的場遺跡
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座標: 北緯37度51分42.9秒 東経138度59分41.1秒 / 北緯37.861917度 東経138.994750度
的場遺跡(まとばいせき)は、新潟県新潟市西区的場流通一丁目にある遺跡。現在は新潟流通センターとなっているが、かつては的場山と呼ばれる砂丘があり、その一帯が遺跡範囲で、縄文時代晩期から中世まで断続に存在していた。新潟県指定史跡に指定され、的場史跡公園として整備されている[1][2]。
概要
[編集]信濃川の西岸に近い新潟平野に立地する。1989年(平成元年)と1990年(平成2年)に新潟流通センター拡張計画に伴い新潟市教育委員会が発掘調査をした。その結果、大型の倉庫を含む14棟の掘立柱建物跡が見つかった。さらに奈良時代・平安時代の遺物も大量に見つかった。特徴的なのは、錘や浮きなどの漁具のほか、木簡や和同開珎など、古代の官衙(役所)に関連する遺物が大量に出土したことである。このことから当遺跡は、古代に役人が主導する大規模な漁業と水揚げが行われ、都に納められる租税などとして漁獲物を管理・仕分けしていた場所だったのではないかと推定されている[注 1][3]。また、近くの信濃川や西川が漁場であったと推測されている[3]。
出土遺物
[編集]漁具
[編集]官衙的遺物
[編集]- 役人が身に付けた帯金具
- 大刀の金具
- 木靴
- 和同開珎:20枚
- 人名が書かれた墨書土器
- 木簡:7点
- 「杉人鮭」や「をの尓へ(魚の贄)」と書かれた荷札があり、このことから捕獲した魚を、荷造りして運んでいたことが推察される。
- 「狄食」と記されている物があった。「狄」は日本海側の蝦夷を指す。
祭祀具的遺物
[編集]文化財指定
[編集]- 1992年(平成4年)、新潟市の史跡に指定[3]。
- 1993年(平成5年)11月3日、出土品一括を新潟市の有形文化財に指定[4]。
- 1994年(平成6年)3月29日、新潟県の史跡に指定[1]。
- 1996年(平成8年)3月29日、出土品一括の内、一部(5585点)を新潟県の有形文化財に指定[5](残りは市指定有形文化財[4])。
脚注
[編集]注釈
出典
- ^ a b 市内の新潟県指定文化財一覧-史跡名勝天然記念物(新潟市)
- ^ 「的場遺跡」新潟県指定史跡 緒立遺跡・的場遺跡(新潟市)
- ^ a b c d 『新潟市の遺跡』2007年 pp.136-138
- ^ a b 有形文化財(新潟市)
- ^ 市内の新潟県指定文化財一覧-有形文化財(新潟市)
参考文献
[編集]- 新潟市歴史文化課「的場遺跡」『新潟市の遺跡』新潟市〈新・新潟歴史双書2〉、2007年3月31日、136-138頁。 NCID BA82295089 。
外部リンク
[編集]- 新潟県指定史跡 緒立遺跡・的場遺跡(新潟市)