獣医師国家試験
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獣医師国家試験(じゅういしこっかしけん)とは、国家資格である、獣医師の免許を取得するための国家試験である。
受験資格
[編集]- 学校教育法に基づく大学(短期大学を除く)において、獣医学の正規の課程(獣医学科・6年制)を修めて卒業した者
- 昭和53年4月1日以降昭和59年3月31日までに新規に大学に入学し、改正法による改正前の学校教育法に基づく獣医学の正規の課程(以下「旧正規課程」という。)を修めて卒業し、かつ、学枚教育法に基づく大学院において獣医学の修士の課程を平成12年3月までに修了した者
- 大学において旧正規課程を修めて、これを昭和28年3月以降昭和53年3月までに卒業した者
- 昭和53年3月31日以前に大学に在学していた者であって、旧正規課程を修めて、これを昭和53年4月以降平成12年3月までに卒業した者。ただし、昭和53年4月1日以降新規に大学に入学し、旧正規課程を修めて、これを卒業した者を除く。
- 外国の獣医学校を卒業し、又は外国で獣医師の免許を得た者であって、獣医師免許審議会又は獣医事審議会がaに掲げる者と同等以上の学力及び技能を有すると認定した者
- 外国の獣医学校を卒業し、又は外国で獣医師の免許を得た者であって、獣医師免許審議会が3.に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有すると、昭和58年3月31日以前に認定した者
- 学校教育法第98条の規定により旧大学令(大正7年勅令第388号)による大学として存続した学校であって、獣医師免許審議会が認めたものの農学部獣医学科を昭和26年3月以降に卒業した者又は同条の規定により旧専門学校令(明治36年勅令第61号)による専門学校として存続した学校の獣医学科を昭和26年3月に卒業し、且つ、その学校の専攻科1年の課程を修め、これを昭和27年3月までに卒業した者
- 獣医師法附則第6項、第7項若しくは第18項又は旧獣医師法(大正15年法律第53号)第1条の規定により獣医師の免許を受けた者であって、4年以上獣医師としての経験がある者
- 獣医師国家試験予備試験に合格した者
試験日・合格発表日
[編集]- 試験日
- 例年3月上旬の火曜・水曜
- 2011年から2月下旬となったが、近年は2月中旬になっている。
- 合格発表日
- 例年3月下旬
- 2011年から3月中旬
試験地
[編集]試験科目
[編集]- 必須問題 50問(平成22年から導入)
- 学説試験 160問
- 学説試験A(「獣医療の基本的事項」及び「獣医学の基本的事項」) 80問
- 獣医療の基本的事項
- 獣医倫理と動物福祉(旧出題基準:獣医学全般.この項目については、ある判例を契機に平成20年実施の試験より問題数が増やされた)
- 関係法規(旧出題基準:家畜薬理学、獣医放射線学、家畜衛生学、獣医公衆衛生学、実験動物学.この項目についても上記の判例を契機に平成20年実施の試験より問題数が増やされた)
- 獣医学の基本的事項
- 構造と機能(旧出題基準:家畜解剖学、家畜生理学、家畜生理化学、家畜微生物学、家畜臨床繁殖学)
- 薬理作用と毒性作用(旧出題基準:家畜薬理学、毒性学、実験動物学)
- 生殖と成熟(旧出題基準:家畜生理学、家畜臨床繁殖学)
- 病原体と寄生体(旧出題基準:家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学)
- 発症機序と病理・病態(旧出題基準:家畜病理学、家畜微生物学、家畜外科学、家畜伝染病学)
- 主要症候(旧出題基準:家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学)
- 検査と診断(旧出題基準:家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、獣医放射線学、家畜伝染病学)
- 治療と措置(旧出題基準:家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、獣医放射線学)
- 獣医療の基本的事項
- 学説試験B(「衛生学に関する事項」及び「獣医学の臨床的事項」) 80問
- 衛生学に関する事項
- 公衆衛生と家畜衛生(旧出題基準:家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医公衆衛生学)
- 食品衛生(旧出題基準:家畜寄生虫(病)学、獣医公衆衛生学、魚病学)
- 人畜共通伝染病(旧出題基準:家畜寄生虫(病)学、家畜衛生学、獣医公衆衛生学、実験動物学、魚病学)
- 動物の飼育・衛生管理(魚類は除く。)(旧出題基準:家畜衛生学、家畜伝染病学、実験動物学)
- 魚類の飼育・衛生管理(旧出題基準:魚病学)
- 環境衛生(旧出題基準:家畜衛生学、獣医公衆衛生学、毒性学)
- 獣医学の臨床的事項
- 感染症(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 中毒(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 呼吸器系の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 循環器系の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 消化器系の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 泌尿器系の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 繁殖障害と生殖器系の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 運動器系の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 神経系の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 感覚器系の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 血液・造血器系の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 内分泌・代謝系の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 皮膚の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 乳房・乳腺の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)
- 新生子の疾患(旧出題基準:家畜薬理学、家畜病理学、家畜微生物学、家畜寄生虫(病)学、家畜内科学、家畜外科学、家畜臨床繁殖学、家畜衛生学、家畜伝染病学、獣医放射線学)*実地試験 120問
- 衛生学に関する事項
- 学説試験A(「獣医療の基本的事項」及び「獣医学の基本的事項」) 80問
- 実地試験C(「衛生学に関する事項」及び「獣医学の臨床的事項」) 60問
- 実地試験D(「衛生学に関する事項」及び「獣医学の臨床的事項」) 60問
実際の試験は2日間にわたって行われ、1日目は午前中に学説試験A、午後に必須問題および学説試験B、2日目は午前中に実地試験C、午後に実地試験Dの順で行われる。
合格基準
[編集]合格基準については必須問題:70%、学説試験および実施試験:60%を基準としている。
合格率
[編集]合格率は高く、新卒で約90%、既卒も含めると全体で約80%程度。合格者数は毎年1000人前後と安定している[1]。
- 第67回獣医師国家試験(平成28年) - 合格率 78.8%
- 第66回獣医師国家試験(平成27年) - 合格率 75.6%
- 第65回獣医師国家試験(平成26年) - 合格率 81.7%
- 第64回獣医師国家試験(平成25年) - 合格率 81.8%
- 第63回獣医師国家試験(平成24年) - 合格率 83.7%
- 第62回獣医師国家試験(平成23年) - 合格率 82.5%
- 第61回獣医師国家試験(平成22年) - 合格率 84.1%
- 第60回獣医師国家試験(平成21年) - 合格率 77.9%
- 第59回獣医師国家試験(平成20年) - 合格率 79.4%
獣医学部(学科)を持つ日本の大学
[編集]→詳細は「獣医学部 § 獣医学部(獣医学科)がある日本の大学」を参照