経絡治療学会
経絡治療学会(けいらくちりょうがっかい、英: Traditional Japanese Medicine)とは、鍼灸師・柳谷素霊、井上恵理、岡部素道、岡田明祐、近喰原民、西沢生恵、合馬仁、小椋章道、末岡孝、戸部宗七郎、中島無得、吉森三樹、谷田部康之、世話人・竹山晋一郎、町田昌彦らが設立した弥生会(1939年~1940年)を前身とし、東邦医学会(1941年設立)を経て、誕生した。
概要
[編集]主に経絡治療を重視した鍼灸を研究対象とする。東洋医学に伝わる脈診や腹診、舌診などの診察方法を重視してほどこす[1]。創設当初から学術論文など幅広い書籍の発行を行ってきた。
毎年8月、経絡治療の向上を図るため夏期大学を開いて、2008年時点で50年目を迎えた。生の脈診や経絡治療が学べる。鍼灸師のみならず、鍼灸大学・専門学校の学生も参加できる。多くの20~30代の鍼灸師、鍼灸大学・専門学校の学生が占める。
修了証
[編集]はり師・きゅう師の免許保持者は夏期大学の課程を修了すると、東洋療法研修試験財団から修了証が授与される。
レベルによって普通科(新規および再受講希望者)、高等科(普通科修了者)、研究科(高等科修了者)、研修科(研究科修了者)に分かれている。
総会
[編集]年次総会「経絡治療学会学術大会」を開き、報告を行う。第34回は広島に会場を設け、会期は2019年3月23日–同24日である[2]。
主な出版物
[編集]- 岡部素明、岡田明三、首藤傳明、池田政一、相澤 良、樋口秀吉 『日本鍼灸医学 経絡治療・基礎編』(改訂者)大上勝行、山本文弘、菊池達矢、馬場道啓、大木健二、中根 一、戸田隆史、船水隆広、橋本 厳、阿江邦公。増補改訂版、2008年、NCID BA75947000。非売品[3]。
- 『日本鍼灸医学 経絡治療・臨床編』[4]
- 遠藤了一『難経入門』
- CD-ROM版『東洋鍼灸医学 経絡治療』機関誌1-160号の合巻[5]。
学会誌
[編集]1965年(昭和40年)4月1日創刊の学会誌『経絡治療』を年4回刊行し会員に配る。2023年1月時点で第228号(2月号)を数え続刊。
2005年(平成17年)2月15日に初号から第160号までCD-ROMにまとめた。
- 『経絡治療』経絡治療学会 編纂、発行2001年。CRID 1570572699317668736。
学術論文
[編集]2022年時点の学会誌『経絡治療』の掲載論文から一部を最近の順に挙げる。
- 第230号
- 橋本厳「経絡病証の視点」第230号、2022年。
- 第229号
- 岡田明三「視野の広い経絡治療」第229号、2022年。
- 第228号
- 金子宗明「私の経絡治療~効く鍼を追及して~」第228号、2022年2月。
- 橋本厳「経絡病証の視点」第228号、2022年。
- 水上祥典、木戸正雄、光澤弘、武藤厚子、東垣貴宏、信國真理子、吉田俊和、梅津由紀 ほか「23)脈状の検証 §2)「緊脈」」第228号、2022年。。執筆者はほかに古明地紗由美、大窪康之、湯川泉、川村真弓、山口元気。
- 岡田明三「裾野の広い経絡治療」第228号、2022年。
- 帯津良一「がん治療60年の経験から得たこれからの医療と医学」第228号、2022年。
- 第225号
- 菊池達矢「アレルギー総論及び蕁麻疹の治療」第225号、2021年。
学会賞
[編集]夏期大学の通算受講回数に応じ、5年表彰、10年表彰の対象とする。閉会式で賞状及び記念品の授与式をとり行う。
脚注
[編集]出典
[編集]関連資料
[編集]発行年順。
- 日本古医学資料センター 監修『鍼灸医学典籍大系』(1978年、出版科学総合研究所)
- 『3巻 §黄帝内経素問2』
- 『4巻 §黄帝内経素問3』
- 巣 元方『校釈 諸病源候論』(1989年、緑書房)
- 桑原 浩榮; Kuwahara, T. Koei; Margulies, Joshua. (2003) Traditional Japanese Acupuncture: Fundamentals of Meridian Therapy. アメリカ合衆国: Complementary Medicine Press, 2003. ペーパーバック版、ISBN 9780967303444, 0967303443。 。