王賁

王賁（おうほん^[1]、生没年不詳）は、中国戦国時代から秦代にかけての秦の将軍。字は典^[2]。頻陽県東郷（現在の陝西省渭南市富平県の北東）の人。王翦の子。王離の父。秦王政（後の始皇帝）に仕え、魏・燕・代（趙）・斉を滅ぼして、秦の天下統一に貢献した。

生涯

紀元前226年（始皇21年）、父の王翦と燕を攻め、燕都の薊を陥落させ、燕王喜を遼東に敗走させた^[3]。また、楚を攻め、楚の軍を破った^[4]。

紀元前225年（始皇22年）、魏を攻め、魏都の大梁に黄河の水を引いてこれを包囲した^[5]。大梁城が損壊したため、魏王假は降伏し、魏を滅ぼした^[6]。

紀元前222年（始皇25年）、李信と共に燕を攻めた^[7]。遼東に進軍し、燕王喜を捕え、燕を滅ぼした^[8]。さらに、代（趙の滅亡後に趙王の兄が代郡に逃れて樹立した政権）を攻め、代王嘉を捕え、代を滅ぼした^[8]。

紀元前221年（始皇26年）、李信・蒙恬と共に斉を攻めた^[7]。燕を南下して、斉都の臨淄を攻撃し、斉王建を降伏させ、斉を滅ぼした^[8]。かくして、秦は天下を統一した。

紀元前219年（始皇28年）、通武侯に封じられる。また、この年の始皇帝の東方巡幸に随行し、瑯琊台の瑯琊台刻石に息子の王離らと共にその名が列せられる^[9]。

子孫は、いわゆる琅邪王氏・太原王氏になったとされる^[2]。