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的場遺跡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

座標: 北緯37度51分42.9秒 東経138度59分41.1秒 / 北緯37.861917度 東経138.994750度 / 37.861917; 138.994750

的場遺跡の位置(新潟県内)
的場遺跡
的場遺跡
位置
現在は的場史跡公園として整備および開放されている

的場遺跡(まとばいせき)は、新潟県新潟市西区的場流通一丁目にある遺跡。現在は新潟流通センターとなっているが、かつては的場山と呼ばれる砂丘があり、その一帯が遺跡範囲で、縄文時代晩期から中世まで断続に存在していた。新潟県指定史跡に指定され、的場史跡公園として整備されている[1][2]

掘立柱建物跡

概要

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信濃川の西岸に近い新潟平野に立地する。1989年(平成元年)と1990年(平成2年)に新潟流通センター拡張計画に伴い新潟市教育委員会発掘調査をした。その結果、大型の倉庫を含む14棟の掘立柱建物跡が見つかった。さらに奈良時代平安時代遺物も大量に見つかった。特徴的なのは、浮きなどの漁具のほか、木簡和同開珎など、古代官衙役所)に関連する遺物が大量に出土したことである。このことから当遺跡は、古代に役人が主導する大規模な漁業と水揚げが行われ、都に納められる租税などとして漁獲物を管理・仕分けしていた場所だったのではないかと推定されている[注 1][3]。また、近くの信濃川や西川が漁場であったと推測されている[3]

出土遺物

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漁具

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  • 管状土錘:8600点
  • 木製の浮き:100点
    • 大小2種類あり、大型なものは昭和初期にサケ網に、小型なものは潟湖で使用されていた刺し網に似ている[3]
  • 木製の網針、石製の大型錘、舟の櫂、ロープ

官衙的遺物

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  • 役人が身に付けた帯金具
  • 大刀の金具
  • 木靴
  • 和同開珎:20枚
  • 人名が書かれた墨書土器
  • 木簡:7点
    • 「杉人鮭」や「をの尓へ(魚の贄)」と書かれた荷札があり、このことから捕獲した魚を、荷造りして運んでいたことが推察される。
    • 「狄食」と記されている物があった。「狄」は日本海側の蝦夷を指す。

祭祀具的遺物

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文化財指定

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  • 1992年(平成4年)、新潟市の史跡に指定[3]
  • 1993年(平成5年)11月3日、出土品一括を新潟市の有形文化財に指定[4]
  • 1994年(平成6年)3月29日、新潟県の史跡に指定[1]
  • 1996年(平成8年)3月29日、出土品一括の内、一部(5585点)を新潟県の有形文化財に指定[5](残りは市指定有形文化財[4])。

脚注

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注釈

  1. ^ 例えば、『延喜式』によればサケ越後国の特産品であった。

出典

参考文献

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  • 新潟市歴史文化課「的場遺跡」『新潟市の遺跡』新潟市〈新・新潟歴史双書2〉、2007年3月31日、136-138頁。 NCID BA82295089https://www.city.niigata.lg.jp/kanko/bunka/rekishi/maizobunka/iseki/isekilist2.files/matoba.pdf 

外部リンク

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