コハク酸
コハク酸 | |
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ブタン二酸 | |
別称 エタン-1,2-ジカルボン酸 | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 110-15-6 |
E番号 | E363 (酸化防止剤およびpH調整剤) |
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特性 | |
化学式 | C4H6O4 |
モル質量 | 118.09 g/mol |
密度 | 1.56 g/cm3 |
融点 |
185–187℃[1] |
沸点 |
235℃[1] |
水への溶解度 | 58g/L(20℃)[1] |
酸解離定数 pKa | pKa1 = 4.2 pKa2 = 5.6 |
危険性 | |
引火点 | 206℃[1] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
コハク酸(琥珀酸、コハクさん、succinic acid)は、構造式 HOOC-(CH2)2-COOH で表されるカルボン酸の一種。はじめコハクの乾留により見つかったためにこの名がついた。英名のsuccinic acidはラテン語のsuccinum(コハク)に由来する。
沿革
[編集]琥珀を破砕し、砂浴で蒸留することで得られた。外用薬としてリウマチに、内服薬として淋病に用いられていた。
現在は食品産業で用いられる。全生産量は16,000-30,000tと推定されており、年10%ずつ増加している[2]。
生化学・化学
[編集]クエン酸回路を構成する化合物のひとつで、コハク酸デヒドロゲナーゼによって酸化されフマル酸となる。このときに使われる補酵素はFAD。
- コハク酸 + FAD → フマル酸 + FADH2
コハク酸のジエチルエステルはシュトッベ縮合の基質となる。
用途
[編集]貝類に含まれるうま味物質である。うま味を感じさせる作用は、コハク酸ナトリウムの方が高い。医薬品の賦形剤としてpH調整に[3]、調味料として食品に用いられる他、メッキなどの工業用にも用いられる。また炭酸ガスを発泡する入浴剤の成分でもある[4]。
アルコール発酵の副産物でもあり、ワインやビールに塩味・苦味・酸味を与える[5]。
製造法
[編集]一般的に石油から作られるが、2022年現在は生物由来のバイオコハク酸の研究開発が進んでいる[6]。
水素添加法
[編集]無水マレイン酸に水素添加して製造する。最も一般的なやり方[7]。
接触付加法
[編集]アセチレン、一酸化炭素、水を高温(80〜250℃)、高圧(30〜500atm)で反応させる。対アセチレン収率は80%程度[7]。
(Co(CO)4)2を触媒とした均一液相反応である。
安全性
[編集]食品添加物・サプリメントとしてFDAに認可されている[8]。
出典
[編集]- ^ a b c d Record 労働安全衛生研究所(IFA)発行のGESTIS物質データベース
- ^ NNFCC Renewable Chemicals Factsheet: Succinic Acid
- ^ http://drugtopics.modernmedicine.com/drugtopics/Drugtopics.com+Exclusives/Overview-of-pharmaceutical-excipients-used-in-tabl/ArticleStandard/Article/detail/561047[リンク切れ]
- ^ Lachman, Leon; Joseph B. Schwartz (1990). Pharmaceutical Dosage Forms--tablets. p. 288. ISBN 0824780442, 9780824780449
- ^ Peynaud, Emile (1984) Knowing and Making Wine.
- ^ “Green Earth Instituteと「バイオコハク酸」の商用生産に向けた研究開発を開始~ 脱炭素・資源循環型社会の実現に向けて、環境に配慮した生産・プロセス技術を構築 ~ | 事業製品ニュース | 事業紹介 | エア・ウォーター株式会社”. www.awi.co.jp. 2022年12月23日閲覧。
- ^ a b 蔭山陽一「コハク酸」『日本釀造協會雜誌』第66巻第9号、1971年、880–882頁、doi:10.6013/jbrewsocjapan1915.66.880。
- ^ http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/iig/index.cfm