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硫酸カリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
硫加から転送)
硫酸カリウム
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アルカナイト (K2SO4)
識別情報
CAS登録番号 7778-80-5 チェック
PubChem 24507
ChemSpider 22915 チェック
UNII 1K573LC5TV チェック
E番号 E515(i) (pH調整剤、固化防止剤)
KEGG D01726 ×
RTECS番号 TT5900000
特性
化学式 K2SO4
モル質量 174.259 g/mol
外観 白色結晶性固体
密度 2.66 g/cm3 [1]
融点

1069 °C, 1342 K, 1956 °F

沸点

1689 °C, 1962 K, 3072 °F

への溶解度 111 g/L (20 °C)
120 g/L (25 °C)
240 g/L (100 °C)
溶解度 グリセロールにわずかに溶ける。
アセトンアルコール二硫化炭素には溶けない。
構造
結晶構造 斜方晶系
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 1451
External MSDS
EU Index Not listed
主な危険性 Irritant
Rフレーズ R22
Sフレーズ S36
引火点 不燃性
半数致死量 LD50 6600 mg/kg
関連する物質
その他の陰イオン セレン酸カリウム
テルル酸カリウム
その他の陽イオン 硫酸リチウム
硫酸ナトリウム
硫酸ルビジウム
硫酸セシウム
関連物質 硫酸水素カリウム
硫化カリウム
亜硫酸水素カリウム
過硫酸水素カリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

硫酸カリウム(りゅうさんカリウム、potassium sulfate)は化学式 K2SO4無機化合物である。硫酸カリ硫加(リュウカ)とも呼ばれる。不燃性の白色結晶塩で、水には溶けるがアルコールには溶けない。天然にはアルカナイトとして存在するが、これは存在度の低い鉱物である。工業的には塩化カリウム硫酸と熱するか、キーゼリット(硫酸マグネシウム鉱石)と塩化カリウムの複分解によってつくる。カリウム硫黄を提供することから、化学肥料として広く使われている。

歴史

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14世紀初期の時点で硫酸カリウムは発見済みであった。当時、グラウバーボイルやタケニアスが検討している。17世紀、酸性塩とアルカリ塩の混合物としてarcanuiあるいはsal duplicatum と名付けられていた。医薬品としてグラゼルが調合・処方して以降はvitriolic tartar and Glaser's saltやsal polychrestum Glaseriとしても知られていた。

用途

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ミョウバンの原料とされ、またカリ肥料として重要である。吸湿性は低く保存や配合時に取り扱いやすいという利点がある[2]。配合肥料のカリウム源としてよい。土壌酸性化の度合は塩化カリウムより低い。

淡灰白色-淡黄白色の結晶で、肥料として日本で使用されている硫酸カリウムは、水溶液性カリ K2O を48-50%を含有[3](カリウム保証成分 50 %)する物がほとんどである。一方、塩化カリウム(略称 塩加、エンカ)はカリウム保証成分 60 % のものが主流である。

化学肥料のカリウム源としては、硫酸カリウムと塩化カリウムがほとんどである。他にもサルポマグ(硫酸カリ苦土)、水酸化カリウム硝酸カリウム炭酸カリウム草木灰における主なアルカリ分)などが使用されるが、価格が高いため、化学肥料としては使用量が少ない。

硫酸カリウムは塩化カリウムよりも高価である(成分価で 10 % 程度)。しかし、畑作物に使用した場合、肥料としての効果が塩化カリウムと比べると優れており(イモにおいては塩化カリウムの様に筋っぽくならない等)、農家での使用が多い。カリウム源としては、硫酸カリウムと塩化カリウムに差は無いが、複塩として含まれる硫酸イオン塩化物イオンは作物に対しての効果が異なる。硫酸イオンは、それ自体が肥料成分として作物に吸収利用される。塩化物イオンは肥料成分としての効果は期待できない。特に葉たばこ用の肥料としては塩化物イオンは嫌われるので(塩化物イオンがたばこの葉に多いと火のつきが悪くなる)たばこ用の肥料は硫酸カリウムが用いられる。

硫酸カリウムを原料に使用した肥料は塩化カリウム肥料より高価であるため、硫酸カリウム使用ということ自体が商品のセールスポイントになる。肥料名が『○○化成 S○○○』となっていた場合、肥料名のSは硫酸カリウム使用であることを示す。

脚注

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  1. ^ Pradyot Patnaik. Handbook of Inorganic Chemicals. McGraw-Hill, 2002, ISBN 0070494398
  2. ^ 塘隆男「カリ肥料」『新版 林業百科事典』第2版第5刷 p112 日本林業技術協会 1984年
  3. ^ 塘隆男「カリひりょう」『新版 林業百科事典』第2版第5刷 p112 日本林業技術協会 1984年(昭和59年)発行

外部リンク

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