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筋磁図

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

筋磁図 (MMG)(きんじず、: Magnetomyography)は、筋肉の電気的な活動によって生じる生体磁気

概要

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生体磁気の一種で筋肉が動く時に体内に微弱な電流が流れ、磁場が生じるのでそれを超伝導量子干渉計 (SQUID)のような高感度の磁力計を用いて計測する[1]

従来は極低温で作動するSQUIDを使用していたが、近年ではSQUIDよりも高感度(〜0.01 fT/Hz1/2)で常温で作動する光ポンピング磁力計への期待が高まる[2]

筋肉の機能の研究等に使用される[3]

また、心筋の活動によって生じる磁場を検出する心磁図眼球の動きによって生じる磁場を検出する眼磁図も筋磁図の一種といえる。

特徴

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  • 機能的情報が得られる
  • 無侵襲計測
  • 電源局在推定が数mmの精度
  • 電位による測定が困難な体内の深部からの信号が検出できる

用途

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  • 診断
  • 研究

脚注

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  1. ^ 増田正、「筋電位信号の可視化』 『可視化情報学会誌』 1997年 17巻 65号 p.91-95_1, doi:10.3154/jvs.17.91, 可視化情報学会
  2. ^ 超高感度光ポンピング原子磁気センサの開発と医用イメージング
  3. ^ 増田正、「筋電図による筋肉の機能と構造の推定 (< 特集> 先端人間計測技術)」 『バイオメカニズム学会誌』 1991年 15巻 3号 p.132-141, doi:10.3951/sobim.15.132, バイオメカニズム学会

参考文献

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  • 『生体情報の可視化技術』コロナ社、1997年6月、155-184頁。ISBN 9784339070699 
  • 小谷誠「生体磁気計測」『計測と制御』第27巻第3号、計測自動制御学会、1988年、205-211頁、doi:10.11499/sicejl1962.27.205 
  • 上野照剛「生体と磁気」『BME』第2巻第10号、日本生体医工学会、1988年、643-650頁、doi:10.11239/jsmbe1987.2.643 
  • 石川登、賀戸久「SQUID を用いた生体磁場計測」『応用物理』第60巻第6号、応用物理学会、1988年、591-595頁、doi:10.11470/oubutsu1932.60.591 
  • 中川恭一、「人体と磁気」 『日本温泉気候物理医学会雑誌』 1990年 54巻 1号 p.13-16, doi:10.11390/onki1962.54.13, 日本温泉気候物理医学会
  • 岡井治. "磁場を利用した無拘束生体情報の計測." 電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集 1995 (1995): 283-284.
  • 増田正, 遠藤博史, 武田常広、「筋磁図による筋機能の解析」 『バイオメカニズム』 2000年 15巻 p.63-73, doi:10.3951/biomechanisms.15.63, バイオメカニズム学会
  • 小林哲生、「生体磁気計測に向けて」 『磁気学会誌』 2016年 136巻 1号 p.8-9, doi:10.1541/ieejjournal.136.8, 電気学会

関連項目

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外部リンク

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