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石井ポンペ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

石井 ポンペ(いしい ポンペ、1945年 - )は、日本の社会運動家。

のりこえねっと共同代表[1]。のりこえねっとの書籍である『ヘイトスピーチってなに?レイシズムってどんなこと?』には石井も執筆する[2]

原子力発電所の立場である[3]

経歴

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1945年に北海道穂別町で生まれる。アイヌ民族の集落で生まれ育つ[4]

1960年に中学校を卒業し、同級生のほとんどは東京に集団就職をしていったものの、北海道の地元に残った。それから飯場で寝泊りする生活をして実家に戻る。実家に戻ってからは鉄道の工夫をする。17歳で母親に背中を押され札幌に求職に出る[5]。1968年、アイヌの戸塚美波子北海道新聞に投書した北海道百年記念事業への違和を綴った文章を見て、民族運動に向かった[5]

1973年にはウタリ協会札幌支部の結成に参加して、支部の役員を務める。この時の石井は平日は札幌市で尿処理場を管理する仕事をしていた。このころに結城庄司北海道大学で教授の差別発言に抗議活動をしていたのに口を挟めば殴り合いの喧嘩になり、結城に柔道技を決められた[6]

2013年に、北海道で刺青をしていた人物が公衆浴場で入浴を断られた。この刺青は伝統的な模様であった。このことに対して石井は、自身の祖母も刺青をしていたが、外出をするときには刺青を隠していたと振り返り、このように政府の多数派が一方的に風習を禁止して差別感を生みアイヌ民族を苦しめてきたと語る[7]

2014年みんなの党札幌市議会議員がアイヌ民族はもういないとインターネットに投稿した際に石井は、このことがアイヌ民族の若者を傷付けてその責任は重いと批判した[8]

2019年12月に札幌市中央区で「北海道・表現の自由と不自由展」というイベントが開かれ、ここで石井は「カムイノミ」というアイヌ民族が神に祈りを捧げる儀式を行う[9]

2023年に公開された『大地よ アイヌとして生きる』という映画に出演した[10]

脚注

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  1. ^ 共同代表 | のりこえねっと” (2015年5月28日). 2024年8月9日閲覧。
  2. ^ ヘイトスピーチってなに?レイシズムってどんなこと?”. 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア. 2024年8月9日閲覧。
  3. ^ 泊原発の廃炉をめざす会”. tomari816.com. 2024年8月9日閲覧。
  4. ^ アイヌ民族の戦後をたどる「ポンペ物語」 差別逃れて山河で過ごした:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年3月28日). 2024年8月9日閲覧。
  5. ^ a b 塔の下のポンペを動かした投書 「開拓百年」が忘れていたアイヌ民族:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年3月29日). 2024年8月9日閲覧。
  6. ^ 「生意気」だった闘士が遺した思想 ポンペと結城庄司のアイヌ運動:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2024年3月30日). 2024年8月9日閲覧。
  7. ^ 「入れ墨は伝統」、アイヌ民族が抗議――先住民マオリ女性を入浴拒絶”. 週刊金曜日オンライン. 2024年8月9日閲覧。
  8. ^ 「アイヌ」めぐり札幌市議が暴論――「先住権」課題か”. 週刊金曜日オンライン. 2024年8月9日閲覧。
  9. ^ 北海道)北海道表現の自由と不自由展、札幌で開催:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2019年12月22日). 2024年8月9日閲覧。
  10. ^ 大地よ アイヌとして生きる 作品詳細 | シネマNAVI”. www.cinemanavi.com. 2024年8月9日閲覧。