コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

白雪姫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ガラスの棺に入れられた白雪姫

白雪姫」(しらゆきひめ、低地ドイツ語Schneewittchen、標準ドイツ語Schneeweißchen)は、元々はドイツヘッセン州バート・ヴィルドゥンゲンの民話とされている[注釈 3][注釈 4]

グリム兄弟の『グリム童話』(Kinder- und Hausmärchen)に、KHM[注釈 5]53番、エーレンベルク稿(1810年手稿)では43番として収載されている。

話者は、「マリー」[16][注釈 6]ことマリー・ハッセンプフルークドイツ語版[20][注釈 7]である[22][注釈 8]

タイトルおよび主人公の呼称の日本語訳名は「白雪姫」が一般的である。しかし、Schneewittchenが「雪のように白い子」の意[26][27]であることから、厳密に正確な日本語訳とするなら「雪白姫(ゆきじろひめ)」が正しい[27]

ストーリー

[編集]
イラスト:オットー・クーベル(1930)

ある国に、「白雪姫」と称される容貌に優れた王女がいた。しかし彼女の継母(グリム童話初版本では実母)である王妃は、自分こそが世界で一番美しいと信じていた。彼女が秘蔵する魔法の鏡は、「世界で一番美しいのはだれか」との問いにいつも「それは王妃様です」と答え、王妃は満足な日々を送っていた。

白雪姫が7歳になったある日、王妃が魔法の鏡に「世界で一番美しい女は」と訊ねたところ、「それは白雪姫です」との答えが返ってくる。怒りに燃える王妃は猟師を呼び出すと、「白雪姫を殺し、証拠として彼女の肺臓肝臓(※作品によっては心臓となっている)を取って帰ってこい」と命じる。しかし猟師は白雪姫を不憫がり、殺さずに森の中に置き去りにする。そして王妃へは証拠の品として、イノシシの肝臓を持ち帰る。王妃はその肝臓を白雪姫のものだと信じ、大喜びで塩茹にして食べる。

森に残された白雪姫は、7人の小人sieben Zwerge)たちと出会い、生活を共にするようになる。一方、白雪姫を始末して上機嫌の王妃が魔法の鏡に「世界で一番美しいのは?」と尋ねたところ「それは白雪姫です」との答えが返ってくる。白雪姫がまだ生きている事を知った王妃は物売りに化け、小人の留守を狙って腰紐を白雪姫に売りつける。そして腰紐を締めてあげる振りをして彼女を締め上げ、息を絶えさせる。

やがて帰ってきた7人の小人は、事切れている白雪姫に驚き、腰紐を切って息を吹き返させる。一方、王妃が再び世界一の美女を魔法の鏡に尋ねたことにより、白雪姫が生きている事が露見する。王妃は毒を仕込んだを作り、再度物売りに扮して白雪姫を訪ねる。白雪姫は頭に櫛を突き刺され倒れるが、小人たちに助けられる。

今度こそ白雪姫を始末したと上機嫌の王妃だが、魔法の鏡の答えで白雪姫の生還を悟る。王妃は、毒を仕込んだリンゴを造り、善良なリンゴ売りに扮して白雪姫を訪ねる。白雪姫は疑いもなくリンゴを齧り、息絶える。

やがて帰ってきた小人たちは息絶えた白雪姫を見つける。あらゆる手を尽くすが今度は蘇生する事はなかった。本当に死んでしまったものとして悲しみに暮れ、遺体をガラスのに入れる。そこに王子が通りかかり、白雪姫を一目見るなり、死体でもいいからと白雪姫をもらい受ける。

白雪姫の棺をかついでいた家来のひとりが木につまずき、棺が揺れた拍子に白雪姫は喉に詰まっていたリンゴのかけらを吐き出し、息を吹き返す。蘇生した白雪姫に王子は喜び、自分の国に連れ帰って妻として迎える。

白雪姫と王子の結婚披露宴の席。王妃は真っ赤に焼けた鉄の靴を履かされ、死ぬまで踊らされる。

登場人物

[編集]
白雪姫
お妃が心に浮かべた願い通りに、雪のようにい肌、血のようにい頬や唇、黒檀の窓枠の木のようにい髪を持って産まれ、その身体的特徴をもって「白雪姫」と呼ばれた王女[28]
7歳の時、既に継母であるお妃よりも美しく育ったがために、それを妬み憎んだお妃に謀殺されそうになる。しかし殺すよう言いつけられた猟師が憐れんで逃がしてくれる(もっとも猟師は自分の手にかけるのが忍びなかっただけで、末は獣に食べられるだけだろうと考えていた)[28]
王女は森の中を彷徨い七つの山を越え、偶然見つけた小人たちの家で、家事をすることを条件に暮らすことになる[28]
だが、王女が生きていて、猟師に騙されたと知ったお妃の謀り事により、一度目はいろいろな色の絹で編んだ紐によって絞殺、二度目は魔術を使ってこしらえた櫛で術殺、三度目は毒を仕込んだ林檎で毒殺されてしまう[28]
王女は小人たちの努力も虚しく蘇生できず、しかし、遺体があまりに美しくまるで生きているようだったので、ガラスの棺に納められ山の上に置かれる[28]
ある時、森に迷い込み小人たちの家に泊まりに来たある国の王子が、山の上で王女を見つけて見初め、小人たちに頼み込み王女を棺ごと貰い受けてしまう[28]
だが、召使いたちが棺を運ぶ最中、潅木につまずき、その揺れで喉に詰まった林檎が飛び出し、王女は息を吹き返す。
喜んだ王子は王女にプロポーズし、盛大な結婚式が執り行われた[28]
ドイツ郷土史家エックハルト・ザンダーは白雪姫のモデルについて、1554年ブリュッセルにて21歳で身罷った、マルガレータ・フォン・ヴァルデックドイツ語版英語版だとしている。
マルガレータは父ヴァルデック゠ヴィルドゥンゲン伯フィーリップ4世ドイツ語版英語版によって、神聖ローマ皇帝カール5世に囚われたヘッセン方伯フィリップの釈放の際身柄の引き換えとしてブリュッセルに送られたが、異邦での暮らしに馴染めず病に臥し21歳の若さで1554年に身罷っている。
しかしザンダーが発見した記録によると、マルガレータの美貌に我慢ならなくなった、父フィーリップ4世の2番目の妻であるカタリーナ・フォン・ハッツフェルトは、マルガレータを城から追い出そうとする。こうしてカタリーナの大変な嫉妬深さゆえに16歳でブリュッセルの宮廷に送られてしまう。
ブリュッセルでの暮らしは困難を極め、躰を壊したマルガレータは1554年に身罷ることになるが、その死因は砒素による毒殺だとする説がある[29][30]。彼女はブロンドであったようで、エーレンベルク稿(1810年手稿)では白雪姫の髪は黄色[31]gelb)である。
ザンダーはこのマルガレータの生涯と、バート・ヴィルドゥンゲン近郊の落盤事故で廃鉱となった銅鉱山とその近くの廃村に小人達がいつしか住み着いた話とが結び付き、白雪姫の話の原型が出来上がったと見ている[32]
王妃
白雪姫の母親。エーレンベルク稿(1810年手稿)や初版本(1812・15年版)では実母[31][33][34][35]だが、第2版(1819年版)以降の版では、生母と継母(父王の後妻)[35]の二人になる[注釈 9]
実母
雪が舞い落ちる中、黒檀の窓枠のついた窓際で針仕事中、雪を見やった際に針で指を刺してしまう[28]
その血が三滴白い雪の上に滴ったのを見て、この雪のように白い肌、この血のように赤い唇、この窓枠の木のように真っ黒な髪の子供が欲しいと思い、その願い通り雪のように肌が白く、血のように赤い唇をし、黒檀のように真っ黒な髪をした可愛らしい王女が生まれたが、すぐに息を引き取った[28]
継母
綺麗なことを鼻にかけ、高慢で、器量で人に負けることが嫌い[28]
問いかけると何でも答えてくれる不思議な鏡を持っている[28]
継子の王女が自分よりも美しいことに我慢ならず、三度も王女を謀殺しようとし、最期にはその報いで真っ赤に灼けた鉄の靴を履かされ、祝宴の最中王女らの目前で死ぬまで踊り続けさせられる[28]
なお、継母を魔女だとする見方がある[注釈 10]が、これはかつて魔女裁判において、真っ赤に灼けた鉄製の靴を履かせる拷問が実際に行われたこと等から生まれた解釈である[36]。しかし、悪魔が塩気を嫌うことから、塩茹での肺臓と肝臓をためらうことなく平らげたことにより魔女ではないとする見方もある[37]
その一方で、実母が子供が欲しいと願った際に、何らかの形で呪文を唱えたのではないかという考えがある。これは冬の最中に開け放した窓辺で縫い物をしているという、現実にはありえない行為や、指に針を刺したことで雪に血が一滴落ちたことの不自然さ等から生まれた解釈である[38]
七人の小人
行くあてのない王女に対し、「家の世話をし、料理を調え、ベッドをつくり、洗濯をし、縫ったり繕ったりして、何もかもきちんと綺麗にしておいてくれる」ことを条件に家に居ることを諒承する[28]。この条件に対し白雪姫は「本当に、そうしたいわ」と答えて契約成立。
原語の「Zwerge」は英語のドワーフ(dwarf、小人)と語源を共有する[39] Zwerg の複数形。この物語の彼らも昼間は鉱石を掘りに行くので家を空ける描写がある。
グリム童話などにおいて小人たちはあまり重要な役どころではないためか、彼らに名前や性格づけはなされていない。しかしディズニー映画において重要な役回りとなったため、各々の性格や言動に則した名前が付され、現在それが踏襲される場合が多い。
  1. ドク(Doc) = 先生
  2. グランビー(Grumpy) = 怒りんぼう(苦虫[40]
  3. ハッピー(Happy) = 幸せ(呑気屋[40]
  4. スリーピー(Sleepy) = 眠い(眠り屋[40]
  5. バッシュフル(Bashful) = 恥ずかしがりや(照れ助[40]
  6. スニージー(Sneezy) = くしゃみっぽい(苦沙弥[40]
  7. ドーピー(Dopey) = ぼんやり または おとぼけ(抜け作[40]
王子
毒リンゴを食べて身罷った王女をガラスの棺ごとタダで貰い受ける[28]
エーレンベルク稿(1810年手稿)では、最後に唐突に登場し、王女と結婚するだけで他には何もしていない[31][33]
魔法の鏡
継母であるお妃が持っている不思議な鏡。いわゆる魔鏡の類である[28]
問い掛けに対して何でも答えてくれるが、嘘は絶対つかないため、その内容は全て真実である[28]

「白雪姫」の変遷

[編集]

この物語は、グリムの他の物語同様に様々な変遷を経た。

エーレンベルク稿(1810年手稿)での記述

[編集]
  • タイトルが「白雪姫」ではなく、「雪白ちゃん/不幸な子ども」[注釈 11]である[31]
  • 黒檀のように黒いのは瞳である[31][33]
  • 髪の色は黒ではなく黄色[注釈 12]である[31]
  • 母親(王妃)が狩人に白雪姫を殺させようとするエピソードがない[31][33]
  • 母親は自ら白雪姫を森の中に置き去りにしている[31][33]
  • 母親に捨てられた時の白雪姫の年齢は不明[31][33]
  • 小人たちの職業が「山の仕事場に行っている」、「一日の仕事を終え」とあるだけで明確ではない[注釈 13][31]
  • 小人たちが自分たちの食事などが食べられているのを見つけた時、5人しか発言していない[31][33]
  • 白雪姫自ら食事をつくるからと、小人たちのところに置いてもらえるよう頼んでいる[注釈 14][31]
  • 半分にだけ毒を仕掛けられた林檎を白雪姫がかじり、白雪姫はその毒がもとで死んでいる(林檎が喉に詰まって仮死状態になったのではない)[31][33]
  • 白雪姫の遺体をガラスの棺に入れる前に葬っている[注釈 15][33]
  • 白雪姫の遺体を小人たちが水やワインで洗うエピソードがない[31][33]
  • 小人たちが白雪姫の遺体をガラスの棺に入れたのは、美しい姿を永久保存[注釈 16]するため[31]
  • 父親である国王がガラスの棺に入れられた白雪姫を引き取り、国王(もしくはお付きの医者)が生き返らせている[注釈 17][31]
  • その際は、一本の綱を部屋の四隅にしっかりと張って呪文を唱えるという儀式が行われている[注釈 18][31]
  • 王子との馴れ初めのエピソードがない[31][33]
  • 最後に焼けたサンダル[注釈 19]を履かされ、死ぬまで踊らされたのは母親たる王妃[31][33]
  • 王妃が履かされたサンダルは鉄製とは書かれていない[31][33]
  • 「ほかの話では」として、小人たちが小さな魔法の槌で32回軽く叩くことで、白雪姫が生き返ったとしている[31][33]
  • 「ほかの書き出し」として、「雪のように白い、女の子が欲しい」「この血のように、きれいな赤い頬をしている娘がいたら」と望んだのは国王[注釈 20]としている[注釈 21][31][33]

初版本(1812・15年版)での記述

[編集]
  • 「血のように赤い」は白雪姫のどの身体的特徴と合致するのか表されていない[34][35]
  • 黒檀の木のように黒いのは瞳(冒頭ではどの身体的特徴と合致するのか表されていないが、王子が登場する直前に瞳であることが記されている)[34][35]
  • 髪の色が明確ではない[34][35]
  • 小人たちは(仮死状態の)白雪姫の体を水やワインで洗っていない[34][35]
  • 小人たちは白雪姫が入れられたガラスの棺を、自分達の住む小屋の中に安置し、交代で見張っている[34][35]
  • 王子は小人たちの住む小屋に泊めてもらうために訪れているが、なぜ泊まろうとしたのかその理由は不明[34][35]
  • ガラスの棺に入れられた白雪姫を王子は棺ごと金で買おうとした[34][35]
  • 小人たちに売るのを拒否されると、王子は白雪姫の遺体を譲ってくれるよう懇願しているが、お礼をするとは言っていない[注釈 22][34]
  • ガラスの棺の白雪姫を王子は城に運び入れ、四六時中白雪姫を見つめていた[注釈 23][34]
  • 棺から離れなければならない時は、王子は白雪姫を見られないことに悲しみ、棺が横にないと食事も喉を通らない程だった[注釈 24][34]
  • 召使たちはいつも白雪姫の入った棺を運ばされるので腹を立てていた[34][35]
  • そのうちの一人が怒りに任せて白雪姫の背中を殴ると、喉につかえていた林檎の芯が飛び出し[注釈 25]、白雪姫は生き返った[34]
  • 最後に真っ赤に焼けた鉄の上履きを履かされ、火傷を負いながら死ぬまで踊らされたのは、実の母親たる王妃[34][35]

比較民話研究会岩瀬ひさみの研究では、白雪姫の類話には小人が登場する物が少なく、グリム童話の初版本及び第七版を除けば後述のウィーンのものとされる話[42]と、アイスランドの2話、スイスの1話(後述)のみである[43]。また、エーレンベルク稿やルートヴィヒ・ベヒシュタインドイツ語版の白雪姫、そして「もうひとりのグリム」ことアルベルト・ルートヴィヒ・グリムドイツ語版の白雪姫、ヨハン・カール・アウグスト・ムゼーウスのリヒルディスにも小人が登場する。さらには小人の数を7人と限定するとグリム童話のエーレンベルク稿[31]、初版本[43]、第七版[43]、ウィーンの類話[43][42]、ベヒシュタインの白雪姫、A・L・グリムの白雪姫しか該当するものがない。

一方、類話には主人公を匿う者として盗賊や山賊が登場する物が多い。たとえば、コルシカ島の類話「アンジウリーナ」では、母親に頼まれてその娘のアンジウリーナを殺すために攫う山賊が登場する(話では結局さらうだけで、殺さずに自分達の隠れ家に連れて行って匿っている)[2][44]

なお、類話の中でもかなり古いタイプと見られる話では、娘を見たら必ず殺してしまう十二人の悪い盗賊が登場する[45]。また、Johannes Bolte、Georg Polivka 共著『Anmerkungen Zu den Kinder-und Hausmärchen der Brüder Grimm.(グリム童話註解[46])』には、自分たちの棲む洞穴にやって来る少女を手当たり次第に殺してしまう七人の小人が登場するウィーンの話とされる類話が収載されている[47][48][42][注釈 26]

さらには、スイスでの類話「まま娘」では、変装した継母に毒が仕掛けられたコルセットで締め上げられて殺されかけた継娘が、匿ってくれている小人の「今度、留守番中に誰かを家に入れたら、フライパンで焼いてしまうぞ」という忠告を守れず、再び変装した継母に毒りんごで殺されかけたために、継娘をフライパンで焼くべきか否かを十二人の小人たちが多数決で決めることにするエピソードがある[49][50][51]

ディズニー映画の白雪姫

[編集]

1937年に発表されたディズニー初の長編カラーアニメーション映画である。日本における封切り公開は、第二次世界大戦後の1950年(昭和25年)9月26日[52]

  • 白雪姫は、家来がつまずいた拍子ではなく王子の口づけにより目を覚ます。
  • 継母は7人の小人に追われ、突然の雷に打たれて崖から落ちる。

サンリオ版の白雪姫

[編集]

それぞれ2つの版があり、いずれもハローキティが白雪姫となっている。

サンリオ世界名作映画館

[編集]

「ハローキティのしらゆきひめ」のタイトルで、1993年7月OVAとして制作。ダニエルが当時まだ正式に登場していなかったものの、王子様はダニエルと似たキャラクターとなっている。内容は、後に制作されたサンリオ世界名作劇場の同名作品よりも原作に近いものとなっている。

サンリオ世界名作劇場

[編集]

サンリオ世界名作映画館のものとは別に「ハローキティの白雪姫」という同名作品があり、ダニエルが王子様であるが、狩人に持ってくるよう命じる証拠品が「心臓」ではなく「血のついた矢」(しかし血のシーンは王女の服に隠れて一切見えない)となっている他、七人の小人ではなく、七人のきこり。毒りんごは半分しか塗らない(毒なんて入ってないと白雪姫に証拠を見せるため[注釈 27])など一部変更されている部分がある。継母の末路では、王子のキスで目覚めた白雪姫の生存を知って発狂するところを兵士に取り押さえられ、王様の命令により焼かれた鉄の靴を履かせられたが、その描写が映されておらず継母の悲鳴が聞こえるのみで生死も不明。また、タイトルも名作映画館版では「しらゆきひめ」とひらがな表記であったが、名作劇場版では「白雪姫」と漢字表記となっている。

その他

[編集]
  • 白雪姫がリンゴを吐き出した理由を、以下の要因によるとする作品が存在する。
    • 家来が藪に足を取られて倒れ、その拍子に吐き出した
    • 王子が白雪姫を抱いているとき藪に足を取られて倒れ、その拍子に吐き出した
    • 家来が白雪姫を運ぶのに疲れ、苛立って白雪姫を蹴りその拍子に吐き出した
  • 継母の最期については、毒リンゴを食べさせた後に再び誰がこの国で一番美しいかを訊ねたところ、以下の結末を迎える作品が存在する。
    • 白雪姫がまだなお生きていることを知り、怒りのあまり発狂し街へ飛び出しそのまま狂い死んでしまう
    • 白雪姫がまだなお生きていることを知り、癇癪を起こして鏡を叩き割り、その破片が心臓に刺さる
    • 隣国の王子の妃が最も美しいと聞いて結婚式を見に行き、妃が死んだ筈の白雪姫と知ってショック死
  • 他に、残虐な描写を忌避する為に以下に挙げるように結末が書き換えられた作品が存在する。
    • 女王の座を白雪姫に奪われ、怒りに震え憤慨のあまり息が詰まり病気となり死亡[注釈 28]
    • 驚きのあまり白雪姫と王子の結婚式の途中で倒れた継母を、式が終わった後白雪姫と王子が介抱した[注釈 29]

などとするものもある。

ベヒシュタインの白雪姫では、白雪姫は気高い心の持ち主であるが故、継母である王妃を許し、仕返しも復讐も行わなかったが、一匹の“嫉妬”という名の毒虫に継母は心を苛まれるという結末を迎える[57]

また、A・L・グリムの白雪姫では、小人の王より九十九に掛けること九十九年の長きにわたって小人の王の城のガラスの棺の中に命なく横たわるものとするという罰を下される[58]

また、低年齢向けの絵本では継母の最期が描かれないものもある。

白雪姫の類話

[編集]

白雪姫には欧州各地を中心にアメリカやチリ、インドなどに類話が存在する。ドイツ及びゲルマン語圏よりもゲール語圏(ケルト系)やラテン語圏(ラテン系)に多くの話が残っているのが最大の特徴である[59][2]

類話としては以下の話を例として挙げることができる。

  • アイスランド
    • ヴィルフリーズル・ヴェールフェグリの物語[60][61][43]
    • ヴィルフィンチ[43]
  • アイルランド
  • スコットランド
    • 金の木と銀の木(Gold-Tree and Silver-Tree):白雪姫に当たるのが「金の木(Gold-Tree)」という王女、悪役が「銀の木(Silver-Tree)」という王妃(実母)。「質問に答えるのが古井戸のマス」、「王女の結婚が王妃による暗殺より前」、「蘇生させるのが王女の夫の後妻(悪い王妃を倒すのもこの後妻)」というのが白雪姫との大きな違い。[61][62]
    • 炎の枝[43]
    • 試練を捜しに[43]
  • フランス
  • イタリア
    • 奴隷娘[2][66]
    • 美しいアンナの話[61][43]
    • マリアの悪い継母と七人の強盗:[61][43]
    • ジーリコッコラ[2][67]
    • 悲嘆と不幸について[68]
    • 魔法の指輪[43]
    • 美しいテレジーナと七人の盗賊[43][69]
    • マルゼッタ[43]
    • 悪い伯父[43]
  • スイス
  • オーストリア
    • 三人姉妹:悪役は母親(継母)ではなくヒロインの姉妹およびそれに協力する魔女のメイド。[43]
  • ドイツ
    • リヒルデ(リヒルディス):「リヒルデ(Richilde)」は継母の名前で彼女視点の物語(白雪姫に当たるのは「ブランカ」という少女)というのが大きな違い、小人も出てこず最初の2回の蘇生は彼女に味方した医者によるもの(最後の蘇生は神による奇跡)。[2][71]
    • 「白雪姫の類話」[47][48][43][42]
  • スペイン
  • 美しいまま母[43][73]
  • ギリシア
    • ミュルシーナ:悪役は母親(継母)ではなくヒロインの姉妹。[2][74]
    • マルーラ[43]
  • ハンガリー
  • ポーランド
  • エストニア
    • 盗賊の家の娘[43]
  • ロシア
  • インド
  • アメリカ
  • チリ
    • ブランカ・ローザ[43]

以下の書籍の該当頁には、類話の一部が載っているので参照されたい。

  • 小澤俊夫、『ドイツロマン派全集第II期 第15巻 グリム兄弟』、pp. 95–96 参照。
  • フローチャー美和子、『【初版以前】グリム・メルヘン集』、pp. 144–145 参照。
  • 金田鬼一、『完訳 グリム童話集2』、pp. 148–150 参照。
  • 金成陽一、『誰が白雪姫を誘惑したか』、pp. 212–218 参照。

日本語訳

[編集]

明治期

[編集]

大正期

[編集]
  • 大正3年 田中楳吉 訳 『小雪姫』(独和対訳独逸国民文庫第1編) 南山堂書店 刊[81]
  • 大正3年 年岡長汀 訳註 『雪姫』(独和対訳グリム十五童話) 南江堂書店 刊[81]
  • 大正4年 藤沢衛彦 訳 『雪姫』(通俗叢書 通俗グリム童話物語) 通俗教育普及会出版局 刊[81]
  • 大正5年 中島孤島 訳 『雪子姫』(グリム御伽噺) 冨山房 刊[81]
  • 大正8年 巖谷小波 訳 『小雪姫』(教訓お伽噺) 博文館 刊[81]
  • 大正10年 森川憲之助 訳 『雪子姫物語』(グリム童話集) 真珠書房(至誠堂書店) 刊[81]
  • 大正13年 金田鬼一 訳 『雪白姫』(グリム童話集 第一部) 世界童話大系刊行会 刊[81]
  • 大正14年 岸英雄 編 『雪子姫』(こどもグリム) イデア書院 刊[81]
  • 大正15年 大田黒克彦 著 『ゆき子ひめ』(ひらがなぐりむ) 文園社 刊[81]

昭和(戦前)期

[編集]
  • 昭和2年 菊池寛 訳 『小雪姫[注釈 32]』(グリム童話集) 文藝春秋社 刊[81]
  • 昭和2年 日本童話翻訳研究会 訳 『雪子姫物語』(学校家庭文庫3 グリム童話) 九段書房 刊[81]
  • 昭和3年 金の星社編集部 訳 『雪姫と七人の矮人』(グリム童話集) 金の星社 刊[81]
  • 昭和4年 金田鬼一 訳 『雪白姫』(全譯 グリム童話集) 岩波書店 刊[81]
  • 昭和11年 谷崎伸 訳 『雪子ひめ』(ひらがなグリム二年生童話) 金襴社 刊[81]

翻案

[編集]

その他

[編集]
  • 『怖い童話』という本には、「白雪姫は初版だけに紹介されている」、「第二版以降カットしてしまった」という誤った記述がある[注釈 33]
  • カタールドーハにあるSEKインターナショナルスクールに通う児童の父親から、「白雪姫」の絵本の中にわいせつで性的なほのめかしがあるとして猛抗議をし、受理されている。どの絵がわいせつにあたるのかの詳細は不明だが、絵本の内容はディズニー映画に基づいていた[83]
  • 同じグリム童話で「しらゆき べにばら」がある(原語ではこちらの白雪も「Schneeweißchen」で同じ意味)。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 「グリム童話を読む事典」KHM採話・出典一覧表のヘッセンの項にKHM53番「白雪姫」は挙げられていない[2]
  2. ^ グリム童話集の原題に沿うと「赤帽子」が正しい邦訳名になる。シュバルム地方の民族衣装“ケプフェレ”(または“ケップヒェン”)が元になっている。アルスフェルトの赤ずきんの泉像もこの“ケプフェレ”を乗せている[8][9]
  3. ^ ドイツ郷土史家エックハルト・ザンダーの説による[1]。ただし、必ずしも言い切れない[注釈 1]。グリム兄弟は、「文献からの採録」[3]、「話者(ほとんどが兄弟の友人や知人、親戚などの親しい若しくは近しい関係にある人物)に自分達の処に来てもらう」[4]、「書簡にて送ってもらう」[5]をもっぱらメルヘン蒐集の手法としていた。レレケは話者のマリー・ハッセンプフルークがヘッセン選帝侯国(当時、現在のヘッセン州)のカッセルに来てから知った可能性を示唆している[6]が、エリスは少しでも多くの場所に行ってメルヘン蒐集を行ったと印象づけるための細工だとしている[5][7]。また、話者であるマリー自身、全くのフランス精神の下で育ち、ペローの童話やフランスの民話等を知っていた可能性がある。事実、ペロー童話集に収載されているいばら姫赤帽子[注釈 2]を兄弟に語っている[10]また、フランスの民話には魔法の靴下[2][11]かわい子ちゃん[12]アンジウリーナ[2][13]という類話が存在する。
  4. ^ 他方、ペンタメローネ[五日物語]二日目第八話の「奴隷娘」が「白雪姫」の原型的な話と考えられており、恐らく元々は地中海世界全体にあまねく分布していた話が元になっていると思われる[14][15]
  5. ^ グリム童話の通し番号。第7版(1857年版)で付された番号に由来する。文字通り「子供と家庭のメルヒェン集」の略
  6. ^ 兄弟が所有していた童話集の初版本にヴィルヘルムの筆跡で書き込まれていた、「マリーから (von der Marie)」というメモと、ヘルマン・グリムが1895年に発表した回想を根拠に、かつては兄弟が住む家の近所で太陽薬局を営むヴィルト家(ヴィルヘルムの妻であり、ヘルマンの母親であるドルトヒェンの実家)に使用人として住んでいた、戦争未亡人で生粋のヘッセン選帝侯国(当時、現在のヘッセン州)出身のドイツ人である「マリー・ミュラー(マリーおばあさん)」のこととされていた。回想ではヘルマンはこの「マリーおばあさん」に幼少の頃、幾度となく会っていたと書いているが、彼女はヘルマンが生まれる16年前にヴィルト家を辞して、当時太陽薬局のあったカッセルを去り、ヘルマンの生まれる2年前に身罷っている。ゆえに、いわゆる「マリーおばあさん」は架空の人物である[17][18][19]
  7. ^ 中産階級の生まれ。母方がフランス系でユグノーの子孫。家庭ではフランス語を話していた。グリム兄弟にメルヘンを語った時点では、まだ二十歳そこそこだった[21]
  8. ^ 彼女の話の終結部分に関して、書き留めたヤーコプはどうも納得いかなかったらしく、初版本ではマールブルグ近郊のトライザに住む牧師の息子、フェルディナンド・ジーベルトから送ってもらった、シュバルム地方の話に内容を差し替え[2][23]、更に第二版以降では、白雪姫の蘇生部分をフランクフルト・アム・マインハインリヒ・レオポルド・シュタインから送ってもらった話に内容を差し替えている[2][23][24][25]
  9. ^ グリム兄弟が集めた民話では、実母が悪女に豹変するものと継母が意地悪という両方のパターンがあった。類話でもグリム童話集より先に出版されている『リヒルデ(1782年)』などは継母である。
  10. ^ ディズニーアニメ版はこの解釈を採用し、王妃が魔法薬で婆さんに変身する(原作では顔に塗料を塗るなど変装の範疇)描写がある。
  11. ^ 「ドイツ・ロマン派全集第15巻」収載の小澤訳では白雪姫[33]
  12. ^ 「ドイツ・ロマン派全集第15巻」収載の小澤訳では「金色の髪の毛」となっている[33]
  13. ^ 「ドイツ・ロマン派全集第15巻」収載の小澤訳では「山で鉱石をほってはたらいていて」となっており、明らかに鉱夫であることが示されている[33]
  14. ^ 「ドイツ・ロマン派全集第15巻」収載の小澤訳ではこびとの側から食事の用意をしてくれるよう頼んでいる[33]
  15. ^ 「【初版以前】 グリム・メルヘン編集」収載のフローチャー 訳ではこの部分がない[34]
  16. ^ 「ドイツ・ロマン派全集第15巻」収載の小澤訳では結果として美しい姿が永久保存されただけで、こびとたちは白雪姫を葬るためにガラスの棺に入れている[33]
  17. ^ 「ドイツ・ロマン派全集第15巻」収載の小澤訳では白雪姫を生き返らせたのはお付きの医者[33]
  18. ^ 「ドイツ・ロマン派全集第15巻」収載の小澤訳では一本の縄を部屋の四隅に張っただけで白雪姫は生き返っており、呪文を唱えるエピソードがない[33]
  19. ^ 「ドイツ・ロマン派全集第15巻」収載の小澤訳では「うわばき」となっている[33]
  20. ^ 金田鬼一 訳では伯爵となっている。
  21. ^ この類話では、さらに続けて国王は「鴉のように黒いかみの毛をもった女の子がほしいものだ」と望み、そのうちにその通りの女の子に行き当たっている[41]
  22. ^ 「素顔の白雪姫」収載の小澤訳では贈り物として下さいと頼んでいる[35]
  23. ^ 「素顔の白雪姫」収載の小澤訳ではひと時も目を離すことができませんでしたとなっている[35]
  24. ^ 「素顔の白雪姫」収載の小澤訳ではひと口も食事をとることができませんとなっている[35]
  25. ^ 「素顔の白雪姫」収載の小澤訳ではおそろしいリンゴのひとかけらが、のどからはずれて[35]
  26. ^ この類話では、白雪姫を殺そうとする王妃は3人の連れ子を持つ継母で実母ではない。また「鏡」という名の犬が「娘三人子もちのおきさきさまよりも、七人の一寸ぼうし(Zwergeのこと)のうちにいる雪白姫がうつくしい」と返事しており、所謂魔鏡の類は出てこない[48][42]
  27. ^ ただし、野村滋訳(ちくま文庫)では、リンゴの赤い方にのみ毒を塗り、白雪姫には赤い方を食べさせた、とある。
  28. ^ 1823年にイギリスで出版されたエドガー・テイラーによる英訳本では結末部分がこのように書き換えられている[53][54][55]
  29. ^ 大正14年に刊行された「こどもグリム」収載の『雪子姫』は、エドガー・テイラーによる英訳本を底本としながらも子供への配慮を理由に、結末部分を付け加える形で改変している[56]
  30. ^ “グリムのメルヒェン”の巻末資料では明治22年になっている
  31. ^ “グリム童話翻訳書誌”の年表では掲載誌は『心の花』になっている[80]
  32. ^ タイトルの読みは「こゆきひめ」。
  33. ^ それらの記述のあいだに「……しかし兄弟はこの物語がフランスの話ではないか、と推測したため……」とあるので、明らかに長靴をはいた牡猫と間違えている[82]

出典

[編集]
  1. ^ 沖島博美朝倉めぐみ、グリム童話で旅する ドイツ・メルヘン街道、ダイヤモンド社、2012年、p. 49 参照。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 高木昌史 著『グリム童話を読む事典』三交社(原著2002年)、pp. 85, 387, 390, 393, 399, 410, 418, 483頁。ISBN 4-87919-149-3 
  3. ^ ハインツ・レレケ、グリム兄弟のメルヘン、岩波書店、1990年、p. 129 参照。
  4. ^ ハインツ・レレケ、前掲書、1990年、p. 126 参照。
  5. ^ a b 鈴木晶 著『グリム童話―メルヘンの深層―』講談社(原著1991年)、p. 120頁。ISBN 4-06-149034-6 
  6. ^ ハインツ・レレケ、前掲書、1990年、p. 125 参照。
  7. ^ ジョン・M・エリス、一つよけいなおとぎ話、新曜社、1993年、pp. 52–53 参照。
  8. ^ 藤崎康夫、グリム童話の旅、京都書院、1997年、pp. 84, 92–94, 99 参照。
  9. ^ 沖島博美朝倉めぐみ、前掲書、2012年、pp. 92–94、カバー裏 参照。
  10. ^ 小澤俊夫、素顔の白雪姫、光村図書出版、1985年、pp. 114, 120 参照。
  11. ^ 新倉朗子、フランス民話集、岩波書店、1993年、pp. 154–159 参照。
  12. ^ a b 新倉朗子、前掲書、1993年、p. 297 参照。
  13. ^ 樋口淳樋口仁枝、フランス民話の世界、白水社、1989年、pp. 177–183 参照。
  14. ^ ジャンバッティスタ・バジーレ 著、ペンタメローネ、大修館書店、1995年、pp. 182–186 参照。
  15. ^ 原英一 著、お伽話による比較文化論、松柏社、1997年、pp. 68–69 参照。
  16. ^ 鈴木晶、前掲書、1991年、pp. 117–118 参照。
  17. ^ 竹原威滋、グリム童話と近代メルヘン、三弥井書店、2008年、pp. 90–92 参照。
  18. ^ 小澤俊夫、グリム童話の誕生、朝日新聞社、1992年、pp. 104–108 参照。
  19. ^ ジョン・M・エリス、一つよけいなおとぎ話、新曜社、1993年、pp. 55–60 参照。
  20. ^ 鈴木晶、前掲書、1991年、pp. 118, 124 参照。
  21. ^ 小澤俊夫、前掲書、1992年、pp. 108–109, 133–134 参照。
  22. ^ 吉原高志吉原素子、初版 グリム童話集2、白水社、2007年、p. 191 参照。
  23. ^ a b 小澤俊夫 著『グリム童話考 pp. 101, 115 参照』講談社(原著1999年)。ISBN 4-06-159408-7 
  24. ^ 吉原高志吉原素子、グリム〈初版〉を読む、白水社、1993年、pp. 18, 117–118 参照。
  25. ^ 吉原高志吉原素子、前掲書、2007年、pp. 191–192 参照。
  26. ^ 富山芳正、Sneewittchen、第三書房、1956年、p. 31 参照。
  27. ^ a b ヤコブ・グリム、ヴィルヘルム・グリム 採話 金田鬼一 訳『完訳 グリム童話集2 p. 150 参照』岩波書店(原著1979年)。ISBN 4-00-324132-0 
  28. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p ヤコブ・グリム、ヴィルヘルム・グリム 採話 植田敏郎 訳『グリム童話集I 白雪姫』新潮社(原著1967年)、229–251頁。ISBN 978-4-10-208301-7 
  29. ^ 沖島博美朝倉めぐみ、前掲書、2012年、pp. 47–49 参照。
  30. ^ 「Schneewittchen kommt aus Bad Wildungen und die sieben Zwerge aus Bergfreiheit[1]」2014年8月2日 閲覧
  31. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w ヤコブ・グリム、ヴィルヘルム・グリム 採話 フローチャー美和子 訳『【初版以前】グリム・メルヘン集』東洋書林(原著2001年)、137–145頁。ISBN 978-4-88721-564-1 
  32. ^ 沖島博美朝倉めぐみ、前掲書、2012年、pp. 48–49 参照。
  33. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w ヤコブ・グリム、ヴィルヘルム・グリム 採話 小澤俊夫 訳『ドイツロマン派全集第II期 第15巻 グリム兄弟』国書刊行会(原著1989年)、90–96頁。ISBN 978-4-336-02692-7 
  34. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ヤーコプ・グリム、ヴィルヘルム・グリム 採話 吉原高志・吉原素子 訳『初版 グリム童話集2』白水社(原著2007年)、174–192頁。ISBN 978-4-560-07165-6 
  35. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 小澤俊夫 著『素顔の白雪姫』光村図書出版(原著1985年)、176–259頁。ISBN 4-89528-034-9 
  36. ^ 金成陽一、誰が白雪姫を誘惑したか、大和書房、1991年、pp. 64–69 参照。
  37. ^ 金成陽一、前掲書、1991年、pp. 68–69 参照。
  38. ^ ウラジミール・プロップ、魔法昔話の誕生、講談社、2009年、p. 71 参照。
  39. ^ https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/dwarf_1
  40. ^ a b c d e f 赤坂一郎 訳 宮内秀雄 註『アメリカ映画シナリオ・シリーズ‐20‐ 白雪姫 口絵 参照及び引用』國際出版社(原著1950年)。 
  41. ^ 金田鬼一、前掲書、1979年、p. 148 参照及び引用。
  42. ^ a b c d e 「Sneewittchen (Schneeweißchen) (1812) (下のほうにある「Anhang Band 1 [XXXII] Zu Sneewittchen. No. 53.」)[2]」2014年9月21日 閲覧
  43. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag 日本昔話学会 編 岩瀬ひさみ 著『昔話-研究と資料-25号 昔話と呪物・呪宝』三弥井書店(原著2007年)、183–184頁。ISBN 4-8382-2030-8 
  44. ^ a b 樋口淳樋口仁枝、前掲書、1989年、pp. 177–183 参照。
  45. ^ カール=ハインツ・マレ、首をはねろ!、みすず書房、1989年、p. 191 参照。
  46. ^ 金田鬼一、完訳 グリム童話1、岩波書店、1979年、p. 10 参照。
  47. ^ a b 金成陽一、前掲書、1991年、pp. 214–215 参照。
  48. ^ a b c 金田鬼一、前掲書、1979年、pp. 148–149 参照及び引用。
  49. ^ 竹原威滋、前掲書、2008年、pp. 129–130 参照及び引用。
  50. ^ マリオ・ヤコービヴェレーナ・カーストイングリット・リーデル、悪とメルヘン、新曜社、2002年、pp. 20–21 参照。
  51. ^ 竹原威滋、王子と美しいパセリちゃん、小峰書店、1989年、pp. 161–167 参照。
  52. ^ 世相風俗観察会『増補新版 現代世相風俗史年表 昭和20年(1945)-平成20年(2008)』河出書房新社、2003年11月7日、37頁。ISBN 9784309225043 
  53. ^ 原英一、前掲書、1997年、p. 72 参照。
  54. ^ 金田鬼一、完訳グリム童話集5、岩波書店、1979年、p. 289 参照。
  55. ^ 奈倉洋子、日本の近代化とグリム童話、世界思想社、2005年、p. 154 参照。
  56. ^ 奈倉洋子、日本の近代化とグリム童話、世界思想社、2005年、pp. 153–155 参照。
  57. ^ 板倉敏之・佐藤茂樹・杉田正樹浜田恂子藤原怜子、もうひとつのいばら姫、八千代出版、1993年、p. 111 参照。
  58. ^ 板倉敏之・佐藤茂樹・浜田恂子藤原怜子、もうひとりのグリム、北星堂、1998年、p. 248 参照及び引用。
  59. ^ 竹原威滋、前掲書、2008年、pp. 120–121 参照。
  60. ^ ヨウーン・アウトナソン、アイスランドの昔話、三弥井書店、1979年、pp. 271–287 参照。
  61. ^ a b c d e f 竹原威滋 著『グリム童話と近代メルヘン』三弥井書店(原著2008年)、89–144頁。ISBN 978-4-8382-3145-4 
  62. ^ ジョセフ・ジェイコブス、ケルト妖精民話集、社会思想社、1992年、pp. 78–84 参照。
  63. ^ 新倉朗子、前掲書、1993年、pp. 154–159 参照。
  64. ^ 新倉朗子、美しいユーラリ、1984年、pp. 83–92 参照。
  65. ^ 小澤俊夫中村志朗、新装 世界の民話第二期15巻 アイルランド・ブルターニュ、ぎょうせい、1999年、pp. 335–338 参照。
  66. ^ ジャンバッティスタ・バジーレ、前掲書、1995年、pp. 182–186 参照。
  67. ^ イタロ・カルヴィーノ、みどりの小鳥、岩波書店、1994年、pp. 79–86 参照。
  68. ^ 永野藤夫、ローマ人物語、東峰書店、1996年、pp. 35–37 参照。
  69. ^ ガストーネ・ヴェントゥレッリ、イタリアの昔話‐トスカーナ地方‐、三弥井書店、1992年、pp. 165–179 参照。
  70. ^ 竹原威滋、前掲書、1989年、pp. 161–167 参照。
  71. ^ ヨーハン・カール・アウグスト・ムゼーウス、リューベツァールの物語、国書刊行会、2003年、pp. 61–102 参照。
  72. ^ 三原幸久小山和子村上由利子、スペインカスティーリア民話集 のんきなファン、東洋文化社、1981年、pp. 6–17 参照。
  73. ^ サンチェス・ペレス、イスパニア民話100選、イスパニア昔話研究グループ、1973年、pp. 59–60 参照。
  74. ^ 小澤俊夫飯豊道男、世界の民話第一期4巻 東欧I、ぎょうせい、1977年、pp. 152–163 参照。
  75. ^ 「The folk-tales of the Magyars/The World's Beautiful Woman[3]」2014年9月21日 閲覧
  76. ^ 金成陽一、前掲書、1991年、pp. 179–195 参照。
  77. ^ A.K.ラーマーヌジャン、インドの民話、青土社、1995年、pp. 184–191 参照。
  78. ^ 小澤俊夫関楠生、新装 世界の民話第二期19巻 パンジャブ、ぎょうせい、1999年、pp. 47–52 参照。
  79. ^ a b c d 野口芳子 著『グリムのメルヒェン、巻末付属資料③ 参照』勁草書房(原著1994年)、144, 157頁。ISBN 4-326-85130-9 
  80. ^ a b c d e f g h 川戸道昭、野口芳子、榊原貴教 著『日本における グリム童話翻訳書誌、グリム童話翻訳文学年表1(明治期)、2(大正以降現代まで) 参照』ナダ出版センター(原著2000年)、51–79頁。ISBN 4-931522-07-6 
  81. ^ a b c d e f g h i j k l m n 川戸道昭、野口芳子、榊原貴教 著『日本における グリム童話翻訳書誌、グリム童話翻訳文学年表2(大正以降現代まで) 参照』ナダ出版センター(原著2000年)、51–79頁。ISBN 4-931522-07-6 
  82. ^ 中見利男、怖い童話、角川春樹事務所、2010年、p. 45 参照及び引用。
  83. ^ 「「白雪姫の絵本はわいせつ」 学校、講義受け撤去 カタール」 - 2016年1月26日付中日新聞朝刊8面(国際欄)

参考文献

[編集]

外部リンク

[編集]