紀伊神谷駅
紀伊神谷駅* | |
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駅舎(2005年8月) | |
きいかみや KII-KAMIYA | |
◄NK84 紀伊細川 (2.4 km) (1.5 km) 極楽橋 NK86► | |
所在地 | 和歌山県伊都郡高野町大字細川502番2 |
駅番号 | NK 85 |
所属事業者 | 南海電気鉄道 |
所属路線 | ■高野線 |
キロ程 |
63.0 km(汐見橋起点) 難波から62.3 km |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面2線 |
乗降人員 -統計年度- |
[南海 1]8人/日 -2023年- |
開業年月日 | 1928年(昭和3年)6月18日 |
備考 |
無人駅 *1930年に神谷駅から改称 |
紀伊神谷駅(きいかみやえき)は、和歌山県伊都郡高野町大字細川にある南海電気鉄道高野線の駅。標高473 m(橋本駅との高低差は+381 m)。駅番はNK85。民本大手私鉄としては珍しい秘境駅として名高い。
歴史
[編集]- 1928年(昭和3年)6月18日:高野山電気鉄道の山側の終着駅である神谷駅として開業[1]。
- 1929年(昭和4年)2月21日:当駅 - 極楽橋間の開業に伴い、終点駅から中間駅となる[2]。
- 1930年(昭和5年)3月1日:紀伊神谷駅に改称。
- 1937年(昭和12年)3月17日:駅員が極楽橋駅から暴走してきた電車を転轍機の操作により脱線、転覆させる。乗客2人が死亡、12人が重軽傷を負う被害。故意に脱線させなかった場合、電車が谷へ落下して被害が拡大していたと推測されている[3]。
- 1947年(昭和22年)3月15日:社名変更により、南海電気鉄道の駅となる。
- 2000年(平成12年)10月:駅業務を子会社の南海ビルサービスに委託[4][5]。
- 2009年(平成21年)2月6日:紀伊清水駅、学文路駅、九度山駅、高野下駅、下古沢駅、上古沢駅、紀伊細川駅、極楽橋駅、高野山駅、紀ノ川橋梁、丹生川橋梁、鋼索線とともに近代化産業遺産(高野山参詣関連遺産)に指定される[6][7]。
- 2012年(平成24年)4月1日:駅ナンバリングが導入され、使用を開始[8][9]。
- 2017年(平成29年)10月22日 - 2018年(平成30年)3月30日:台風21号の影響により上古沢駅構内で道床流出が発生[10]し、高野下駅 - 極楽橋駅間が運転見合わせとなる[11][10]。橋本駅 - 高野山駅間でバス代行輸送を実施[12]。
- 2018年(平成30年)3月31日:上古沢駅構内の線路故障の復旧工事が完了し、始発から高野下駅 - 極楽橋駅間の運転を再開[10][13]。
- 2023年(令和5年)10月10日:駅員巡回強化指定駅となり無人駅化。
駅構造
[編集]駅係員配置駅。島式ホーム1面2線の地上駅で列車交換が可能。ホーム有効長は2扉車4両。山間の険しい地形のところにあるため、ホームが大きくカーブしていることが特徴である。
駅舎は下り線(極楽橋方面の線路)側にあり、ホームとは構内踏切で結ばれている。のりば番号は設定されていない。
自動券売機が設置されておらず乗車券は窓口でも発売していない(定期券のみ事前予約で購入可能)。窓口で乗車駅証明書を受け取り、下車駅で精算するように案内される。かつては自動改札機が、PiTaPa・ICOCAなどのICカードに対応していなかったため、常駐の係員に申し出る必要があったが、2017年頃にICカード対応の自動改札機に置き換えられたためその必要はなくなっている。改札外にトイレがある。
のりば
[編集]のりば | 路線 | 方向 | 行先[14] |
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1 | 高野線 | 下り | 高野山方面 |
2 | 上り | なんば方面 |
※実際には構内に上記ののりば番号表記はないが、スマートフォン向けアプリ「南海アプリ」では、下りが1番のりば、上りが2番のりばとされている。駅舎側が1番のりばである。
利用状況
[編集]2023年度の1日平均乗降人員は8人[南海 1]である。高野線の駅(42駅)で、また南海電鉄の駅(100駅)では乗降人員が最も少ない[南海 1][注 1]。
近年の1日平均乗降人員は下表のとおりである。
年度 | 1日平均 乗降人員 |
出典 |
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1980年(昭和55年) | 85 | [県統計 1] |
1985年(昭和60年) | 68 | [県統計 1] |
1990年(平成 | 2年)52 | [県統計 1] |
1995年(平成 | 7年)69 | [県統計 1] |
2000年(平成12年) | 58 | [県統計 1] |
2001年(平成13年) | 46 | [県統計 1] |
2002年(平成14年) | 39 | [県統計 1] |
2003年(平成15年) | 33 | [県統計 1] |
2004年(平成16年) | 29 | [県統計 1] |
2005年(平成17年) | 26 | [県統計 1] |
2006年(平成18年) | 24 | [県統計 1] |
2007年(平成19年) | 23 | [県統計 1] |
2008年(平成20年) | 21 | [県統計 1] |
2009年(平成21年) | 20 | [県統計 1] |
2010年(平成22年) | 19 | [県統計 1] |
2011年(平成23年) | 16 | [県統計 1] |
2012年(平成24年) | 13 | [県統計 1] |
2013年(平成25年) | 11 | [県統計 1] |
2014年(平成26年) | 14 | [県統計 1] |
2015年(平成27年) | 11 | [県統計 1] |
2016年(平成28年) | 10 | [県統計 1] |
2017年(平成29年) | 10 | [県統計 1] |
2018年(平成30年) | 14 | [県統計 1][南海 2] |
2019年(令和元年) | 13 | [県統計 1][南海 2] |
2020年(令和 | 2年)9 | [南海 2] |
2021年(令和 | 3年)8 | [南海 3] |
2022年(令和 | 4年)9 | [南海 4] |
2023年(令和 | 5年)8 | [南海 1] |
駅周辺
[編集]東の丘を越えた先に古来宿場町だった集落(2020年時点で16世帯24人が在住[15])があるが、当駅から離れており、駅周辺にはほぼ何も無く自動販売機も設置されていない。このため秘境駅とも言われている。土日祝には、近くにある旧白藤小学校で、カフェの営業がある。なお、当駅は1871年に起こった日本最後の仇討ちともいわれる高野の仇討ちの現場の最寄り駅でもある[16]。
隣の駅
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 高師浜線が2021年5月22日よりバス代行輸送を実施しているため、伽羅橋・高師浜の乗降人員はすべて羽衣駅扱いとなり、この両駅の実績は2022年度及び2023年度は0となっている。このため、当駅は100位となっていない。
出典
[編集]- ^ 『地方鉄道運輸開始、官報450号(1928年6月28日)』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ 『地方鉄道運輸開始、官報648号(1929年2月28日)』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ 南海電鉄高野線で電車が脱線転覆『大阪毎日新聞』(昭和12年3月18日夕刊).『昭和ニュース事典第6巻 昭和12年-昭和13年』本編p799 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
- ^ “会社概要(沿革) - 南海ビルサービス”. 南海ビルサービス. 2022年11月27日閲覧。
- ^ “鉄道業務(機器メンテナンス、駅業務) - 南海ビルサービス”. 南海ビルサービス. 2022年11月27日閲覧。
- ^ 「近代化産業遺産群 続33」を選定しました(2009年7月17日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project、2021年8月12日閲覧
- ^ 都道府県別認定遺産リスト(2009年7月17日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project、2021年8月12日閲覧
- ^ “南海 駅ナンバリング 導入”. 鉄道コム (2012年2月27日). 2023年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月13日閲覧。
- ^ “南海電鉄全駅に「駅ナンバリング」を導入します”. 南海電鉄. 2021年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月13日閲覧。
- ^ a b c “NANKAI 株主通信” (PDF). 南海電鉄株式会社. p. 8 (2018年6月). 2021年8月12日閲覧。
- ^ 台風第21号による被害状況等について(第4報) (2017/10/24 7:00現在) (PDF) - 国土交通省
- ^ JR線への振替・バス代行輸送のご案内 - ウェイバックマシン(2017年10月30日アーカイブ分)、2021年8月12日閲覧
- ^ 高野線(高野下駅~極楽橋駅)の運転再開について - ウェイバックマシン(2018年3月26日アーカイブ分)、2021年8月12日閲覧
- ^ “紀伊神谷駅 立体構内図”. 南海電気鉄道. 2023年6月11日閲覧。
- ^ 人口たった8人の秘境集落...家の目の前は熊野古道! 78歳男性が40年貯めたお金をつぎ込んで育てる驚きのモノ:ナゼそこ? - テレ東プラス・2020年12月23日
- ^ わびたび - 紀伊神谷駅(高野町) - NHK和歌山放送局
- 和歌山県公共交通機関等資料集
- 南海電気鉄道の1日平均利用客数
- ^ a b c d 南海電気鉄道株式会社 (2024年7月). “2023 HAND BOOK NANKAI”. p. 57. 2024年9月7日閲覧。
- ^ a b c 南海電気鉄道株式会社 (2021年8月). “2021 HAND BOOK NANKAI” (pdf). p. 77. 2022年11月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月19日閲覧。
- ^ 南海電気鉄道株式会社 (2022年8月). “2022 HAND BOOK NANKAI”. p. 77. 2022年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月19日閲覧。
- ^ 南海電気鉄道株式会社 (2023年8月). “2023 HAND BOOK NANKAI”. p. 69. 2023年9月2日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 紀伊神谷駅 - 南海電気鉄道