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終着駅 (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
終着駅
Stazione Termini
Terminal Station
Indiscretion of an American Wife
モンゴメリー・クリフト(左)とヴィットリオ・デ・シーカ
監督 ヴィットリオ・デ・シーカ
脚本 チェーザレ・ザヴァッティーニ
ルイジ・キアリーニ
ジョルジオ・プロスペリ
ベン・ヘクト(タイトル)[1]
トルーマン・カポーティ(英語の台詞)
原案 チェーザレ・ザヴァッティーニ
製作 ヴィットリオ・デ・シーカ
製作総指揮 デヴィッド・O・セルズニック[1]
出演者 ジェニファー・ジョーンズ
モンゴメリー・クリフト
リチャード・ベイマー
音楽 アレッサンドロ・チコニーニ
撮影 G・R・アルド
編集 ジーン・ベイカー
エラルド・デ・ロマ
製作会社 コロンビア ピクチャーズ
Produzioni De Sica
セルズニック・スタジオ
配給 アメリカ合衆国の旗 コロンビア映画
日本の旗 松竹洋画部
公開 イタリアの旗 1953年4月2日
アメリカ合衆国の旗 1954年5月10日
日本の旗 1953年9月15日
上映時間 89分
製作国 イタリアの旗 イタリア
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
イタリア語
フランス語
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終着駅』(しゅうちゃくえき、原題:Stazione Termini、英題:Terminal Station)は、1953年に製作されたイタリアアメリカの合作映画で、ハリウッドの映画プロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックが映画『逢びき』に匹敵するメロドラマを作ろうと、イタリアネオレアリズモ」の巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督を招いて作りあげた恋愛映画の名作。日本でも大ヒットした。キネマ旬報ベストテン第5位。

日本で初公開される前は、題名と同じ意味を表す言葉は「終点」ぐらいしかなかったが、この映画の邦題から「終着駅」という新しい言葉が生まれた[要出典]。そして、今ではこの映画の題名のみならず、日常でも使われている。このような、外国映画の邦題から日常語になった同じ例として、戦前のフランス映画『巴里祭』がある(「パリ祭」参照)。イタリア語での原題は物語の舞台となったローマ・テルミニ駅(イタリアのターミナル駅の一つ)。ジェニファー・ジョーンズの衣裳デザインはクリスチャン・ディオールが担当した。

編集段階でデ・シーカとセルズニックのあいだで創作上の深刻な対立が生じ、その結果、89分のイタリア版と72分のアメリカ版の、ふたつのバージョンが流通することとなった[2]。アメリカ版には「Indiscretion of an American Wife」という別タイトルが与えられた。 このときの苦い経験から、デ・シーカは二度とハリウッドのプロデューサーと仕事をすることはなかった。

那智わたると市川染五郎(現・二代目松本白鸚)、佐久間良子役所広司で舞台化もされている。

ストーリー

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米国人の若い人妻メアリー・フォーブスは、断ち切りがたい想いを残してローマの中央駅にやって来た。彼女は妹の家に身を寄せて、数日間ローマ見物をしたのだが、その間に1人の青年と知り合い、烈しく愛し合うようになってしまった。青年はジョヴァンニ・ドナーティという米伊混血の英語教師で、彼の激しい情熱に、メアリーは米国に残してきた夫や娘のことを忘れてしまうほどだったが、やはり帰国する以外になすすべもなかった。妹に電話で荷物を持って来るよう頼み、午後7時に出発するミラノ行の列車にメアリーは席をとった。発車数分前、ジョヴァンニが駆けつけた。彼はメアリーの妹から出発のことを聞いたのだ。彼の熱心なひきとめにあって、メアリーの心は動揺した。彼女はその汽車をやりすごし、ジョヴァンニと駅のレストランへ行った。ジョヴァンニの一途な説得に、メアリーは彼のアパートへ行くことを承知したかに見えたが、丁度出会った彼女の甥のポール少年にことよせて、彼女は身をかわした。ジョヴァンニはメアリーを殴りつけて立ち去った。メァリーとポールは3等待合室に入って、次の8時半発パリ行を待つことにした。そこでメァリーは妊娠の衰弱で苦しんでいる婦人の世話をし、心の落ち着きを取り戻した。ジョヴァンニは強く後悔して、メアリーを求めて駅の中を歩きまわった。プラットホームの端に、ポールを帰して1人たたずむメァリーの姿があった。彼は夢中になって線路を横切り、彼女のそばに駆け寄ろうとした。そのとき列車が轟然と入ってきた。一瞬早くジョヴァンニは汽車の前をよぎり、メアリーを抱きしめた。2人は駅のはずれに1台切り離されている暗い客車の中に入っていった。しばらく2人だけの世界に入って別れを惜しむのも束の間、2人は公安委員に発見され、風紀上の現行犯として駅の警察に連行された。8時半の発車時刻も間近かに迫り、署長の好意ある計らいで2人は釈放された。いまこそメアリーは帰国の決意を固めて列車に乗った。ジョヴァンニは車上で彼女との別れを惜しむあまり、動き出してから飛び降りホームの上に叩きつけられた。列車は闇の中に走り去っていった。

キャスト

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日本語吹替

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役名 俳優 日本語吹替
NETテレビ 日本テレビ テレビ東京
メアリー・フォーブス ジェニファー・ジョーンズ 里見京子 公卿敬子 二階堂有希子
ジョヴァンニ・ドリア モンゴメリー・クリフト 山内雅人 岸田森 有川博
ポール リチャード・ベイマー 沢井正延 塩屋翼 中沢佳二
  • NETテレビ版:初回放映1969年11月29日21:00-22:26 『土曜映画劇場
  • 日本テレビ版:初回放送1974年10月30日21:00-22:55 『水曜ロードショー
  • テレビ東京版:初回放送1983年1月3日23:00-24:51 『淀川長治が選んだ世界名画10時間劇場』

参考文献

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  1. ^ a b クレジットなし。Stazione Termini (1953) - Full cast and crew” (英語). IMDb. 2013年3月27日閲覧。
  2. ^ https://www.youtube.com/watch?v=t1FR_SEOm9U

外部リンク

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