華京院レイ
華京院 レイ (かきょういん れい) | |
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生誕 | 日本・東京都[1] |
職業 | 漫画家[2][3] |
ジャンル | 女性漫画[4]、エッセイ漫画[5] |
代表作 | 「精子バンクで出産しました!アセクシュアルな私、選択的シングルマザーになる」、「女だけど女装してキャバ嬢してみた!」[6][7] |
公式サイト | https://ameblo.jp/kaki-rei |
華京院 レイ(かきょういん レイ)は日本の漫画家、トランスジェンダー。出生時の性別は女性だったが、女性であることや恋愛感情に違和感を感じ、現在は男性寄りXジェンダーかつ無性愛者を自認。アメリカの精子バンクを利用して妊娠、出産。性同一性障害として男性ホルモンを服用しキャバクラに従事した体験談を、漫画作品「女だけど女装してキャバ嬢してみた!」に記した。 2023年1月に漫画作品「精子バンクで出産しました!アセクシュアルな私、選択的シングルマザーになる」にて、精子バンクでの出産について詳しく記した。
来歴・人物
[編集]東京都に女性として生まれる[1]。クラシックバレエやピアノを習わされたり女の子らしい服を着させられたりしていたが、ままごとをしない虫取りが好きな少女であったという[2][7]。思春期になって自分が女性的でないことや恋愛感情がないことに違和感を感じるようになり、20歳の時に父親が倒れた際に改めて自分の性自認に疑問を持つようになる[2]。男性寄りのXジェンダーであるという認識に至るとともに、無性愛(アセクシャル)であることも自覚する[2][3][8]。
性同一性障害の認定を受け[1]、男性ホルモンを接種するようになる[6]。この頃キャバ嬢として働いており、男女の境目で見た世界を漫画化[7]。2014年、竹書房の月刊誌『本当にあった愉快な話』の5月号に「女だけど女装してキャバ嬢してみた!」が掲載される[9]。8月号[10]、11月号[11]にも掲載され、2015年には単行本が出版される[12]。翌年には電子書籍も配信(「#女だけど女装してキャバ嬢してみた!」の節も参照)。
また、華京院は前述の父親の入院をきっかけに、子供を強く持ちたくなる。結婚やパートナーなしで子供を持つことを模索し、最終的にアメリカの精子バンクでドナーを探すようになる[2][3]。子供が20歳になったときに誰か分かるようにするという条件のドナーを探し、試し始めて2か月目で妊娠[3]。2016年秋に娘を出産した[3][8]。2018年の新聞の取材では「日本では精子バンクを使いたい人の存在がないものとして無視されている」と問題提起している[3][13][14][注 1]。2017年には幼少期に母から受けた経験についても寄稿している[15]。
2018年5月現在で32歳[3]。2019年には「選択的シングルマザー」を取り上げたAbemaTVの「AbemaPrime」に出演し、精子提供バンクや子育て、アセクシャルという性自認について語った[8][注 2]。さらに2021年にはNHKの取材に応じ、精子提供について「好きでもない人と結婚して、男女のカップルの家庭を無理やり作るよりはいい選択肢だった」と述懐し、「いろんな生まれ方を認めてほしい。いろんな家族がいてもいいと思ってもらいたい」と語っている[16]。
女だけど女装してキャバ嬢してみた!
[編集]女だけど女装してキャバ嬢してみた! | |
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ジャンル | 女性漫画[4]、エッセイ漫画[5] |
漫画:女だけど女装してキャバ嬢してみた! | |
作者 | 華京院レイ |
出版社 | みなみ出版(発行)[12] 星雲社(発売)[12] |
掲載誌 | 『本当にあった愉快な話』(竹書房)[9][10] |
レーベル | るぽコミ[12] |
発行日 | 2016年1月[17] |
発売日 | 2015年12月24日[12] |
巻数 | 1 |
話数 | 21[18] |
テンプレート - ノート |
あらすじ
[編集]女であることに違和感を持つキャバ嬢の主人公。男性ホルモンを打つようになってホストもするようになるが、キャバ嬢も兼業。ホルモン投与で髭が濃くなったり、声や体臭、体格、筋力が変化し、同僚や客からツッコミを受けたり怪しまれたりする[19]。男性ホルモンを接種したことによる、男性の集団に置かれた自分や女性の集団に置かれた自分についても語っている[20]。
キャバ嬢特有の風習についても、無性愛で男性とも女性とも違う立場から見た感想も踏まえて紹介。コールやお酒、煙草、キャバ嬢の名刺や指名、同伴、面接、ボーイとのハンドサインなど、キャバクラに関するしきたりやエピソードも紹介[21]。また、キャバクラの同僚やお客さんについて振り返る[22]。
女性らしい同僚ハルちゃんの「女だけど女装しているかも」という悩みから、華京院自身の生い立ちやホルモン接種から逆に男らしさに悩んだことを振り返り、「誰かに押し付けられたあなたではなく、あなたがなりたいあなたになれば良い」という結論と助言に至る[23]。
書誌情報
[編集]- 雑誌掲載 - 『本当にあった愉快な話』 竹書房、2014年5月号[9]、8月号[10]、11月号[11]。
- 単行本 - 『女だけど女装してキャバ嬢してみた! ― ヒゲ女子のいる店 ―』 星雲社、みなみ出版〈るぽコミ〉、2016年1月、ISBN 978-4434214950。
- 電子書籍 - eBookJapan(2016年7月1日配信開始)[4]、BOOK☆WALKER、[24] Kindle(2016年8月12日配信開始)[25]、コミックシーモア[18]、Renta![5]
関連書籍
[編集]- Create Media 編『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』dZERO、2017年10月、ISBN 978-4907623241、NCID BB2458975X。
- 佐々木ののか 著『愛と家族を探して』亜紀書房、2020年6月、ISBN 978-4750516462。
- 筋野 茜, 尾原 佐和子, 井上 詞子 著『ルポ 婚難の時代~悩む親、母になりたい娘、夢見るシニア~』光文社、2021年3月、ISBN 978-4334045289。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “華京院 レイ オフィシャルウェブサイト”. 株式会社ACE. 2018年11月11日閲覧。
- ^ a b c d e 佐々木 2018.
- ^ a b c d e f g 東京新聞 2018.
- ^ a b c “女だけど女装してキャバ嬢してみた!”. 少女・女性マンガ. eBookJapan. 2018年10月8日閲覧。
- ^ a b c “女だけど女装してキャバ嬢してみた!”. ルポ・エッセイ漫画. Renta!. 2018年10月8日閲覧。
- ^ a b 末吉陽子 (2016年2月9日). “「女も女性という“性”を過剰に演出している」 Xジェンダーの漫画家が語る、自分らしく生きる方法(1/2)”. サイゾーウーマン. 2018年11月17日閲覧。
- ^ a b c 末吉陽子 (2016年2月9日). “「女も女性という“性”を過剰に演出している」 Xジェンダーの漫画家が語る、自分らしく生きる方法(2/2)”. サイゾーウーマン. 2018年11月17日閲覧。
- ^ a b c d AbemaTV 2019.
- ^ a b c “【本当にあった愉快な話5月号】”. ほんゆcafe. 竹書房 (2014年3月31日) 2018年10月8日閲覧。
- ^ a b c “【本当にあった愉快な話 8月号】”. ほんゆcafe. 竹書房 (2014年7月2日) 2018年10月8日閲覧。
- ^ a b “【本当にあった愉快な話 11月号】”. ほんゆcafe. 竹書房 (2014年9月29日) 2018年11月11日閲覧。
- ^ a b c d e “女だけど女装してキャバ嬢してみた! (るぽコミ) 単行本 – 2015/12/24”. Amazon.co.jp. 2018年11月11日閲覧。
- ^ a b “婚難の中で 私の選択・シングルマザー/4 海外の精子バンク利用 妊娠へ1人で「作業」/徳島”. 毎日新聞 (2018年7月5日) 2018年11月14日閲覧。
- ^ a b “米国の精子バンク利用 妊娠へ1人で「作業」 婚難の中で 私の選択シングルマザー(4)”. 福井新聞D刊 (2018年7月6日) 2018年11月14日閲覧。
- ^ 『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』Create Media 編集、dZERO、2017年10月。ISBN 978-4907623241。NCID BB2458975X。
- ^ 池端玲佳 (2021年7月13日). “WEB特集 精子を“もらう”“買う” 規制なく進む現実”. NHKニュース. 日本放送協会. 2021年9月19日(UTC)閲覧。
- ^ “女だけど女装してキャバ嬢してみた! : ヒゲ女子のいる店 華京院レイ 著”. 国立国会図書館サーチ. 2018年11月11日閲覧。
- ^ a b “女だけど女装してキャバ嬢してみた!”. 女性マンガ. コミックシーモア. 2018年11月11日閲覧。
- ^ 華京院 2016, pp. 3–20.
- ^ 華京院 2016, pp. 75–86.
- ^ 華京院 2016, pp. 21–74.
- ^ 華京院 2016, pp. 87–104.
- ^ 華京院 2016, pp. 105–128.
- ^ “女だけど女装してキャバ嬢してみた!”. 電子書籍(マンガ). BOOK☆WALKER. 2018年11月11日閲覧。
- ^ “女だけど女装してキャバ嬢してみた! (るぽコミ) Kindle版 華京院レイ (著)”. Amazon.co.jp. 2018年11月17日閲覧。
参考文献
[編集]- 「婚難の中で 私の選択シングルマザー~④~ 精子バング利用し出産」、『東京新聞』2018年5月22日、11版S、総合6面。
- 佐々木ののか (2018年8月3日). “「家族がほしい」と願ったXジェンダーは、精子バンクを選択した。”. ハフポスト日本版 2018年9月28日閲覧。
- 華京院レイ『女だけど女装してキャバ嬢してみた! ― ヒゲ女子のいる店 ―』 星雲社、みなみ出版〈るぽコミ〉、2016年1月、初版第1刷、ISBN 978-4434214950。
- “結婚制度に疑問、アセクシャル…様々な理由から増える「選択的シングルマザー」を認め、支援する社会に”. Abema TIMES (2019年9月8日) 2019年11月25日閲覧。
外部リンク
[編集]- カキレイ★ブログ - Ameba Blog
- 華京院レイ (@kaki_rei) - X(旧Twitter)
- 華京院レイ (@kaki_rei) - Instagram
- 華京院レイ - pixiv
- 華京院レイ 精子バンクで出産FTM - note
(インタビュー・出演動画)
- 末吉陽子 (2016年2月7日).“「女も女性という“性”を過剰に演出している」Xジェンダーの漫画家が語る、自分らしく生きる方法”. サイゾーウーマン.
- 佐々木ののか (2018年8月8日). “정자은행을 통해 아이를 가진 무성애자가 알려주는 정자은행 사용법”. ハフポスト韓国版.
- blast.jp (2018年9月20日).“blast.jp精子バンクってどうやって利用するの?”. NEWRELATIONSHIP. Instagram. - 動画