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笹田和子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
笹田 和子
ピアニストの田中園子(左)とともに(1951年のユーディ・メニューイン訪日公演時)
基本情報
生誕 (1921-06-30) 1921年6月30日
出身地 日本の旗 日本 大阪府大阪市
死没 (2007-11-30) 2007年11月30日(86歳没)
日本の旗 日本 大阪府吹田市
学歴 東京音楽学校本科声楽部卒業
(現: 東京藝術大学
ジャンル クラシック
職業 声楽家ソプラノ
オペラ歌手
音楽教育者

笹田 和子(ささだ かずこ、1921年(大正10年)6月30日[1] - 2007年(平成19年)11月30日[1])は、日本声楽家ソプラノ)、オペラ歌手、音楽教育者

略歴

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大阪府大阪市出身。小学生の時に美声をかわれて教会の日曜学校で歌う[1]1939年(昭和14年)、東京音楽学校(現: 東京藝術大学)予科入学。木下保原信子に師事[2]。本科の同期には同じ声楽部の内田るり子[3]石井好子[4]畑中更予(米田更子)、前田幸市郎、器楽部の森正(指揮者)などがいた[5]1942年(昭和17年)に卒業と同時に藤原歌劇団に入り、同年11月にワーグナーのオペラ『ローエングリン』ヒロインのエルザでデビューを果たす。以来、同歌劇団で1000回余りの舞台を踏み、ワーグナー『タンホイザー』日本初演のエリーザベトなども務めた。二期会などでも活躍。

1945年(昭和20年)笹田と恋に落ちた織田作之助が、1946年(昭和21年)笹田の実家の笹田歯科医院に転がり込み正式に結婚。しかし、クリスチャンの家庭では無頼な執筆活動が果たせず、3月に飛び出してしまう。織田は1947年(昭和22年)1月 東京で喀血死する[6]

1957年(昭和32年)大阪に帰り、フリーで活躍。

音楽教育者としては、1965年(昭和40年)京都市立音楽短期大学教授、1969年(昭和44年)京都市立美術大学との合併により京都市立芸術大学教授(1970年(昭和45年)まで)。仁愛女子短期大学の音楽科主任教授[7]宝塚歌劇団などで講師を務めた。門下生に池田美也子[8]、後久義昭[9]、小坂井直美[10]、小村亮三[11]、鈴木操[12]、まやはるこ[13]などがいる。

1965年(昭和40年)子宮筋腫手術、1972年(昭和47年)子宮癌手術、1973年(昭和48年)左乳癌手術、1987年(昭和62年)右乳癌手術[14]。これらの手術を乗り越え、1989年(平成元年)フェスティバルホールで復活リサイタルを開いた。

元・日本演奏連盟会員[1]、二期会会員。

2007年(平成19年)11月30日、虚血性心疾患のため大阪府吹田市の病院で死去、86歳没。

主な舞台

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受賞歴

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  • 大阪文化祭賞 1964年(昭和39年)[1]
  • 大阪府民劇場賞 1989年(平成1年)[1] 笹田和子リサイタルによる[7]

著書

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ディスコグラフィー

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  • 独唱: 印度の歌 堀内敬三[作詞] R.コルザコフ[作曲] 奥山貞吉[編曲] 笹田和子(コロムビア(戦前)商品番号 100791 1943-11)[49]
  • 独唱: 夜の調べ 内藤水濯[作詞] グノー[作曲] 奥山貞吉[編曲] 笹田和子(コロムビア(戦前)商品番号 100791 1943-11)[49]
  • 斉唱: 技能讃歌 尾崎喜八[作詞] 弘田龍太郎[作曲] 伊藤武雄 笹田和子[声楽](コロムビア(戦前) 商品番号 32078 1944-02)[49]
  • 勝利の生産 国民徴用援護会制定 信時潔[作曲] 伊藤武雄 笹田和子[声楽](ニッチク 商品番号 100837)
  • CD8枚組 甦る! NHKラジオ歌謡(オムニバス)
  • CD ベートーヴェン交響曲第9番『合唱』フランツ・コンヴィチュニー(指揮) ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 笹田和子(Sp) 川崎静子(Alt) 布施隆治(Tn) 中山悌一(Bn) アサヒコーラス 【録音】1961年5月1日 日比谷公会堂 NHK収録(ステレオ・ライヴ)

脚注

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  1. ^ a b c d e f 明治~平成, 新撰 芸能人物事典. “笹田 和子とは”. コトバンク. 2021年7月19日閲覧。
  2. ^ 音楽年鑑 1970.
  3. ^ 明治~平成, 新撰 芸能人物事典. “石井 好子とは”. コトバンク. 2021年7月23日閲覧。
  4. ^ 155 ゆかりの人が語るプリマ 笹田和子 ② | くらこれ !”. 2021年7月23日閲覧。
  5. ^ 大蔵省印刷局 編「入学許可」『官報』日本マイクロ写真、1939年4月24日、1034頁。NDLJP:2960182https://dl.ndl.go.jp/pid/2960182/1/16 
  6. ^ 大阪文学振興会|関西文学散歩 カルチャーウォーキング”. 2021年7月20日閲覧。
  7. ^ a b c なにわ塾第65巻 ああ、わが歌、わが人生 笹田 和子(著/文) - ブレーンセンター”. 版元ドットコム. 2021年7月20日閲覧。
  8. ^ 歌曲を楽しむ | 大阪シティアカデミー | 大阪 JR吹田駅直結のカルチャーセンター”. oc-academy.com. 2021年7月20日閲覧。
  9. ^ 公演: ドイツの薫風に寄せて〜Ⅲ”. ムジークフェストなら2016公式サイト. 2021年7月20日閲覧。
  10. ^ 一般社団法人 中川法人会”. www.nakagawa-ho.or.jp. 2021年7月23日閲覧。
  11. ^ 神戸大学交響楽団 第22回定期演奏会”. 2021年7月23日閲覧。
  12. ^ erato-music (1538665200). “公演名: 鈴木 操ソプラノリサイタル”. コンサート情報. 2021年7月23日閲覧。
  13. ^ 4/16 19時から稲荷祭り。歌手まやはるこさんの歌の奉納もあります。”. 御幸森天神宮. 2021年7月24日閲覧。
  14. ^ a b 154 戦後日本のプリマドンナ 笹田和子① | くらこれ !”. 2021年7月19日閲覧。
  15. ^ リヒャルト・ワーグナー, 堀内敬三. “《ローエングリン》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  16. ^ 年譜 | 高柳二葉コレクション”. 高柳二葉コレクション | 君の名は (2016年3月31日). 2021年7月20日閲覧。
  17. ^ ルッジェーロ・レオンカヴァッロ, ピエトロ・マスカーニ. “《パリアッチ(道化師)》《カヴァレリア・ルスチカナ》”. opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  18. ^ a b ■AOF 大阪フィル公演記録データベース”. aof.moo.jp. 2021年7月23日閲覧。
  19. ^ リヒャルト・ワーグナー, 日比野秀吉. “《タンホイザー》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  20. ^ リヒャルト・ワーグナー. “《Tannhäuser》”. opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  21. ^ ジャコモ・プッチーニ, ルイージ・イッリカ. “《Madame Butterfly》”. opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  22. ^ ジャコモ・プッチーニ, ルイージ・イッリカ. “《蝶々夫人》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  23. ^ ピエトロ・マスカーニ, ジョヴァンニ・ヴェルガ. “《カヴァレリァ・ルスチカナ》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  24. ^ ジュゼッペ・ヴェルディ, アントニーオ・ギズランツォーニ. “《アイーダ》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  25. ^ ジャコモ・プッチーニ, ルイージ・イッリカ. “《お蝶夫人》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  26. ^ アンブロワーズ・トマ, ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ. “《ミニヨン》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  27. ^ ジュゼッペ・ヴェルディ, アントニーオ・ギズランツォーニ. “《アイーダ》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  28. ^ ジャコモ・プッチーニ, ルイージ・イッリカ. “《お蝶夫人》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  29. ^ ジャコモ・プッチーニ, ルイージ・イッリカ. “《お蝶夫人》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  30. ^ ジャコモ・プッチーニ, ルイージ・イッリカ. “《蝶々夫人》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  31. ^ ジュゼッペ・ヴェルディ, アントニーオ・ギズランツォーニ. “《アイーダ》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  32. ^ リヒャルト・ワーグナー, 日比野秀吉. “《タンホイザー》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  33. ^ ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト, ロレンツォ・ダ・ポンテ. “《ドン・ジョヴァンニ》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  34. ^ ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト, ピエール=オーギュスタン・ボーマルシェ. “《フィガロの結婚》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  35. ^ ジュゼッペ・ヴェルディ, ウィリアム・シェイクスピア. “《オテロ》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  36. ^ ジャコモ・プッチーニ, アンリ・ミュルジェール. “《ラ・ボエーム》”. opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  37. ^ 清水脩, 岡本綺堂. “《修禅寺物語》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  38. ^ ジュゼッペ・ヴェルディ, アントニーオ・ギズランツォーニ. “《アイーダ》”. opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  39. ^ ベドジフ・スメタナ, カレル・サビナ. “《売られた花嫁》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  40. ^ ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト, ピエール=オーギュスタン・ボーマルシェ. “《フィガロの結婚》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  41. ^ ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト, ピエール=オーギュスタン・ボーマルシェ. “《フィガロの結婚》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  42. ^ ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト, クリストフ・フリードリヒ・ブレッツナー. “《後宮よりの逃走》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  43. ^ ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト, ピエール=オーギュスタン・ボーマルシェ. “《フィガロの結婚》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  44. ^ #大阪テレビ放送 『開局記念コンサート中継』|デーブ川崎(川崎隆章)|note”. note(ノート). 2021年7月23日閲覧。
  45. ^ カール・マリア・フォン・ウェーバー, ヨハン・フリードリヒ・アーペル. “《魔弾の射手》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  46. ^ 第九交響曲“歓喜の夕べ””. 富山県合唱連盟. 2021年7月20日閲覧。
  47. ^ ヨハン・シュトラウスII世, アンリ・メイヤック. “《こうもり》” (Japanese). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  48. ^ 黛敏郎, 三島由紀夫. “《金閣寺》” (German). opera.tosei-showa-music.ac.jp. 2021年7月24日閲覧。
  49. ^ a b c 歴史的音源 - 検索結果”. rekion.dl.ndl.go.jp. 2021年7月24日閲覧。

参考文献

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関連文献

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