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[[ファイル:Flexicalymene-ouzregui-positive-negative.jpg|thumb|250px|団塊の中の化石]] |
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[[File:Siderite ironstone nodule (Lower Mississippian or Lower Pennsylvanian; Rt. 16 roadcut northeast of Frazeysburg, Ohio, USA) (33430160675).jpg|thumb|250px|[[菱鉄鉱]]ノジュールの断面。大部分は菱鉄鉱で、内部の赤褐色部分は[[赤鉄鉱]]。堆積岩中にでき、浸食で露出して採集されたもの。]] |
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'''団塊'''(だんかい、{{Lang-en-short|nodule}}<ref name="terms">{{Cite book |和書 |editor=文部省|editor-link=文部省 |title = [[学術用語集]] 地学編 |year = 1984 |publisher = [[日本学術振興会]] |isbn = 4-8181-8401-2 |page = 12}}</ref><ref>{{Kotobank|団塊|[[デジタル大辞泉]]}}。2018年4月1日閲覧。</ref>、{{Lang|en|concretion}}<ref name="terms" />)とは、地質体中に見られる、周囲と成分の異なる[[塊]]。'''ノジュール'''ともいう<ref>{{Kotobank|ノジュール|[[ブリタニカ国際大百科事典]] 小項目事典}}。2018年4月1日閲覧。</ref>。堆積物の砕屑粒子の隙間が鉱物で充填されてできたものは[[コンクリーション]]という。 |
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[[File:Knotenkalk wildenfelser zwgeb.jpg|thumb|デボン紀のノジュール状石灰岩の研磨標本(ドイツ)]] |
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'''団塊'''(だんかい)は、[[地質学]]では'''ノジュール''' ({{Lang-en-short|nodule}})または'''コンクリーション''' ({{Lang|en|concretion}})を指す<ref>{{Harvnb|最新地学事典|2024|p=885 |ps=「団塊」(※コンクリーションおよびノジュールへの参照)}}</ref><ref name="地24nod">{{Harvnb|最新地学事典|2024|pp=1133-1134|ps=「ノジュール」(著者:公文富士夫)}}</ref><ref name="地24con">{{Harvnb|最新地学事典|2024|p=531|ps=「コンクリーション」(著者:公文富士夫、保柳康一)}}</ref>。コンクリーションは大きさを問わない一方で相対的に小さなものをノジュールとしたり{{R|地24nod|地24con}}、元の[[地層]]の[[層理]]や内包する[[化石]]のほかに内部構造をもたないものをノジュールとしたりして{{R|地24nod}}<ref name="gog5">{{Harvnb|Glossary of Geology (5th ed.)|2005|p=779}}</ref><ref name="Boggss">{{Harvnb|Boggss|2009|p=600}}</ref>、使い分ける場合がある。一方、ノジュールとコンクリーションをほぼ同義に用いる場合もある{{R|地24nod|地24con|gog5|Boggss}}。本項ではノジュールについて解説する([[コンクリーション]]は当該項目を参照)。 |
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== ノジュール == |
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⚫ | 堆積物の場合内部に[[化石]]を閉じ込めていることがあり<ref>{{Cite book|和書 |author1=山崎晴雄|authorlink1=山崎晴雄|author2= 久保純子 |year = 2017 |title = 日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語 |publisher = [[講談社]] |page = 106 |isbn = 978-4-06-502000-5}}</ref>、その場合には周囲の母岩よりも硬い団塊が地面の圧力に耐え、内部の化石は立体を保っていることが多い。従って化石採集の際には、雨や川による浸食を受けて[[露頭]]から落ちた団塊を探すという手法も採られている<ref>{{Cite book|和書|author=森伸一 |editor=羽幌古生物研究会 |title=北海道羽幌地域のアンモナイト |isbn=978-4-86368-029-6 |year=2018 |edition=第2版 |pages=104-105}}</ref>。 |
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'''ノジュール'''は、[[堆積物]]あるいは[[堆積岩]]中に形成された、元の[[母岩]]の地層とは異なる組成を持つ、[[鉱物]]または鉱物とそれ以外の凝集した、球状、板状、または丸みを帯びた不規則な形の硬い塊{{R|地24nod|gog5|Boggss}}。コンクリーションと比べ相対的に小さなもの、内部構造をもたないものを指すこともある{{R|地24nod|gog5|Boggss}}。 |
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ノジュールを構成する鉱物は主に、[[方解石]]、チャート、リン鉱石、[[無水石膏]]、黄鉄鉱など{{R|gog5|Boggss}}。 |
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⚫ | 堆積物の場合内部に[[化石]]を閉じ込めていることがあり<ref>{{Cite book|和書 |author1=山崎晴雄|authorlink1=山崎晴雄|author2= 久保純子 |year = 2017 |title = 日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語 |publisher = [[講談社]] |page = 106 |isbn = 978-4-06-502000-5}}</ref><ref>{{Cite book|和書|author1=光野千春 |author2=沼野忠之 |author3=高橋達郎 |authorlink2=沼野忠之 |editor=山陽新聞社出版局 |title=岡山の地学 |year=1982 |publisher=[[山陽新聞社]] |series=原色図鑑 |id={{NDLJP|9671612}} |isbn=4-88197-108-5 |oclc=674175962 |page=288, 291 }}</ref>、その場合には周囲の母岩よりも硬い団塊が地面の圧力に耐え、内部の化石は立体を保っていることが多い。従って化石採集の際には、雨や川による浸食を受けて[[露頭]]から落ちた団塊を探すという手法も採られている<ref>{{Cite book|和書|author=森伸一 |editor=羽幌古生物研究会 |title=北海道羽幌地域のアンモナイト |isbn=978-4-86368-029-6 |year=2018 |edition=第2版 |pages=104-105}}</ref>。 |
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2024年12月21日 (土) 17:05時点における版
団塊(だんかい)は、地質学ではノジュール (英: nodule)またはコンクリーション (concretion)を指す[1][2][3]。コンクリーションは大きさを問わない一方で相対的に小さなものをノジュールとしたり[2][3]、元の地層の層理や内包する化石のほかに内部構造をもたないものをノジュールとしたりして[2][4][5]、使い分ける場合がある。一方、ノジュールとコンクリーションをほぼ同義に用いる場合もある[2][3][4][5]。本項ではノジュールについて解説する(コンクリーションは当該項目を参照)。
ノジュール
ノジュールは、堆積物あるいは堆積岩中に形成された、元の母岩の地層とは異なる組成を持つ、鉱物または鉱物とそれ以外の凝集した、球状、板状、または丸みを帯びた不規則な形の硬い塊[2][4][5]。コンクリーションと比べ相対的に小さなもの、内部構造をもたないものを指すこともある[2][4][5]。
石灰岩中のチャートノジュール[2][4][5]、石炭中の黄鉄鉱ノジュール[4][5]、また海底の頁岩中のリン酸塩ノジュール[4][5]のほか深海底に広く分布するマンガン、コバルト、鉄、ニッケルに富むノジュールが知られている[2]。
ノジュールを構成する鉱物は主に、方解石、チャート、リン鉱石、無水石膏、黄鉄鉱など[4][5]。
フリントを含むチャートのノジュールは、海綿動物の珪質骨針や放散虫の遺骸が溶解して非晶質シリカとして再堆積し、それが石灰岩(チョークを含む)の一部を置き換えることで形成される[5]。
カンラン石ノジュールなど、火成岩の中にみられる粗粒の塊にノジュールの語を使うこともある[2]。
続成作用の過程でできる自生鉱物の凝集したものをノジュールとし[6]、堆積時に同時生的に形成された海底のマンガンやリン酸塩の塊は、厳密にはノジュールに含まない(コンクリーションとする)考え方もある[4][5]。一方で、ノジュール・コンクリーションの双方に、堆積時に同時生的に生成された一次団塊(または同生団塊)、堆積後の続成作用で生成された二次団塊(または後生団塊)などの分類をする場合もある[6][7][8]。
日本語では、形の不規則なものを結核と呼ぶこともある[9]。
nodularの語は、堆積物あるいは堆積岩の基質の中で、散在あるいは緩く凝集した塊(結核、結節)を指すとき使ったり、球状の膜を持つコロフォームを呈する鉱物の凝集を指すとき使ったりする[4][5]。
堆積物の場合内部に化石を閉じ込めていることがあり[10][11]、その場合には周囲の母岩よりも硬い団塊が地面の圧力に耐え、内部の化石は立体を保っていることが多い。従って化石採集の際には、雨や川による浸食を受けて露頭から落ちた団塊を探すという手法も採られている[12]。
脚注
出典
- ^ 最新地学事典 2024, p. 885 「団塊」(※コンクリーションおよびノジュールへの参照)
- ^ a b c d e f g h i 最新地学事典 2024, pp. 1133–1134「ノジュール」(著者:公文富士夫)
- ^ a b c 最新地学事典 2024, p. 531「コンクリーション」(著者:公文富士夫、保柳康一)
- ^ a b c d e f g h i j Glossary of Geology (5th ed.) 2005, p. 779
- ^ a b c d e f g h i j k Boggss 2009, p. 600
- ^ a b 「団塊」『岩石学辞典』朝倉書店 。コトバンクより2024年12月21日閲覧。
- ^ 「コンクリーション」『岩石学辞典』朝倉書店 。コトバンクより2024年12月21日閲覧。
- ^ 新版地学事典 1996, p. 339「団塊」
- ^ 「団塊」『ブリタニカ国際大百科事典』ブリタニカ・ジャパン 。コトバンクより2024年12月21日閲覧。
- ^ 山崎晴雄、久保純子『日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語』講談社、2017年、106頁。ISBN 978-4-06-502000-5。
- ^ 光野千春、沼野忠之、高橋達郎 著、山陽新聞社出版局 編『岡山の地学』山陽新聞社〈原色図鑑〉、1982年、288, 291頁。ISBN 4-88197-108-5。OCLC 674175962。NDLJP:9671612。
- ^ 森伸一 著、羽幌古生物研究会 編『北海道羽幌地域のアンモナイト』(第2版)、2018年、104-105頁。ISBN 978-4-86368-029-6。
参考文献
- 地学団体研究会 編『新版 地学事典』平凡社、1996年10月。ISBN 4-582-11506-3。
- 地学団体研究会 編『最新 地学事典』平凡社、2024年3月。ISBN 978-4-582-11508-6。
- Neuendorf, KKE, JP Mehl, Jr., and JA Jackson, ed (2005). Glossary of Geology (5 ed.). Alexandria, Virginia: American Geological Institute. ISBN 0-922152-76-4
- Boggs S, Jr. (2009). Petrology of Sedimentary Rocks. Cambridge, United Kingdom: Cambridge University Press. ISBN 978-0-521-89716-7