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アメリカ国立衛生研究所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
米国国立衛生研究所から転送)
ロゴ(2012年~)
NIH臨床センター第10ビル(ベセスダ
正式名称 National Institutes of Health
略称 NIH
組織形態 連邦機関
事務局所在地 アメリカ合衆国
メリーランド州 ベセスダ
北緯39度0分2秒 西経77度6分9秒 / 北緯39.00056度 西経77.10250度 / 39.00056; -77.10250座標: 北緯39度0分2秒 西経77度6分9秒 / 北緯39.00056度 西経77.10250度 / 39.00056; -77.10250
予算 450億ドル(2022年)
所長 ローレンス・A・タバック(代行)
活動領域 医学生物学生理学
設立年月日 1887年
前身 ニューヨーク海兵隊病院 (Marine Hospital) 衛生研究室
所管 アメリカ公衆衛生局
下位組織 合計27の各研究所・センター(本文参照)
ウェブサイト http://www.nih.gov/
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アメリカ国立衛生研究所(アメリカこくりつえいせいけんきゅうじょ、英: National Institutes of Health、略称: NIH[1])は、アメリカ合衆国保健福祉省公衆衛生局の下にあり、1887年に設立された合衆国で最も古い医学研究の拠点機関。本部はメリーランド州ベセスダに置かれている。Institutesと複数形であるように、国立癌研究所国立心肺血液研究所英語版国立老化研究所国立小児保健発達研究所英語版国立精神衛生研究所英語版国立環境衛生科学研究所英語版国立アレルギー・感染症研究所など、それぞれの専門分野を扱う研究所と、医学図書館などの研究所以外の組織、合わせて全部で27の施設と所長事務局によって構成されている。1万8000人以上のスタッフのうち6000人以上が科学者(医師、生命科学研究者)である。

歴史

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1870年代、移民増加により様々な伝染病がもたらされていた。1887年ニューヨーク州スターテン島の病院に作られた衛生研究室で、コレラ菌を分離したのが始まりである。以後、ありふれた風邪から、稀な遺伝病など、様々な病気・障害の原因・診断法・治療法・予防法を研究する。また、その知識を普及させることで、人類の健康状態を改善させる。ノーベル賞受賞者は100人を超える。

自前で研究するだけでなく、世界中の研究機関に対する助成もする。年間の予算額は250億米ドルから300億米ドルで、その8割以上が2,800余りの大学と研究機関、5万人以上の研究者に、助成金や奨学金として配分されている。ヒトゲノム計画の解読結果にもとづいて癌やパーキンソン病、アルツハイマー病の診断や治療法の確立をすすめるほか、2001年に合衆国が炭疽菌攻撃を受けてからはバイオテロの予防も行う。

2020年には、国立アレルギー・感染症研究所(後述)を通じて2019新型コロナウイルスワクチンの研究開発にも関与している[2]

組織

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アメリカ国立衛生研究所第50ビル

NIHには1937年に国立癌研究所を設立して以来、多数の研究所を新設・あるいは外部の研究所を合併するなどして組織を拡大し、今では事務局(OD; Office of Director)以下、20の研究所と7つのセンターが存在する。2000年、国立画像生物医学・生物工学研究所を設立する。

研究所

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  • 国立癌研究所 (NCI; National Cancer Institute)
  • 国立眼病研究所 (NEI; National Eye Institute)
  • 国立心肺血液研究所 (NHLBI; National Heart, Lung, and Blood Institute)
  • 国立ヒトゲノム研究所 (NHGRI; National Human Genome Research Institute)
  • 国立老化研究所 (NIA; National Institute on Aging)
  • 国立アルコール乱用・依存症研究所 (NIAAA; National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism)
  • 国立アレルギー・感染症研究所 (NIAID; National Institute of Allergy and Infectious Diseases)
  • 国立関節炎、骨格筋、皮膚疾患研究所 (NIAMS; National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases)
  • 国立画像生物医学・生物工学研究所 (NIBIB; National Institute of Biomedical Imaging and Bioengineering)
  • 国立小児保健発達研究所 (NICHD; National Institute of Child Health and Human Development)
  • 国立聴覚・伝達障害研究所 (NIDCD; National Institute on Deafness and Other Communication Disorders)
  • 国立歯科・頭蓋顔面研究所 (NIDCR; National Institute of Dental and Craniofacial Research)
  • 国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所 (NIDDK; National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases)
  • 国立薬物乱用研究所 (NIDA; National Institute on Drug Abuse)
  • 国立環境衛生科学研究所 (NIEHS; National Institute of Environmental Health Sciences)
  • 国立一般医科学研究所 (NIGMS; National Institute of General Medical Sciences)
  • 国立精神衛生研究所 (NIMH; National Institute of Mental Health)
  • 国立マイノリティ健康格差研究所(NIMHD; National Institute of Minority Health and Health Disparities)
  • 国立神経疾患・脳卒中研究所 (NINDS; National Institute of Neurological Disorders and Stroke)
  • 国立看護研究所 (NINR; National Institute of Nursing Research)
  • 国立医学図書館 (NLM; National Library of Medicine)

センター

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  • 情報技術センター (CIT; Center for Information Technology)
  • 科学審査センター (CSR; Center for Scientific Review)
  • フォガーティ国際衛生科学先端研究センター (FIC; John E. Fogarty International Center for Advanced Study in the Health Sciences)
  • 国立補完代替医療センター (NCCAM; National Center for Complementary and Alternative Medicine)
  • 国立研究資源センター (NCRR; National Center for Research Resources)
  • 国立衛生研究所・臨床センター (CC; NIH Clinical Center)

脚注

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出典

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  1. ^ バイデン氏、オミクロン株で「都市封鎖せず」 景気に配慮”. 産経ニュース (2021年12月3日). 2021年12月3日閲覧。
  2. ^ 米NIH、新型コロナのワクチン治験開始”. 日本経済新聞 (2020年3月17日). 2020年4月18日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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