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フニクリ・フニクラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
登山電車 (曲)から転送)
みんなのうた
登山電車

フニクリ フニクラ
歌手 デューク・エイセス(*1)
ひばりヶ丘少年少女合唱団(*2)
作詞者 ジュゼッペ・トゥルコ
清野協/青木爽(訳詞)
作曲者 ルイージ・デンツァ
編曲者 服部公一
映像 影絵(*1)
アニメーション(*2)
映像制作者 かかし座(*1)
福島治(*2)
初放送月 1961年4月 - 5月(*1)
1970年6月 - 7月(*2)
再放送月 2006年6月 - 7月(*2、ラジオ)
2006年9月5日
2006年12月28日
2007年1月3日
(以上*2、懐かし
2013年4月 - 5月(*2)
2021年3月(*1。ラジオのみ)
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フニクリ・フニクラ」(ナポリ語: Funiculì funiculà)は、1880年に作曲、発表されたイタリアの大衆歌謡。

概要

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19世紀のヴェスヴィオ山。歌の主題であるケーブルカー(フニクラ)が山の上まで伸びている様子が見える
音楽・音声外部リンク
「フニクリ・フニクラ」全曲を試聴
Funiculì, funiculà - ルチアーノ・パヴァロッティ(テノール)とアントン・グアダーニョ英語版指揮ボローニャ歌劇場フィルハーモニーによる演奏、Universal Music Group提供YouTubeアートトラック

1880年ヴェスヴィオ山の山頂までの登山鉄道ケーブルカー、イタリア語では「フニコラーレ(Funicolare)」)の「ヴェズヴィアナ鋼索線」が敷設されたが、当初は利用者が少なかった。本作は運営会社が宣伝曲を作ることを考え、同社の依頼を受けた作曲家のルイージ・デンツァが作曲し、ジャーナリストのジュゼッペ・トゥルコイタリア語版1846年 - 1907年)が作詞したものであり、世界最古のコマーシャルソングともいわれる。「フニクリ・フニクラ」とは、フニコラーレの愛称である。歌詞はナポリ語で書かれており、内容は、登山鉄道とヴェスヴィオを題材としつつ男性が意中の女性への熱い愛と結婚への思いを歌い上げる[1]、というものである。なお、題材となったフニコラーレは、1944年に起きたヴェスヴィオ山の噴火によって破壊され、運行を終了した。

引用・転用

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本作を知ったリヒャルト・シュトラウスは、これがイタリアに古くから伝わる民謡であると勘違いし、1886年に作曲した交響的幻想曲『イタリアから』(Aus Italien) に「フニクリ・フニクラ」のメロディーを取り込んでしまった。それを知ったデンツァはシュトラウスを訴えて勝訴し、以降この曲が演奏されるごとにシュトラウスはデンツァに対して著作権料を支払っていた。

グスタフ・マーラーの『少年の魔法の角笛』(1899年出版)中の「美しいラッパが鳴りひびくところ」が「フニクリ・フニクラ」に類似しているという指摘がある[2]

ニコライ・リムスキー=コルサコフの『ナポリの歌』作品63(1907年)も「フニクリ・フニクラ」の主題を使った管弦楽曲である。

アルフレード・カゼッラは『イタリア』作品11(1909年)の後半に使用している。リヒャルト・シュトラウスと異なってカゼッラはデンツァが作曲者であることを知っており、著作権の問題を解決した上で使用した。

アルノルト・シェーンベルクは1921年に室内楽用に編曲している(クラリネットギターマンドリン、弦楽三重奏)。

ハーマン・ベルステッド (Herman Bellstedtによる『ナポリ民謡の変奏曲』は、「フニクリ・フニクラ」の主題を使ったコルネットのための技巧的な変奏曲として知られる。

アネット・ファニセロ1960年発売のアルバム『ITALIANNETTE』で「Dream Boy」という曲名でアレンジしたバージョンをカバーした(1961年にシングルカット)。歌詞はシャーマン兄弟が新たに書き下ろした。

日本における「フニクリ・フニクラ」

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初期の日本語版歌詞としては1929年二村定一が「となり横丁」(作詞:時雨音羽)の題で、1935年三浦環が妹尾幸陽の訳詞により原題通りの「フニクリ・フニクラ」の題で[3]それぞれ吹き込んでいる。

また、1961年4月-5月に開始して間もない『みんなのうた』で紹介された、青木爽と清野協による訳詞のものが知られる。原曲の意図に沿って火山や登山電車を歌っているが、男性から女性への情熱的な恋愛感情については触れておらず、翻案がみられる。『みんなのうた』での放送後、視聴者からの楽譜の希望が多かった曲の一つである[4]。なお当初は「登山電車」というタイトルで放送されていたが、1970年6月-7月にリメイクされた時に、原題通りの「フニクリ・フニクラ」と改題された。この青木爽と清野協による訳詞版は、細野晴臣がアルバム『フィルハーモニー』でカバーしている。

この結果、原則としてコマーシャルを放送しないNHKが(すでに路線は廃止されているとはいえ)CMソングを放送したような格好となっている(「ちゃっきり節」も同様だが、静岡鉄道は現在も盛業中、CMソングの対象となった遊園地も放送当時は営業中であった)。

音楽・音声外部リンク
「おにのパンツ」全曲を試聴
おにのパンツ - 田中星児による歌唱、JVCKENWOOD Victor Entertainment提供のYouTubeアートトラック

そのほか、子ども向けの替え歌として鬼の穿いているパンツが丈夫であることを歌っている「鬼のパンツ」(おにのパンツ)という歌があり[5]1975年田中星児の歌で発表され[6]1980年に田中盤シングル(ビクター KV-2020)が発売された。この「鬼のパンツ」はJASRACには作詞者不詳として登録されており、前述の田中盤シングルのジャケットでは「作詩不詳(1番)、田中星児補作詩(2番)」と記載されていた。2010年12月22日に発売された『いないいないばあっ!』のDVD『どうよういっぱい!』には田中が作詞者としてクレジットされている。文献でも作詞者を不詳とするもの[7]、田中を作詞者とするもの[8]が混在している。なお、「鬼のパンツ」の歌詞は1976年に発行された少女漫画雑誌『週刊フレンド』に連載されていた漫画『はいからさんが通る[9]』に掲載されている。また、かつてシグナルから「オニのパンツ」というキャラクター文具が発売されており、商品には「鬼のパンツ」の歌詞の一部が記載されていた[10]。この「鬼のパンツ」は、オリエンタル・マグネチック・イエローがアルバム『O.M.Y. SOLO WORKS』でカバーしている。

速水けんたろうは「トラのパンツ」の題名で替え歌を歌唱している。歌詞には、トラ、リスゾウタコの動物が登場する。最後には『ぼく』の一人称がつく(1999年11月17日発売の『けんたろうとミクのワイワイキッズ けんたろうお兄さんのあそびうた 1』に収録。その後もポニーキャニオンから発売される童謡CDにしばしば収録された)。

嘉門タツオは独自の歌詞でカバーし、1993年発売のアルバム『NIPPONの楽しみ』に収録した。2015年には高田純次の歌で「適当行進曲〜いつも素敵でごめんなさい〜」(作詞:中鉢比呂也)という題でポニーキャニオンから発売されている。この他、山陽電気鉄道ブックライブのCMソングとして使われていたこともあった。

二次元キャラクタープロジェクトである「超人的シェアハウスストーリー『カリスマ』」が2021年12月14日にリリースした楽曲「おつカリスマ!忘年会」(歌:七人のカリスマ)は、本楽曲を基に作られた。

クリクラのCMソングにも使われており、楊玲楊晶によるクリクラ体操もある。

絵本

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脚注

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  1. ^ フニクリ フニクラ - 梅丘歌曲会館
  2. ^ Antonio Sacco (2022-01-28), Funiculì funiculà: Denza ripreso da Strauss, Mahler e Schoenberg, https://corrieredelmezzogiorno.corriere.it/napoli/arte_e_cultura/22_gennaio_28/funiculi-funicula-denza-ripreso-strauss-mahler-schoenberg-fa67796a-8014-11ec-9735-37cc7341d34b.shtml 
  3. ^ [1]「国立国会図書館デジタルコレクション独唱:フニクリ・フニクラ」
  4. ^ 「NHK『みんなのうた』名曲、愛唱歌生み35年 母と子へ966のメロディー」『読売新聞』1996年3月27日付東京夕刊、9頁。
  5. ^ 池上英洋『美しきイタリア 22の物語』光文社、2017年、27頁。ISBN 978-4-334-04303-2 
  6. ^ 【新堂本兄弟】堂本ベストヒットたかみ〜「海外からやって来た 日本の名曲たち」フジテレビジョン、2006年5月14日。
  7. ^ 細田淳子(編著)『あそびうた大全集200 手あそび・体あそび・わらべうたがいっぱい 遊び方・アレンジがよくわかる!』永岡書店、2013年、158頁。ISBN 978-4-522-43095-8
  8. ^ 矢田部宏(編曲)『年齢別12か月こどものうた154―カンタンに弾けてゴージャスに聴こえるピアノ伴奏譜 (from・to保育者books)』ひかりのくに、2010年、104頁。ISBN 978-4-564-60386-0
  9. ^ はいからさんが通るコミック第6巻118ページ参照(1977年2月15日)初版。雑誌掲載は1976年22号〜1977年4号で何れも昭和51年に発売された
  10. ^ 商品(缶ペンケース)の実物の写真は以下の文献に掲載されている。ゆかしなもん『'80sガーリーデザインコレクション』グラフィック社、2017年、139頁、ISBN 978-4-7661-3000-3

関連項目

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外部リンク

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