川俣シャモ
川俣シャモ(かわまたシャモ)は、福島県伊達郡川俣町で特産品として生産されている食用鶏である。
概要
[編集]江戸時代末期に川俣町は絹織物の生産で栄え、多くの「絹長者」を生んだが、彼らが闘鶏用のシャモ(軍鶏)を普及させ、食用として美味しく食べるさまざまな方法も試みられた[1]。
その後伝統は途絶えていたが、川俣町にお越しになるお客様へ、最大級のおもてなしをしたいという気持ちから、絹とシャモの関係にヒントを得て1983(昭和58)年に食用シャモ肉の研究を開始し、純系のシャモ「赤笹」の雄とアメリカ産の肉卵兼用種「ロード・アイランド・レッド」、その後、肉用専用種の「レッドコーニッシュ」などと掛け合わせて改良し、現在の「川俣シャモ」を作り出した[2][3]。
現在は「川俣シャモ振興会」加入の農家が飼育を行い、川俣町農業振興公社が加工品(燻製、冷凍、シャモ鍋セットなど)の生産・販売を行なっている。脂っぽくないのに深いコク、硬すぎず水っぽくない適度な弾力が人気を呼び、首都圏でも高級食材として認知されている[1][4]。
2022年に地理的表示保護制度(GI)対象品目に登録されている[5]。
備考
[編集]川俣シャモのPR事業として始めた「世界一長い焼き鳥」の記録争いを2004年(平成16年)から、山口県長門市、和歌山県日高川町、福島県会津若松市、北海道美唄市と繰り広げている[3][6]。2009年(平成21年)には24.24メートルを記録したが、2016年6月現在は埼玉県東松山市が、長さ25.55メートルの世界記録を持っている[7][8]。これとは別に「世界一長い川俣シャモの丸焼き」への挑戦が「川俣シャモまつり」の名物イベントとなっており、2016年8月には61.8メートル、103羽の丸焼きを成功させている[9][10]。
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ a b “【食物語・川俣シャモ(上)】旦那衆の闘鶏が起源 福島県のブランド地鶏:「食」物語~おいしい福島”. 福島民友 みんゆうNet. 福島民友新聞社 (2016年7月3日). 2016年9月11日閲覧。
- ^ 本田幸久 (2013年3月7日). “絹から生まれた川俣シャモ(震災取材ブログ)@福島・川俣”. 日本経済新聞 電子版. 日本経済新聞社. p. 1. 2016年9月11日閲覧。
- ^ a b 本田幸久 (2013年3月7日). “絹から生まれた川俣シャモ(震災取材ブログ)@福島・川俣”. 日本経済新聞 電子版. 日本経済新聞社. p. 2. 2016年9月11日閲覧。
- ^ “【食物語・川俣シャモ(下)】苦しい時代経て進化 炭火で皮ぱりっと:「食」物語~おいしい福島”. 福島民友 みんゆうNet. 福島民友新聞社 (2016年7月17日). 2016年9月11日閲覧。
- ^ “登録産品紹介(登録番号第118号):農林水産省”. www.maff.go.jp. 2022年5月24日閲覧。
- ^ “世界一長い焼き鳥・世界一長い川俣シャモの丸焼きの歴史”. 川俣町公式ホームページ. 川俣町 (2012年11月5日). 2016年9月11日閲覧。
- ^ 平井茂雄 (2016年5月30日). “鶏肉じゃないけど…世界一長いやきとり、東松山で成功”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. 2016年9月11日閲覧。
- ^ “やきとりの街・東松山がセカチョウ(世界一長いやきとり)の新記録を達成しました!”. 全や連総本店TOKYO社 (2016年6月1日). 2016年9月11日閲覧。
- ^ “世界一長〜い丸焼きに挑戦! 103羽成功、川俣シャモまつり”. 福島民友 みんゆうNet. 福島民友新聞社 (2016年8月28日). 2016年9月11日閲覧。
- ^ “長〜い丸焼き103羽 8月28日まで川俣シャモまつり”. 福島民報社 (2016年8月28日). 2016年9月11日閲覧。
外部リンク
[編集]- (株)川俣町農業振興公社:川俣シャモ専門店 地鶏屋本舗
- 川俣町
- 川俣シャモ(登録番号第118号):登録の公示・登録産品紹介 - 農林水産省地理的表示(GI)保護制度登録産品