立ち木トラスト
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(立木トラスト運動から転送)
立ち木トラスト(たちきトラスト)とは、抗議活動の一形態。
概要
[編集]開発予定地の樹木を買い取り、名札を取り付けて「立ち木権」を主張することで開発を難しくする抗議活動である[1][2]。根拠法は立木ニ関スル法律[2]。
訴訟等とは違って、多くの市民が気軽に参加できるという特徴がある[2]。ただし、国有林や公有林では立ち木トラストを行うことはできない[3]。
立ち木が行われると、開発側は立木権所有者全員の同意を得なければ、開発に着手できないとされる[2]。一方で、公共事業の場合は土地収用法に基づいて、立ち木も含めて全ての土地が収容される例もある[2]。
岐阜県山岡町のゴルフ場開発において立ち木トラスト運動をしている立ち木所有者が岐阜県による林地開発許可の取り消しを求めた訴訟では、2001年3月13日に最高裁は森林法に基づいて行政処分の取り消し等を求められる者は「災害の直接的被害が予想される範囲内での居住者」とする判断を下した[4]。
立ち木トラストの例
[編集]- 下筌ダム
- 闘争記念樹は現在の公共事業の反対運動にみられる「立木トラスト運動」の原点と言われている。
- 三里塚芝山連合空港反対同盟
- 設楽ダム
- 東九州自動車道(椎田南IC - 豊前IC)
- 中央新幹線(リニア中央新幹線)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ のちに反対同盟に追放される。
出典
[編集]- ^ 「<解>立ち木トラスト」『読売新聞』読売新聞社、1995年8月19日。
- ^ a b c d e 「[ミニ辞典]立ち木トラスト運動」『読売新聞』読売新聞社、1995年12月19日。
- ^ 「ゴルフ場開発訴訟 立ち木所有者も「原告適格」 実質審理入り門戸開く(解説)」『読売新聞』読売新聞社、1996年5月22日。
- ^ 「所有者の原告適格認めず 岐阜のゴルフ場の立ち木トラストで 最高裁」『朝日新聞』朝日新聞社、2001年3月13日。
- ^ 北原鉱治『大地の乱 成田闘争―三里塚反対同盟事務局長の30年』 お茶の水書房、1996年、39頁。
- ^ 東九州道:福岡県がミカン園強制収用の行政代執行毎日新聞 2015年7月14日
参考文献
[編集]- 山田国広『里山トラスト―一本の立木が地域と都市をむすぶ』北斗市出版、1994年。ISBN 9784938427757。