聖心女子大学
聖心女子大学 | |
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マリアンホール(2008年12月) | |
大学設置 | 1948年 |
創立 | 1916年 |
学校種別 | 私立 |
設置者 | 学校法人聖心女子学院 |
本部所在地 |
東京都渋谷区広尾四丁目3-1 北緯35度39分4.8秒 東経139度43分11.9秒 / 北緯35.651333度 東経139.719972度座標: 北緯35度39分4.8秒 東経139度43分11.9秒 / 北緯35.651333度 東経139.719972度 |
学部 | 現代教養学部 |
研究科 | 文学研究科 |
ウェブサイト | https://www.u-sacred-heart.ac.jp/ |
聖心女子大学(せいしんじょしだいがく,英語: University of the Sacred Heart, Tokyo)は東京都渋谷区広尾四丁目3番1号に本部を置く日本の私立大学。1916年創立、1948年大学設置。
概要
[編集]開校は1916年(大正5年)である。私立聖心女子学院高等専門学校を前身とし、1948年(昭和23年)、新学制により聖心女子大学として発足した。日本最初の女子大学の一つで、初代学長はエリザベス・ブリッドである。
1800年にフランスで設立された女子修道会「聖心会」を母体とし、世界42カ国に170校の姉妹校を持つ。現在の聖心会総本部はイタリア・ローマにある。広尾の大学構内には聖心会日本管区本部のほか、付属研究機関としてキリスト教文化研究所、カトリック女子教育研究所が設置されている。
年表
[編集]- 1908年(明治41年)- 聖心会オーストラリア管区から4人のシスターが横浜に上陸(1月1日)。非公式に語学校を開設(4月13日)。財団法人私立聖心女子学院設立認可(6月1日)[1]。
- 1910年(明治43年)- 日本人子弟を対象とする高等女学校・小学校を開校[2]
- 1915年(大正 4年)- 私立聖心女子学院高等専門学校設置認可[3]。
- 1916年(大正 5年)- 私立聖心女子学院高等専門学校を開校[4]。予科2年、本科3年の英文科を設置。最初の入学者は4名[5]。
- 1923年(大正12年)- 関東大震災でヤン・レッツェル設計の校舎が倒壊(1928年再建)。
- 1930年(昭和 5年)- 国文科を設置。
- 1937年(昭和12年)- 歴史科を設置。
- 1944年(昭和19年)- 私立聖心女子学院高等専門学校を聖心女子学院専門学校と改称[6]。
- 1945年(昭和20年)- 東京大空襲により再び校舎を焼失。
- 1948年(昭和23年)- 聖心女子大学開学。文学部(外国語外国文学科、国語国文学科、歴史社会学科、哲学科)設置。
- 1949年(昭和24年)- 兵庫県宝塚市に小林分校(一般教育2年課程)を設置。
- 1950年(昭和25年)- 旧制聖心女子学院専門学校閉校[7]。
- 1951年(昭和26年)- 文学部教育学科設置。
- 1952年(昭和27年)- 大学院文学研究科(英文学専攻、国文学専攻、史学専攻)修士課程設置。
- 1957年(昭和32年)- 教育学科に心理学専攻と初等教育学専攻を設置。カトリック文化研究所を開設。
- 1966年(昭和41年)- 小林分校を廃止、東京本校に統合。
- 1971年(昭和46年)- カトリック文化研究所をキリスト教文化研究所へ改称。
- 1972年(昭和47年)- 歴史社会学科に人間関係専攻を増設。
- 1974年(昭和49年)- 校歌を制定(團伊玖磨作曲)[8]。
- 1993年(平成 5年)- 歴史社会学科に国際交流専攻を増設。
- 1995年(平成 7年)- 大学院文学研究科の国文学専攻を日本文学専攻へ改称。大学院文学研究科修士課程に人間科学専攻を設置。
- 1997年(平成 9年)- 大学院文学研究科に人間科学専攻博士後期課程を設置。人間科学専攻修士課程を博士前期課程へ改称。
- 1999年(平成11年)- 大学院文学研究科修士課程に哲学専攻を設置。
- 2000年(平成12年)- 心理教育相談所を設置。
- 2001年(平成13年)- 大学院文学研究科に人文学専攻博士後期課程を設置。
- 2004年(平成16年)- 大学院文学研究科修士課程に社会文化学専攻を設置。大学院文学研究科の英文学専攻を英語英米学専攻へ、日本文学専攻を日本語日本文学専攻へ改称。
- 2006年(平成18年)- 大学院文学研究科博士後期課程に社会文化学専攻を設置。社会文化学専攻修士課程を博士前期課程へ改称。
- 2007年(平成19年)- 外国語外国文学科を英語英文学科へ改称。
- 2014年(平成26年)- 史学科、人間関係学科、国際交流学科、心理学科を設置。
- 2017年(平成29年)- 4号館(聖心グローバルプラザ)を開設。館内にグローバル共生研究所を設置。旧久邇宮邸が国の重要文化財に指定される。学寮「もみじ寮」竣工。
- 2018年(平成30年)- 学寮「さくら寮」、中央棟竣工。
- 2019年(平成31年)- 文学部を現代教養学部に改称。英語英文学科を英語文化コミュニケーション学科に改称、国際交流学科にグローバル社会コースと異文化コミュニケーションコースを設定。
基礎データ
[編集]所在地
[編集]象徴
[編集]- キリストと聖母マリアの聖心(みこころ)を表す2つのハートを百合の花が囲み、さらに「UNIVERSITAS TOKIENSIS A SACRO CORDE」のラテン語の文字が四囲を囲むデザインとなっている[8]。
- 「UBI CARITAS, IBI DEUS」[8]
- 入学式や卒業式などの大学行事では着用が義務付けられている[9]。
組織
[編集]学部
[編集]- 現代教養学部
- 英語文化コミュニケーション学科
- 日本語日本文学科
- 史学科
- 人間関係学科
- 国際交流学科
- 哲学科
- 教育学科
- 教育学専攻
- 初等教育学専攻
- 心理学科
大学院
[編集]- 文学研究科
- 英語英文学専攻(修士課程)
- 日本語日本文学専攻(修士課程)
- 史学専攻(修士課程)
- 社会文化学専攻(博士前期課程・博士後期課程)
- 哲学専攻(修士課程)
- 人文学専攻(博士後期課程)
- 人間科学専攻(博士前期課程・博士後期課程)
附属機関
[編集]- カトリック女子教育研究所(法人本部の附属機関)
- グローバル共生研究所
- キリスト教文化研究所
- 心理教育相談所ひまわり
- マーガレットルーム(子育て支援室)
大学関係者と組織
[編集]大学関係者一覧
[編集]学内施設
[編集]聖心女子大学のキャンパスはもとの久邇宮邸であり[10]、香淳皇后が幼少を過ごした地、結婚の折にはこの地から宮中に向かった[11]。正門とパレスと呼ばれる伝統的日本家屋は、当時のものがそのまま修復保存されている。上皇后美智子の出身大学でもある[12]。
江戸時代には、幕末の安政の五カ国条約締結時など重要な時期に、幕府の老中首座を務めた下総国佐倉藩主、堀田正睦を出した堀田家の下屋敷だった。日本赤十字医療センター、日本赤十字看護大学、広尾ガーデンヒルズの敷地に跨っていた[10]、今でも西麻布方面からの上り坂を堀田坂と称するなど、名残がある[10]。
- パレス - 皇族の旧久邇宮邸の御常御殿として1924年(大正13年)に建設された。森山松之助設計。1947年(昭和22年)購入[10]。2017年、国の重要文化財に指定された[11]。
- マリアンホール - 1954年(昭和29年)竣工。竹腰健造設計。会議室や応接室、講堂を備えている[13][14]。
- 聖堂 - 1959年(昭和34年)に献堂された。
- 図書館 - 1975年(昭和50年)竣工。約44万冊の蔵書を有する[13]。
課外活動
[編集]委員会(学生会役員会および聖心祭実行委員会)、文化系・体育系・公演系の各クラブ、同好会・愛好会、マグダレナ・ソフィアセンターとの協働によるカトリック・ボランティア系のサークルがある[15]。
対外関係
[編集]他大学との協定
[編集]- 渋谷4大学連携単位互換制度[16]
- 交流学生制度[16]
- 交換・推薦留学協定校[17]
- フランス国立東洋言語文化大学(フランス)
- リヨン・カトリック大学(フランス)
- パリ・カトリック大学(フランス)
- ヴュルツブルク大学(フランス)
- ローハンプトン大学(イギリス)
- リーズ・トリニティ大学(イギリス)
- ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学(イタリア)
- サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学(スペイン)
- シアトル大学(アメリカ)
- マンハッタンビル大学(アメリカ)
- サンフランシスコ大学(アメリカ)
- カリフォルニア大学デイビス校(アメリカ)
- ハワイ大学カピオラニ・コミュニティ・カレッジ(ハワイ)
- モントリオール大学(カナダ)
- ラバル大学(カナダ)
- オーストラリア・カトリック大学(オーストラリア)
- 韓国カトリック大学(韓国)
- ソウル女子大学(韓国)
- 輔仁大学(台湾)
- 文藻外語大学(台湾)
脚注
[編集]- ^ 『聖心女子学院創立五十年史』 473-474頁
- ^ 『官報 1910年2月7日』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ 『官報 1915年3月11日』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ “沿革”. 聖心女子大学. 2023年2月23日閲覧。
- ^ 『聖心女子学院創立五十年史』 42-43頁
- ^ 『官報 1944年3月9日』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
- ^ 『聖心女子学院創立五十年史』 172-173頁
- ^ a b c d 校章・校歌・感ずべき御母 | 聖心女子大学 2024年3月3日閲覧。
- ^ 新入学生の皆さんへ | 聖心女子大学 2024年3月4日閲覧。
- ^ a b c d “キャンパス・施設紹介”. 聖心女子大学. 2019年1月13日閲覧。
- ^ a b “旧久邇宮邸御常御殿パンフレット_表面_文字イキ” (PDF). 聖心女子大学. 2022年6月4日閲覧。
- ^ 「聖心同級生が語る美智子さまのクラス会でのご様子「本当に疲れているんだな」」『週刊女性PRIME』主婦と生活社、2016年8月3日。2019年1月13日閲覧。
- ^ a b キャンパス・施設紹介 | 聖心女子大学 2024年3月3日閲覧。
- ^ 聖心女子大学 マリアンホール 講堂(リニューアル)|コトブキシーティング株式会社 2024年3月3日閲覧。
- ^ 課外活動 _ 聖心女子大学 2024年3月14日閲覧。
- ^ a b 単位互換制度 | 学部 | 聖心女子大 2024年3月4日閲覧。
- ^ 長期留学制度 | 学部 | 聖心女子大学 2024年3月14日閲覧。
参考文献
[編集]- 聖心女子学院 『聖心女子学院創立五十年史』 1958年