福田会
社会福祉法人福田会(ふくでんかい)は、東京都渋谷区に本部を置き、児童養護施設やグループホームなどを運営する社会福祉法人である。
沿革
[編集]1876年、仏教諸宗派の幹部僧侶により、孤児や貧窮児童を収容する施設の建設協議が始まった[2][4]。1879年、育児院設立を内務省に上願、東京市日本橋区茅場町の天台宗鎧島山智泉院に「福田会育児院」仮事務所を構え、孤児・貧窮児童の養育・里親委託事業を開始した[2][4]。1889年、「上流夫人」を会員とする恵愛部を設置、部長に公爵毛利元徳の妻毛利安子を選任した[5]。1898年、社団法人格取得[2]。1899年、伏見宮邦家親王の第7王女文秀女王が総裁に就任[4]。1910年、宮内省より御料地4500坪を無償借受[6]、日本橋区から現在地に移転[2]。1920年、外務省から日本赤十字社を通しての依頼で、ポーランド孤児375人の滞在を受け入れた[7]。1921年、財団法人に組織変更[2]。1927年、博恭王妃経子が総裁に就任[8]。1945年5月、空襲により建物の約86%を焼失[6] 。
1947年、財産税法施行に伴い敷地に賃借料発生[6]。1950年代、復興計画を策定、関東財務局との国有地払い下げ交渉[6]。1952年、社会福祉法人に組織変更[2]。2003年1月、東京都内の財団法人に新たな医療・福祉施設の共同経営を持ちかけ3億円をだまし取ったとして、元理事長ら3人が詐欺容疑で警視庁に逮捕され[3]、のち処分保留で釈放された[9]。2011年7月、敷地の4割にあたる国からの有償借地1000坪について、300坪を返還し残り700坪を事実上無償譲受した[注 2][3]。2013年1月、後援会が発足、会長に安倍昭恵が就任[10]。2015年、公益財団法人社会貢献支援財団社会貢献表彰受賞[11]。
運営施設
[編集]- 広尾フレンズ - 児童養護施設[12]。1879年「福田会育児院」発足、1948年養護施設「福田会東京本院」認可、2013年現名称に改称[2][12]。
- 宮代学園 - 福祉型障害児施設[12]。満18歳未満の知的障害児が入所する[12]。1959年認可、開設[7]。
- 宮代学園相談支援センター - 障害児・特定相談支援事業所[12]。
- グループホーム広尾 - 認知症高齢者グループホーム[12]。介護保険法に基づく「認知症対応型共同生活介護」施設[12]。2012年開設[2]。
- 広尾グリーンハウス - 都市型経費老人ホーム[12]。2012年開設[2]。
- 広尾てくてく - 第2種社会福祉事業放課後等デイサービス[12]。2014年開設[2]。
- 広尾ジョイワーク - 就労継続支援B型[12]。2015年開設[2]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d “法人概要”. 社会福祉法人福田会. 2018年4月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l “沿革”. 社会福祉法人福田会. 2018年4月1日閲覧。
- ^ a b c “まだあるアンタッチャブルな昭恵夫人“案件”を徹底検証”. 週刊朝日 (2018年3月28日). 2018年4月1日閲覧。
- ^ a b c 宇都(2015-3)、p.114
- ^ 宇都(2015-3)、p.104
- ^ a b c d 宇都榮子 (2015年9月). “学会発表 福田会育児院史研究その2 第二次世界大戦敗戦後の福田会と復興に向けての動き” (PDF). 日本社会福祉学会第63回秋季大会. p. 23-24. 2018年4月1日閲覧。
- ^ a b 宇都(2015-3)、p.115
- ^ 宇都(2015-3)、p.96
- ^ “安倍首相の新たな疑惑 「福田会」と「北海道霊園」を結ぶ反社”. 日本タイムズ (2017年6月). 2018年4月1日閲覧。
- ^ “後援会会長あいさつ”. 社会福祉法人福田会後援会ウェブサイト. 2018年4月1日閲覧。
- ^ “受賞者紹介 平成27年度 社会貢献の功績 社会福祉法人 福田会”. 公益財団法人社会貢献支援財団. 2018年4月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “施設紹介”. 社会福祉法人福田会. 2018年4月1日閲覧。
参考文献
[編集]- 宇都榮子 (2015年3月31日). “福田会育児院創設とその後の運営を支えた組織―創設を支えた人々・下賜金・皇族名誉総裁・恵愛部の分析から―”. 『社会福祉』55号. 日本女子大学社会福祉学科 日本女子大学社会福祉学会. p. 93-115. 2018年4月1日閲覧。