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犬と肉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
犬と肉

犬と肉」(いぬとにく)もしくは「犬と骨」(いぬとほね)は、イソップ寓話の一つ。ペリー・インデックス133番。

「犬とその影」、「よくばり犬」、「よくばりの犬」とも言う。

日本では早くキリシタン版『エソポのハブラス』に見えており[1]:185-186明治時代以来の教科書において特に頻繁に採用されたイソップ寓話だった[1]:267,273-274,281-285

あらすじ

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あるが、肉(出典により骨だったりチーズだったりする場合がある)をくわえたまま橋[注 1]を渡っていた。ふと下を見ると、見知らぬ犬が肉をくわえてこちらを見ている。犬はその肉が欲しくなり、脅すために吠えた。すると、くわえていた肉が川に落ちて流されてしまった。もう一匹の犬は、水面に写った自分自身の姿だったのである。

教訓

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欲張ると、元も子も無くす。

類話

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ジャータカの中にはこのような話がある。ジャッカルが肉をくわえて立っていると、川の中の魚が跳ねた。ジャッカルはくわえた肉を離して魚を取ろうとしたがつかまえる事はできず、口から離した肉は鳥に奪われてしまった[4]

脚注

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注釈

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  1. ^ 古代の文献では橋に関する言及はなく、単に川辺を通るか、泳ぐか、あるいは曖昧に記されている。橋に言及されるのは中世以降で、マリー・ド・フランスの『イゾペ』や、シュタインヘーヴェル版から派生したマショー版・カクストン版などに見られる[2]。日本では渡部温訳『通俗伊蘇普物語』の「犬と牛肉の話」[3]以来、犬は橋の上にいる。

出典

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  1. ^ a b 小堀桂一郎『イソップ寓話』講談社学術文庫、2001年(原著1978年)。ISBN 4061594958 
  2. ^ 吉川斉『「イソップ寓話」の形成と展開』知泉書館、2020年、239-240頁。ISBN 9784862853103 
  3. ^ トマス・ゼームス 著、渡部温 訳「第十八 犬と牛肉の話」『通俗伊蘇普物語』 1巻、1875年https://dl.ndl.go.jp/pid/895204/1/23 
  4. ^ Culladhanuggaha Jataka (#374), The Jataka Tales, https://thejatakatales.com/culladhanuggaha-jataka-374/ 

外部リンク

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