硝酸ストロンチウム
表示
硝酸ストロンチウム | |
---|---|
硝酸ストロンチウム | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 10042-76-9 |
特性 | |
化学式 | Sr(NO3)2 |
モル質量 | 211.63 g/mol |
外観 | 無色結晶 |
密度 | 2.986 g/cm3 |
融点 |
570 ℃ |
沸点 |
分解 |
水への溶解度 | 40 g/100 g (0 ℃) |
構造 | |
結晶構造 | 立方晶系 |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
−978.22 kJ mol−1[1] |
標準モルエントロピー S |
194.56 J mol−1K-1 |
標準定圧モル比熱, Cp |
149.91 J mol−1K-1 |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | External MSDS data |
主な危険性 | 酸化剤 (O) 刺激性 (Xi) |
Rフレーズ | R8, R36/38 |
Sフレーズ | S17, S26 |
引火点 | 不燃性 |
関連する物質 | |
その他の陽イオン | 硝酸バリウム 硝酸カルシウム 硝酸マグネシウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
硝酸ストロンチウム(しょうさんストロンチウム、Strontium nitrate)は組成式 で表される、ストロンチウムの硝酸塩である。日本国内では消防法により危険物第1類(硝酸塩類)に指定される。
合成
[編集]水酸化ストロンチウム水溶液と硝酸による中和反応、または炭酸ストロンチウムを硝酸に溶解して水溶液が得られる[2][3]。
水溶液を濃縮すると、29.3℃以下では4水和物、以上では無水物が析出する。水から再結晶することにより精製する。
性質
[編集]無色結晶で無水物は立方晶系、4水和物は単斜晶系に属する。 水及び液体アンモニアに可溶であるが、エタノール及びアセトンには難溶である。水に対する溶解度は硝酸バリウムより大きく、硝酸カルシウムより小さい。このため硝酸カルシウムのような潮解性は見られない。
融点以上で分解し、酸素および二酸化窒素を放出して酸化ストロンチウムとなる。
LD50(ラット)は体重1 kg当たり540 mgと報告されている[4]。
用途
[編集]深紅色の炎色反応を示すため、発火信号及び花火の火薬、さらにマッチ及び医薬品として用いられる[2]。
参考文献
[編集]- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ a b 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ^ 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成II』 丸善、1977年
- ^ Merck index, 13th