,159 | 218 | 51 |
c < 1011 | 116,978 | 37,612 | 13,266 | 1,947 | 327 | 64 |
c < 1012 | 252,856 | 73,714 | 23,773 | 3,028 | 455 | 74 |
c < 1013 | 528,275 | 139,762 | 41,438 | 4,519 | 599 | 84 |
c < 1014 | 1,075,319 | 258,168 | 70,047 | 6,665 | 769 | 98 |
c < 1015 | 2,131,671 | 463,446 | 115,041 | 9,497 | 998 | 112 |
c < 1016 | 4,119,410 | 812,499 | 184,727 | 13,118 | 1,232 | 126 |
c < 1017 | 7,801,334 | 1,396,909 | 290,965 | 17,890 | 1,530 | 143 |
c < 1018 | 14,482,059 | 2,352,105 | 449,194 | 24,013 | 1,843 | 160 |
2012年9月[update]、ABC@homeは2310万個の3つ組を発見しており、当面の目標を 1020 を超えない c についての全ての abc-triple (a, b, c) を見つけることとしている[24]
現在番号 | q | a | b | c | 発見者 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1.6299 | 2 | 310·109 | 235 | Eric Reyssat |
2 | 1.6260 | 112 | 32·56·73 | 221·23 | Benne de Weger |
3 | 1.6235 | 19·1307 | 7·292·318 | 28·322·54 | Jerzy Browkin, Juliusz Brzezinski |
4 | 1.5808 | 283 | 511·132 | 28·38·173 | Jerzy Browkin, Juliusz Brzezinski, Abderrahmane Nitaj |
5 | 1.5679 | 1 | 2·37 | 54·7 | Benne de Weger |
2015年に、ABC@homeプロジェクトは合計2380万組の3つ組を見つけ、その直後にプロジェクトは終了した[26]
脚注
注釈
- ^ 例として、a = 1, b = 32n − 1, c = 32nのとき、全ての n について rad(abc) < 3c/4 が成り立つ。また、a = 1, b = 32n − 1, c = 32nのとき、全ての n について rad(abc) < 3c/2n+1が成り立つ。
- ^ なお、c = rad(abc) すなわち q(a, b, c) = 1 となるような abc-triple は1組もない。もし a < b を課さなければ (1, 1, 2) という1組だけがあるが、予想自体には支障をきたさない。
- ^ この主張と元のABC予想の主張の間に論理的な強弱関係はない。すなわち、ABC予想の主張の一部が弱められ、一部が強められている。この主張はen:Abc_conjectureでは「an effective form of a weak version of the abc conjecture」(ABC予想の弱いバージョンの有効な形(の一種))として言及されている。
- ^ 京都大学数理解析研究所教授
- ^ 2012年8月30日、自身が所属する京都大学数理解析研究所編集の専門誌『Publications of the Research Institute for Mathematical Sciences』(以下『PRIMS』)に投稿し、初稿が同誌のプレプリントで公開された[6][7][8][9][10]。
- ^ 2020年4月に京都大学数理解析研究所(RIMS)の雑誌『PRIMS』の共同編集委員長柏原正樹、玉川安騎男より発表された。
- ^ 『PRIMS』の特別号電子版
- ^ 2021年7月31日、ヨーロッパ数学会が運営するzbMATHに掲載
- ^ エクセター大学教授(京都大学数理解析研究所客員教授)
- ^ 2022年4月、アメリカ数学会が運営するMath Reviews誌に掲載
- ^ 東京工業大学が編集する数学論文誌Kodai Mathematical Journal
- ^ ABC予想が K = 1 かつ ε = 1 で正しければ、互いに素な自然数 A, B, C が A + B = C を満たすとき C < (rad ABC)2 が成り立つ。互いに素な自然数 a, b, c が an + bn = cn を満たすと仮定すると、an, bn, cn は互いに素より、A = an, B = bn, C = cn を代入して
- が成り立つ。一般に であるから、 となる。ゆえに cn < c6, c > 1 より n < 6。n = 3, 4, 5 については古典的な証明があるので定理が証明される(山崎 2010, p. 11)。
出典
- ^ “知恵蔵2013『ABC予想』”. kotobank.jp. コトバンク (2020年4月3日). 2020年4月3日閲覧。
- ^ “"abc Conjecture".”. mathworld.wolfram.com. MathWorld (2020年4月3日). 2020年4月3日閲覧。
- ^ NHKスペシャル 数学者は宇宙をつなげるか?abc予想証明をめぐる数奇な物語(前編)[1]
- ^ NHKスペシャル 数学者は宇宙をつなげるか?abc予想証明をめぐる数奇な物語(後編)[2]
- ^ WHAT IS THE POINT OF COMPUTERS? A QUESTION FOR PURE MATHEMATICIANS,KEVIN BUZZARD[3]
- ^ “京都大学数理解析研究所 - プレプリント -”. www.kurims.kyoto-u.ac.jp. 2021年4月17日閲覧。
- ^ Mochizuki, Shinichi (PDF). Inter-universal Teichmüller Theory I: Construction of Hodge Theaters. 2021年3月5日閲覧。.
- ^ Mochizuki, Shinichi (PDF). Inter-universal Teichmüller Theory II: Hodge-Arakelov-theoretic Evaluation. 2021年3月5日閲覧。.
- ^ Mochizuki, Shinichi (PDF). Inter-universal Teichmüller Theory III: Canonical Splittings of the Log-theta-lattice. 2021年3月5日閲覧。.
- ^ Mochizuki, Shinichi (PDF). Inter-universal Teichmüller Theory IV: Log-volume Computations and Set-theoretic Foundations. 2021年3月5日閲覧。.
- ^ Mochizuki's corollary 3.12 in nLab[4]
- ^ “why abc is still a conjecture”. 2021年11月13日閲覧。
- ^ “REPORT ON DISCUSSIONS, HELD DURING THE PERIOD MARCH 15 – 20, 2018, CONCERNING”. 2021年11月13日閲覧。
- ^ “ON THE ESSENTIAL LOGICAL STRUCTURE OF INTER-UNIVERSAL TEICHM ̈ULLER THEORY IN TERMS OF LOGICAL AND “∧”/LOGICAL OR “∨””. 2021年11月13日閲覧。
- ^ “EMS Press | Publications of the Research Institute for Mathematical Sciences Vol. 57, No. 1/2” (英語). ems.press. 2021年11月13日閲覧。
- ^ https://zbmath.org/pdf/07317908.pdf
- ^ “Prof Mohamed Saidi”. emps.exeter.ac.uk. University of Exeter. 2022年5月8日閲覧。
- ^ “Mochizuki, Shinichi Inter-universal Teichmüller theory IV: Log-volume computations and set-theoretic foundations. Publ. Res. Inst. Math. Sci. 57 (2021), no. [1-2, 627–723.]”. 2022年4月29日閲覧。
- ^ Mochizuki, Shinichi; Fesenko, Ivan; Hoshi, Yuichiro; Minamide, Arata; Porowski, Wojciech (2022-06). “Explicit estimates in inter-universal Teichmüller theory”. Kodai Mathematical Journal 45 (2): 175–236. doi:10.2996/kmj45201. ISSN 0386-5991 .
- ^ “Vesselin Dimitrov”. math.toronto.edu. トロント大学数学科. 2021年6月3日閲覧。
- ^ この議論の発端は、MathOverflowの記事 Philosophy behind Mochizuki’s work on the ABC conjecture である
- ^ The ABC-conjecture (Frits Beukers, 9 september 2005) (PDF)
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参考文献
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関連文献
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- 黒川信重、小山信也『ABC予想入門』 067巻、PHP研究所〈PHPサイエンス・ワールド新書〉、2013年3月18日。ISBN 978-4-569-81067-6 。2021年3月5日閲覧。
- 黒川信重、小島寛之『21世紀の新しい数学 〜絶対数学、リーマン予想、そしてこれからの数学〜』技術評論社〈知の扉シリーズ〉、2013年7月23日。ISBN 978-4-7741-5829-7 。2021年3月5日閲覧。
- S・ラング「Lecture II abc 予想」『ラング数学を語る』 16巻、細川尋史 訳、シュプリンガー・ジャパン〈シュプリンガー数学リーディングス〉、2009年10月11日(原著2009年)。ISBN 978-4431709084。
- S・ラング「Lecture II abc 予想」『ラング数学を語る』 16巻、細川尋史 訳、丸善出版〈シュプリンガー数学リーディングス〉、2012年1月(原著2009年)。ISBN 978-4-621-06204-3 。2021年3月5日閲覧。 - 上記の新版
- 加藤文元『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』KADOKAWA、2019年4月25日。ISBN 978-4044004170。
関連項目
- n予想(abc予想の一般化)