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褐錫鉱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Stannoidite
黄銅鉱を伴う、銀色を帯びた褐錫鉱(兵庫県朝来市生野鉱山産)
分類 Sulfide mineral
シュツルンツ分類 2.CB.15c
化学式 Cu6+Cu22+(Fe2+,Zn)3Sn2S12
結晶系 Orthorhombic
対称 I222 (No. 23)
単位格子 a = 10.76 Å, b = 5.4 Å
c = 16.09 Å, Z = 2
晶癖 Uniformly indistinguishable crystals forming large masses
へき開 None
断口 Conchoidal – uneven
モース硬度 4
光沢 Metallic
Brass brown
条痕 Brown gray
透明度 Opaque
比重 4.29
文献 [1][2][3]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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褐錫鉱(かっしゃくこう、 Stannoidite)は1969年に発表された日本産新鉱物で、国立科学博物館鉱物学者加藤昭により、岡山県の金生(こんじょう)鉱山から発見された[4]化学組成はCu+6Cu2+2(Fe2+,Zn)3Sn2S12で、斜方晶系。記載論文で「Blass brown」と表現されたように、褐色を帯びた金色を呈する。モースン鉱英語版(Cu6Fe2SnS8)グループに属し、共存することが多い。

黄錫鉱 (Stannite) によく似た見掛けであったことから、「類似」を意味する「-oid」を用いて命名された。黄錫鉱とは光学的性質が異なることから当初は「Hexastannite」と呼ばれていたが[5]、微細だったため分析が困難であった。しかし、加藤が発見した「Hexastannite」は単結晶X線回折可能であり、国際鉱物学連合の新鉱物・鉱物・命名委員会の許可を経て加藤は「褐錫鉱」と命名、最終的に「Hexastannite」は褐錫鉱と同一と判明した。

脚注

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  1. ^ Stannoidite. Webmineral
  2. ^ Stannoidite. Mindat.org
  3. ^ Kudoh Y., Takeuchi Y. (1976). “The superstructure of stannoidite”. Zeitschrift für Kristallographie – Crystalline Materials 144 (1–6): 145–160. Bibcode1976ZK....144..145K. doi:10.1524/zkri.1976.144.16.145. 
  4. ^ Kato, A. (1969): Stannoidite, Cu5(Fe,Zn)2SnS8, a new stannite-like mineral from the Konjo mine, Okayama Prefecture, Japan. Bull. Nat. Sci. Museum, Tokyo, 12, 165-172.
  5. ^ Ramdohr P. (1960) Die Erzmineralien und ihre Verwachsungen, 3rd Ed. P514-515.

関連項目

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外部リンク

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