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美濃派

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

美濃派(みのは)は俳諧流派の一つ。松尾芭蕉門下の各務支考に始まる一派。支考の庵号獅子庵から獅子門を自称した[1]

概要

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美濃は支考の出身地であり、晩年の拠点であった[1]。支考は行脚による地方俳壇開拓と門弟獲得を目指し、加越能・中国地方に門戸を拡大し、「虚実」「俗談平話を正す」を理念として、俳書俳論の刊行や芭蕉追善会の主催によって蕉門をアピールして一大勢力となった[1]。中興期には「田舎蕉門」「支麦の徒」と誹謗されたが[1]、その系譜は21世紀に至っても継承されている。

 美濃派は、「獅子門」として継承されている。獅子門の祖師は彼の松尾芭蕉、始祖は蕉門十哲の高弟の一人、各務支考(かかみ しこう)である。芭蕉直系の結社であり、その歴史は350年以上とされ、日本一、すなわち世界一古い結社とされる。

    「獅子門」の名称は、支考の別号である「獅子老人」に由来している。支考は、全国行脚をしつつも本拠は美濃地方においており、また歴代の道統宗匠には美濃在住者が多いため、「美濃派」とも呼ばれることとなった。

 現在の「獅子門」の活動については、ホームページを参照されたい(獅子門 (https://shishimon-web8.webnode.jp))。

系譜

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系譜は獅子門美濃派資料館の系譜に拠る[2]

以哉派

  • 5世  安田以哉派
  • 6世  大野是什坊
  • 7世  野村白寿坊
  • 8世  岡崎風廬坊
  • 9世  山本友左坊
  • 10世 浅野逸歩仙
  • 11世 青木奚花坊
  • 12世 石原士游
  • 13世 高木巒化
  • 14世 桑原右麦
  • 15世 国井化月坊
  • 16世 大谷文寿坊 
  • 17世 棚橋碌々翁
  • 18世 田中専雅
  • 19世 大野夢外仙
  • 20世 清水一瓢
  • 21世 西松吟風
  • 22世 安藤迂言
  • 23世 川合文化 
  • 24世 三浦雲居
  • 25世 熊谷夜城 
  • 26世 国枝静也
  • 27世 長屋其馨
  • 28世 森桂園
  • 29世 山田三秋 
  • 30世 南谷翠濤 
  • 31世 恩田憲和 
  • 32世 高橋清斗 
  • 33世 足立吾柳 
  • 34世 武藤景行 
  • 35世 益井一鴎 
  • 36世 河井一白

再和派

  • 5世  河村再和坊 
  • 6世  佐々木森々庵
  • 7世  多賀雨岡庵 
  • 8世  渡辺一楽庵
  • 9世  多賀徐風庵
  • 10世 田中五竹庵
  • 11世 高橋遅楽庵
  • 12世 市橋梔庵
  • 13世 国枝廬松庵
  • 14世 戸倉耕月庵
  • 15世 長沼麦庵
  • 16世 神野曙庵
  • 17世 塩谷千秋庵 
  • 18世 錦見古今庵 
  • 19世 石田一味庵
  • 20世 千葉汀庵
  • 21世 野田徐庵
  • 22世 高橋杜鵑庵
  • 23世 高橋旭庵 
  • 24世 田中盤古庵 
  • 25世 丹羽玄々庵 

1973年 両派合同

  • 37世 各務於菟
  • 38世 澤田廬月
  • 39世 國島十雨
  • 40世 伊藤百雲
  • 41世 大野鵠士(2023年現在)

脚注

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  1. ^ a b c d 岡本勝雲英末雄『新版近世文学研究事典』おうふう、2006年2月、295頁。 
  2. ^ 長良川画廊 獅子門美濃派俳句資料館 美濃派の系譜”. www.nagaragawagarou.com. 2020年6月19日閲覧。