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硝酸ストロンチウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
硝酸ストロンチウム
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識別情報
CAS登録番号 10042-76-9
特性
化学式 Sr(NO3)2
モル質量 211.63 g/mol
外観 無色結晶
密度 2.986 g/cm3
融点

570 ℃

沸点

分解

への溶解度 40 g/100 g (0 ℃)
構造
結晶構造 立方晶系
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −978.22 kJ mol−1[1]
標準モルエントロピー So 194.56 J mol−1K-1
標準定圧モル比熱, Cpo 149.91 J mol−1K-1
危険性
安全データシート(外部リンク) External MSDS data
主な危険性 酸化剤 (O)
刺激性 (Xi)
Rフレーズ R8, R36/38
Sフレーズ S17, S26
引火点 不燃性
関連する物質
その他の陽イオン 硝酸バリウム
硝酸カルシウム
硝酸マグネシウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

硝酸ストロンチウム(しょうさんストロンチウム、Strontium nitrate)は組成式 で表される、ストロンチウム硝酸塩である。日本国内では消防法により危険物第1類(硝酸塩類)に指定される。

合成

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水酸化ストロンチウム水溶液と硝酸による中和反応、または炭酸ストロンチウムを硝酸に溶解して水溶液が得られる[2][3]

水溶液を濃縮すると、29.3℃以下では4水和物、以上では無水物が析出する。水から再結晶することにより精製する。

硝酸ストロンチウムの溶解度の温度依存性(溶液100g)

性質

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無色結晶で無水物は立方晶系、4水和物は単斜晶系に属する。 及び液体アンモニアに可溶であるが、エタノール及びアセトンには難溶である。水に対する溶解度は硝酸バリウムより大きく、硝酸カルシウムより小さい。このため硝酸カルシウムのような潮解性は見られない。

融点以上で分解し、酸素および二酸化窒素を放出して酸化ストロンチウムとなる。

LD50ラット)は体重1 kg当たり540 mgと報告されている[4]

用途

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深紅色の炎色反応を示すため、発火信号及び花火火薬、さらにマッチ及び医薬品として用いられる[2]

参考文献

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  1. ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
  2. ^ a b 『化学大辞典』 共立出版、1993年
  3. ^ 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成II』 丸善、1977年
  4. ^ Merck index, 13th