福田喜重
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福田 喜重(ふくだ きじゅう、1932年9月26日 - 2022年12月16日)は、日本の刺繡家[1]、重要無形文化財保持者。刺繡では唯一人の人間国宝である[2]。
人物
[編集]京都市生まれ[3]。京都市立第一工業学校(現・京都市立京都工学院高等学校)卒業[4]。父である刺繡家福田喜三郎に1948年から師事。父からの厳しい指導によって本格的伝統技法を習得した。刺繡作品は主に和服。一越縮緬や綸子地などの生地を使用し、意匠では自然物を流動的に表現し、色糸による刺繡で微妙なグラデーションや細かい作業によって繊細で流れるような曲線を描く。そのため、作品は平坦にならず、奥行きを感じさせ絵柄になる[2]。1976年に日本工芸会日本伝統工芸展に初入選、以降受賞を重ねる[5]。刺繡業福田商店の経営を1956年に父から引き継ぎ、1970年に福田工芸染繡研究所に社名変更、1991年に株式会社福田喜を設立して代表取締役を務める[5][6]。
2022年12月16日、老衰のため死去[7]。90歳没。
受賞歴
[編集]- 1978年 第15回日本伝統工芸染織展優秀賞
- 1978年 第25回日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞[3]
- 1980年 第27回日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞[3]
- 1992年 京都府指定無形文化財「刺繡」保持者[5]
- 1997年 重要無形文化財「刺繡」保持者[3][5]
- 1999年 紫綬褒章[5][7]
- 2004年 旭日中綬章[2][5]
- 2007年 京都市文化功労者[5]
- 2010年 京都府文化賞功労賞[5]
脚注
[編集]- ^ 『現代名工・職人人名事典』日外アソシエーツ、1990年、309頁。ISBN 978-4816909207。
- ^ a b c 『人間国宝事典』芸艸堂、2009年、133頁。ISBN 978-4753802456。
- ^ a b c d 時計塔80年記念 傘寿 福田喜重展 銀座和光 2018年7月22日閲覧。
- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.490
- ^ a b c d e f g h 福田工芸染繡研究所の歩み 福田工芸染繡研究所 2018年7月22日閲覧。
- ^ 会社案内 福田喜 2018年7月22日閲覧。
- ^ a b “福田喜重氏が死去 染織工芸作家、人間国宝”. 日本経済新聞. 共同通信社. (2022年12月23日) 2022年12月23日閲覧。
参考文献
[編集]- 日外アソシエーツ株式会社編集発行 『現代名工・職人人名事典』1990年。ISBN 4-8169-0920-6
- 南邦男監修 『人間国宝事典』芸艸堂、2009年。ISBN 978-4-7538-0245-6
- 全国伝統工芸士会編集委員会編集 『伝統工芸士名鑑』ふたば書房、1986年。
- 小田孝治著 『日本の技』メトロポリタン、2000年。ISBN 4-434-00554-5