返校
このページの一部を「返校 言葉が消えた日」に分割することが提案されています。 議論は「このページのノート」を参照してください。なお、分割を行う際には履歴不継承にならないように注意してください。(2024年11月) |
この項目「返校」は加筆依頼に出されており、内容をより充実させるために次の点に関する加筆が求められています。 加筆の要点 - 開発・発売の経緯について、中華圏の事情について詳しい方の加筆をお願いいたします。 (貼付後はWikipedia:加筆依頼のページに依頼内容を記述してください。記述が無いとタグは除去されます) (2019年1月) |
ジャンル | サバイバルホラー、RPG、アドベンチャー |
---|---|
対応機種 |
Microsoft Windows macOS Linux PlayStation 4 Nintendo Switch Android/iOS |
開発元 | 赤燭遊戲 |
発売元 |
赤燭遊戲 PLAYISM Coconut Island Games |
プロデューサー | 姚舜庭 |
デザイナー | 王光昊 |
シナリオ | 江東昱 |
プログラマー | 王瀚宇、徐嘉陞 |
音楽 | 張衞帆、楊適維 |
美術 | 陳敬恆、何霈君 |
人数 | 1人 |
発売日 |
[PC] 2017年1月13日 2017年10月27日 [PS4] 2017年10月3日 2018年3月1日 [Switch] 2018年3月1日 [Android/iOS] 2019年9月5日 |
対象年齢 |
CERO:D(17才以上対象) ESRB:M(17歳以上) PEGI:18 |
コンテンツアイコン |
CERO:暴力、犯罪 ESRB:Blood Violence |
エンジン | Unity |
対応言語 |
日本語 英語 中国語(繁体字&簡体字) 韓国語 |
『返校』(へんこう、繁体字中国語: 返校、英語: Detention)は、台湾(中華民国)の赤燭遊戲(英語: Red Candle Games)が開発したホラーゲーム[1][2]。2017年1月13日に、パソコンゲームとしてSteamで配信された。日本語版は、同年10月27日にPLAYISMにより『返校 -Detention-』として[3]Steam及びPLAYISMにて配信された[2][3]。また、同年10月3日には北米地域においてPlayStation 4版が配信され、2018年3月1日には欧州向けのPlayStation 4版と各国のNintendo Switch版が配信された[4][5]。
Steamの売り上げランキングで一時世界第3位となり、大きな注目を集めた[1][6]。
作品内容
[編集]戒厳令下で中国国民党が強権政治を敷いていた1960年代[注釈 1]の台湾の学校が舞台[1][3]。当局による白色テロを題材として扱っていることから、台湾で大きな話題を呼んだ[1][6]。ゲームの操作方法は、マウスクリックがメイン[2]。
元々はジョージ・オーウェルの『1984年』のようなディストピアものを作ろうとしていたが、次第に戒厳令時代の台湾との類似点に気付き方向転換したという[7]。また同じく1960年代の台湾を舞台にした映画『牯嶺街少年殺人事件』などの台湾ニューシネマから多くのインスピレーションを受けたという[8]。
劇中音楽として鄧雨賢の作曲した曲が使用されている(望春風、雨夜花など)。
イントロダクション
[編集]ある日、翠華中学(高級中学は日本における高等学校に相当する)の男子学生ウェイは歴史の授業中に居眠りしてしまう。目が覚めると周りには誰もおらず、黒板に台風警報とのみ書かれていた。講堂を抜けて帰宅しようとしたウェイは、壇上で眠る女子生徒レイを発見する。二人で山を降りようとするも、唯一街へつながる橋は崩れており、川の水はまるで血のような赤い濁流に変わっていた。仕方なく学校で一夜を明かすことにした二人。ウェイは電話で外部に助けを呼べるか確かめるために校長室へ向かったが、異変に巻き込まれ消えてしまう。レイが意識を取り戻すとなぜか講堂で椅子に腰掛けており、壇上には手と足首を縛られたウェイが逆さ吊りにされていた。
登場人物
[編集]- ウェイ(魏仲廷/ウェイ・チャンティン)
- 翠華中学二年生の男子生徒。授業中に寝てしまって教室で一人目覚め、校内に誰もいなくなっていることに気づく。
- 公式サイトでは「あなた」とプレイヤーの分身の様に書かれているが、実際にはゲームのほんの序盤部分でしか操作しない。
- 理知的な性格で、読書会の参加者でもあった。バイ教官のことを陰ではグオフォンと呼び捨てにしている。
- レイ(方芮欣/ファン・レイシン)
- ウェイが講堂で出会った三年生の少女。ゲーム本編での操作キャラクターである実際の主人公。
- 気付いた時は壇上で椅子に腰掛け眠っており、なぜ自分がそこにいたのかを覚えていなかった。白鹿を象った翡翠のペンダントを大切にしている。学校から脱出しようと進むうちに、自らの秘密を思い出していく。
- 実は既にこの世の住人ではなく、かつて犯した過ちからこの世を彷徨う地縛霊。生前は普通の学生だったが、元は仲睦まじかった両親が激しい喧嘩を繰り返すようになり、その悩みを紙飛行機に書いてチャン先生の元へ飛ばした。だが相談に乗ってくれた彼は補導の名目で様々なことをレイに教え、やがて恋愛関係になってしまう。家庭の問題を忘れ、つかの間の幸福に酔いしれたものの、突然チャン先生に補導の終わりを告げられ、関係を打ち切られる。家庭でも母が父の収賄疑惑を密告し、父が政府に連行されてしまう。そんな時にチャン先生とイン先生が自分のことで口論しているのを聞き、二人の関係を疑ってイン先生を恋敵と逆恨みする。二人が政府の禁じた本を密かに勉強する読書会を開いていることを知っていたレイは、読書リストをバイ教官に渡すことでそれを密告する。その結果、チャン先生やウェイ、その他の生徒も捕まり、チャン先生は死刑、友人であるウェイや他の生徒には懲役十五年の判決が下り、イン先生は海外に亡命するという結果を招いてしまう。国からは密告の功績を讃えられるも、同級生からは「チクリ魔」とイジメを受けるようになり、罪の意識に耐えきれなくなったことで屋上から飛び降りて自ら命を絶つ。死後も自責の念から学校を彷徨い、記憶を取り戻す度に表彰台の上で首を吊るが、死者である為に死ぬことも出来ず、記憶を無くしては取り戻すことを繰り返していた。
- モデルは傅如芝(1932年9月3日-1956年1月13日)とされる。
- イン先生(殷翠涵/イン・ツイハン)
- 歴史担当の女教師でレイの担任。読書会のリストが流出した後は協力者がいたためか、国外脱出に成功した。その後も海外から表現の自由や人権を訴える活動を続けたが、肺癌のため50歳で病没する。その最後の希望は故郷に帰ることだったが、戒厳令撤廃によって実現する。
- チャン先生(張明暉/チャン・ミンホイ)
- カウンセリングを担当した男性教師。悩みを抱えるレイの相談に乗るが、大通りの映画館へ連れて行くなど検閲されていない知識や世界を彼女に見せ、さらには恋仲になってしまう。レイと同じ年頃には留学していたらしく、彼女は十分に成熟しているとの主張で成人のように扱うが、結果的には彼女を傷つけ、自身の破滅をも招いた。ゲーム序盤からイメージとして挿入される、麻袋を頭に被せられた男の正体は彼である。
- バイ教官(白國峰/バイ・グオフォン)
- 教師ではなく学校の軍訓教官。元軍人で、生徒から恐れられている。戦争で山ほど人を殺したという噂があるらしい。
メディアミックス
[編集]書籍版
[編集]- 2017年2月6日に、外伝にあたる小説『返校 悪夢再続』が台湾で発売された。原著:赤燭遊戲、小説:笭菁。
- 2021年7月16日に、ゲームの30年後の世界を描いたドラマ版の小説『返校 影集小説』が日本で発売された。小説:李則攸・巫尚益、監修:公共電視、訳:七海有紀。この小説の漫画版『返校 -DETENTION-』が2022年2月28日から電子書籍で作画:OGAにて配信。
映画版
[編集]返校 言葉が消えた日 | |
---|---|
タイトル表記 | |
繁体字 | 返校 |
簡体字 | 返校 |
英題 | Detention |
各種情報 | |
監督 | ジョン・スー |
脚本 | ジョン・スー |
製作 |
リー・リエ アイリーン・リー |
製作総指揮 | 劉宜佳 |
出演者 |
ワン・ジン ツェン・ジンホア フー・モンボー チョイ・シーワン リー・グァンイー パン・チンユー チュウ・ホンジャン |
音楽 | ルー・ルーミン |
主題歌 | 「光明之日」 |
撮影 | チョウ・イーシェン |
編集 | ライ・シュウション |
製作会社 |
影一製作所 販賣機電影 |
公開 |
2019年9月20日 2019年12月5日 2021年7月30日 |
上映時間 | 102分 |
製作国 | 台湾 |
言語 | 中国語(国語・台語) |
製作費 | 9300万ニュー台湾ドル |
興行収入 |
台湾:2億6000万ニュー台湾ドル[9] 香港:1161万香港ドル[10] |
2019年9月20日に封切られ、観客動員数が公開24日間で100万人を突破する大ヒットとなった[11]。台湾においてゲームが原作の映画が製作されるのは、本作品が初めてであり、台湾の行政機関である文化部の鄭麗君文化部長(文化相)は、政府として支持していく考えを示している[6]。
屏東県潮州鎮にある廃校舎で撮影が行われ、近隣の学生がエキストラとして参加した[12]。
2021年には日本国内でも『返校 言葉が消えた日』の邦題で上映され、DVDとしても販売された(日本語での字幕・吹替あり)[13]。
あらすじ
[編集]1962年、台湾は中国国民党による戒厳令下にあり、学校も軍隊のように統制されていた。そうした状況の中、翠華高校の2年男子であるウェイ・ジョンティンは反乱を計画したとして逮捕され、計画の全容を吐かせる為に過酷な拷問を受けていた。そして、ウェイは牢で眠る度に悪夢を見ていた。
一方、同校3年生の女生徒ファン・レイシンは、真夜中の無人の校舎で目を覚ました。その後ウェイと出会うが、共に用務員の幽霊に追われることになる。
ウェイは「読書会」の仲間の身を案じていた。読書会とは国民党によって閲覧禁止とされた本を密かに読み、書き写す学生組織で、創設者はチャン先生だった。数人の教師も同士だったが憲兵に逮捕され、メンバーの女教師インは隠していた禁書を安全の為に処分する。その後、チャン先生がまだ本を隠し持っていると聞いた学生たちは、憲兵がうろつく中、一人づつ順番を決めて受け取りに行く事になった。
憲兵隊の公告が貼られ荒れ果てた校舎を見て、読書会の仲間は逮捕されたとウェイは絶望するが、防空壕に隠れているかもしれないと見に行くと、途中でメンバーの学生・ウェンションが現れ、仲間の一人が裏切り密告したとウェイに告げる。しかし、ウェンションは官憲の制服を着た化け物に殺されてしまう。
ウェイとファンは防空壕で読書会のメンバーやイン先生を見つける。だがそれは幻で、イン先生はファンこそが密告者だとウェイに告げて消える。
ファンは夜の学校に来る以前の生活を思い出す。ファンとチャン先生はプラトニック・ラブの関係にあった。そして、チャン先生とイン先生の親しげな様子を見て嫉妬したファンは、イン先生が読書会と関わっている事を知り、ウェイから禁書を借りて官憲に渡したのだ。それが愛するチャン先生の逮捕に繋がる行為だったと知った時、現実世界のファンは首を吊って死んだ。しかし、ファンは悪夢の中では生きており、ウェイを助けて校門の外に出した後、崩れ落ちる校舎の中に消えていった。
牢内にいる現実世界のウェイは、刑死する直前のチャン先生から伝えられた「生き延びろ」という言葉を思い出す。生きる為に読書会について白状し釈放されたウェイは、後年、解体される直前の高校を訪れ、隠されたままだったチャン先生の禁書を取り出し、挟まれていた愛のメッセージをファンの霊に捧げた。
キャスト
[編集]- ワン・ジン - ファン・レイシン(方芮欣)
- ツェン・ジンホア - ウェイ・ジョンティン(魏仲廷)
- フー・モンボー - チャン・ミンホイ(張明暉)
- チョイ・シーワン - イン・ツイハン(殷翠涵)
- リー・グァンイー - ホアン・ウェンション(黄文雄)
- パン・チンユー - ヨウ・ションジエ(游聖傑)
- チュウ・ホンジャン - バイ教官(白國鋒)
- 雲中岳 - ウェイ・ジョンティン(魏仲廷・中年)
- 李沐 - 周欣
- 劉士民 - 高雨新
- 夏靖庭 - 方道勤
- 張本渝 - 李妙子
- 王可元 - 黄又新
スタッフ
[編集]製作
[編集]監督のジョン・スーは原作のゲームを発売日当日に購入して最後までプレイし、その物憂げで美しい物語に強く惹かれた。そして、周囲の映画業界の知人に作品の映画化を薦めていたところ、数か月後にプロデューサーのアイリーン・リーとリー・リエが映画化権を獲得し、スーが監督として起用されることになった[14][15]。
白色テロを扱った台湾映画は、過去にホウ・シャオシェン監督の『悲情城市』(1989年)、エドワード・ヤン監督の『牯嶺街少年殺人事件』(1991年)、ワン・レン監督の『スーパーシチズン 超級大国民』(1994年)がある。これらが上映された時代には「話題にしてはいけない社会の空気」が存在したが、その空気が薄れた時代にどのように歴史を描くのかをスーは検討し、多くの関係者に取材するなどのフィールドワークを実施した。スーは、過去作は20年から30年ほど前の映画で若い世代にはとっつきにくい部分があることから、この作品で白色テロの時代を知ってもらいたいと語っている[16][17]。
ゲーム版では政治的なテーマに加え道教の要素が至る所で用いられているが、ゲーム版を知らない観客が情報過多で混乱しないように、映画版では政治的な面と歴史的な面に焦点を絞ることにした。その取り組みの一例として、作品内に登場する幽霊は、ゲーム版では道教の衣装をまとっているが、その衣装が何を象徴しているのかを観客に説明するのが難しかったため、姿の恐ろしさを理解しやすいよう、議論の末に軍人風の衣装に変更している[14]。
作品の撮影はほとんどがロケで行われた。舞台となる学校は1960年代に建てられ2001年に廃校となった学校(志成工商)で、教室の場面では内部を改装して撮影し、一方で改装せずそのまま撮影した場面もある[18][19]。また、ウェイ・ジョンティンが牢に入っている場面は、過去の歴史を伝える記念館の内部にあり白色テロの時代に実際に使われた牢で撮影された[18]。
公開
[編集]台湾では、2019年6月19日に予告編映像が公開され、9月20日に封切となった[20]。
香港では2019年12月5日に公開された。当初の公開予定日は10月17日だったが、その1か月ほど前に映画の公式サイトが一時的に消滅し、9月24日にサイトが復活した際に公開日を12月5日に延期することが発表された。延期の理由は公表されていないが、インターネット上では、2019年11月24日実施の香港区議会議員選挙を避けていると指摘され、香港での公開時に内容の削除や変更があるのではないかと懸念する声も上がった[21]。
中国本土では、台湾での公開前の時期には本作に関する情報をメディアが報じていたが[22]、その後、上映が禁止された[23]。なお、後述のように本作は映画賞の金馬奨で数々の賞を受賞しているが、中国本土の各種大手映画サイトでは金馬奨に関する報道が行われず、映画に関するSNSサイトの「豆瓣电影」では本作のタイトルを「XX」という文字に置き換えて紹介された[23]。
日本では2021年7月30日に公開された。その1週間前の7月23日には、映画版の映像とゲーム版の映像がクロスオーバーする特別動画が公開された[24]。
受賞
[編集]年 | 賞 | 部門 | 対象 | 結果 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
2019 | 第56回金馬奨 | 作品賞 | 『返校』 | ノミネート | [25][26] |
新人監督賞 | ジョン・スー | 受賞 | |||
主演女優賞 | ワン・ジン | ノミネート | |||
新人俳優賞 | ツェン・ジンホア | ノミネート | |||
脚色賞 | ジョン・スー、フー・カイリン, ジェン・シーゲン | 受賞 | |||
オリジナル映画歌曲賞 | 「光明之日」 | 受賞 | |||
オリジナル映画音楽賞 | ルー・ルーミン | ノミネート | |||
音響効果賞 | デニス・ツァオ、ブック・チアン | ノミネート | |||
編集賞 | シエ・マンジュー | ノミネート | |||
美術設計賞 | ワン・チーチェン | 受賞 | |||
アクション設計賞 | ジミー・ハン | ノミネート | |||
視覚効果賞 | 再現影像製作有限公司、トミ・クオ | 受賞 | |||
2020 | 第40回ポルト国際映画祭 | 審査員特別賞 | 『返校』 | 受賞 | [27] |
第39回香港電影金像奨 | アジア華語映画 | 『返校』 | ノミネート | [28] | |
2020年台北電影奨 | グランプリ | 『返校』 | 受賞 | [29][30] | |
長編劇映画賞 | 『返校』 | 受賞 | |||
監督賞 | ジョン・スー | ノミネート | |||
脚本賞 | ジョン・スー、フー・カイリン、ジェン・シーゲン | ノミネート | |||
主演男優賞 | ツェン・ジンホア | ノミネート | |||
主演女優賞 | ワン・ジン | 受賞 | |||
撮影賞 | チョウ・イーシェン | ノミネート | |||
編集賞 | シエ・マンジュー | ノミネート | |||
美術賞 | ワン・チーチェン | 受賞 | |||
デザイン賞 | シー・シャオロウ | ノミネート | |||
視覚効果賞 | 再現影像製作有限公司、トミ・クオ | 受賞 | |||
音響効果賞 | デニス・ツァオ、ブック・チアン、 | 受賞 | |||
第14回アジア・フィルム・アワード | 新人監督賞 | ジョン・スー | ノミネート | [31][32] | |
視覚効果賞 | 再現影像製作有限公司、トミ・クオ | 受賞 |
備考
[編集]- 原作のゲーム内におけるファン・レイシンの学籍番号は「5350126」だが、映画版では「493856」となっている。この数字は「台湾が1949年に敷いた戒厳令(台湾省戒厳令)が38年と56日続いた」という史実を踏まえている。また、ウェイ・ジョンティンの映画版での学籍番号「501014」は、1947年の二・二八事件後に政府打倒のための活動を行っていた鍾浩東が逮捕されて死刑判決を受け処刑された1950年10月14日を示している[33]。
- 映画内の読書会で学生たちが文章を書き写す本は、ゲーム版にも登場するラビンドラナート・タゴールの『迷い鳥たち』に加え、チャン先生が隠していた本として厨川白村の『苦悶の象徴』が使用されている。これは脚本家のフー・カイリンによるアイデアで、チャン先生は人間としての欲望と理想主義者としての夢との間で絶え間なくもがいている、と考えたことが反映されている[14]。
ドラマ版
[編集]2020年12月5日、Netflixオリジナルの実写ドラマとして全8話が配信開始された[34]。原作ゲームから30年後の後日談として描かれており、李登輝政権末期・民主化直後の1999年10月頃の台湾の片田舎が舞台。舞台は同じ翠華高校となっている。主人公ユンシアン(劉芸香/リウ・ユンシアン)を李玲葦が演じており、レイ(方芮欣)、ウェイ(魏仲廷)、バイ教官(白國峰)が30年後の姿として出演している。ノベライズ版の邦訳が『返校 影集小説』のタイトルで角川ホラー文庫から刊行されている[35]。
あらすじ
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
登場人物・キャスト
[編集]- 李玲葦 - 劉芸香 - とある理由で台北から片田舎の翠華高級中学に転校してきた。
- 韓寧 - 方芮欣 - 翠華高級中学の旧校舎を彷徨う亡霊。
- 黄冠智 - 程文亮 - 劉芸香の同級生。寺生まれ。
- 姚淳耀 - 沈華 - 翠華高級中学の教師。校長の息子。
- 趙正平 - 白國峰 - 翠華高級中学の教官。
- 羅光旭 - 沈敬 - 翠華高級中学の校長。
- 鄭家楡 - 鄧馨予 - 劉芸香の母親。
- 張翰 - 劉俊賢 - 劉芸香の父親。
- 蔡瑞雪 - 蘇婕妤 - 二年忠組の班長。
- 吳昆達 - 魏仲廷 - 廃医院に住む世捨て人。
注釈
[編集]- ^ 映画版では1962年、ドラマ版では1969年。
脚注
[編集]- ^ a b c d 韓テイテイ、陳俊華 (2017年1月21日). “白色テロ扱ったホラーゲームが話題に 台湾の「暗い歴史」呼び起こす”. 中央通訊社フォーカス台湾 2017年10月28日閲覧。
- ^ a b c 宮本章弘 (2017年10月27日). “PLAYISM、台湾産のホラーゲーム「返校-Detention」が日本語版で登場!”. Impress Watch 2017年10月28日閲覧。
- ^ a b c Minoru Umise (2017年10月27日). “台湾の学校が舞台のホラー『返校 -DETENTION-』日本語版が本日配信、ハロウィンセールとあわせて半額で提供開始”. AUTOMATON 2017年10月29日閲覧。
- ^ Lost (2017年9月30日). “好评恐怖游戏《返校》10月3日登陆PS4”. 游戏时光 2017年10月29日閲覧。
- ^ “redcandlegames公式Twitter” (2018年3月1日). 2018年3月25日閲覧。
- ^ a b c 江佩凌 (2017年6月23日). “ホラーゲームを映画化 台湾初=戒厳令下の時代扱った「返校」”. 中央通訊社フォーカス台湾 2017年10月28日閲覧。
- ^ 鄭景雯 (2017年6月8日). “返校讓玩家感動落淚 公視將改編影視” (html) (中国語). 2018年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月15日閲覧。
- ^ “台湾の暗黒時代を背景にしたホラー「Detention」インタビュー”. IGN Japan. (2017年9月29日) 2021年7月16日閲覧。
- ^ “全國電影票房2020年02/24-03/01統計資訊” (繁体字中国語). 國家電影中心 (2020年3月5日). 2020年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月29日閲覧。
- ^ “【最佳助攻?】《返校》《十年》越鬧越旺 胡慧中文革舊戲曾被禁” (繁体字中国語). 蘋果日報 (2020年7月2日). 2021年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月29日閲覧。
- ^ “台湾ホラーゲーム原作映画「返校」台湾で大ヒット中。日本での版権はすでに購入されており、国内上映に期待かかる”. (2019年10月20日) 2020年4月20日閲覧。
- ^ 郭芷瑄 (2019年9月27日). “返校的陰森校園 是荒廢18年的屏東志成工商”. 中央通訊社. オリジナルの2019年9月30日時点におけるアーカイブ。 2021年7月30日閲覧。
- ^ “返校 言葉が消えた日”. 2021年12月7日閲覧。
- ^ a b c “映画『返校 言葉が消えた日』オフィシャルサイト”. 2022年1月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月3日閲覧。
- ^ “『返校 言葉が消えた日』ジョン・スー監督 台湾史の暗部、白色テロ時代を描いたゲームを映画化する【Director’s Interview Vol.128】 (1/5)”. CINEMORE (2021年7月29日). 2024年12月3日閲覧。
- ^ “『返校 言葉が消えた日』ジョン・スー監督 台湾史の暗部、白色テロ時代を描いたゲームを映画化する【Director’s Interview Vol.128】 (4/5)”. CINEMORE (2021年7月29日). 2024年12月3日閲覧。
- ^ “映画『返校 言葉が消えた日』ジョン・スー監督インタビュー再録”. ライター新田理恵 (2024年7月26日). 2024年12月3日閲覧。
- ^ a b “『返校 言葉が消えた日』ジョン・スー監督 台湾史の暗部、白色テロ時代を描いたゲームを映画化する【Director’s Interview Vol.128】 (3/5)”. CINEMORE (2021年7月29日). 2024年12月3日閲覧。
- ^ 郭芷瑄. “返校的陰森校園 是荒廢18年的屏東志成工商” (繁体字中国語). 2019年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年12月3日閲覧。
- ^ 李亨山 (2019年6月19日). “國片返校預告曝光 忠實還原戒嚴肅殺氛圍” (繁体字中国語). 中央通訊社. 2019年10月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月29日閲覧。
- ^ “電影返校年底香港上映 定檔12月5日” (繁体字中国語). 中央社 CNA (2019年9月24日). 2024年11月29日閲覧。
- ^ 林怡妘 (2019年8月15日). “中元节《返校》曝预告 读书会、师生恋揭露关键” (簡体字中国語). 新浪娱乐. 2019年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月29日閲覧。
- ^ a b 陳立妍 (2019年10月2日). “【金馬56】《返校》金馬入圍12項 中國大陸竟改名XX被消失” (繁体字中国語). 鏡週刊. 2019年10月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月29日閲覧。
- ^ “『返校 言葉が消えた日』ゲームとのコラボ映像 初解禁の“濁流”シーンも”. クランクイン! (2021年7月23日). 2024年12月3日閲覧。
- ^ “第五十六回金馬獎ノミネート発表!”. アジアンパラダイス (2019年10月1日). 2024年11月29日閲覧。
- ^ “第56回「金馬奨」、台湾映画『陽光普照』が6部門で受賞”. Taiwan Today (2019年11月25日). 2024年11月29日閲覧。
- ^ “THE AWARDS - FANTASPORTO 40 YEARS”. FANTASPORTO (2020年3月7日). 2020年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月8日閲覧。
- ^ “香港電影金像獎”. 29 May 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。20 May 2020閲覧。
- ^ “2020 台北電影獎、『返校』が百萬元大賞と長編劇映画賞受賞!”. アジアンパラダイス (2020年7月11日). 2024年11月29日閲覧。
- ^ “第22回台北映画奨 「返校」がグランプリ、最多6部門受賞<授賞式詳報>”. フォーカス台湾 (2020年7月28日). 2024年11月29日閲覧。
- ^ “第14回アジア・フィルム・アワード”. 2020年11月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月29日閲覧。
- ^ “受賞記録”. Asian Film Awards. 2024年11月29日閲覧。
- ^ 唐千雅 (2019年9月27日). “徐漢強解開3隻半的長頸鹿密碼 《返校》王淨學號有玄機” (繁体字中国語). 鏡週刊. 2020年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月29日閲覧。
- ^ “返校 - Netflix”. (2020年12月5日) 2021年6月8日閲覧。
- ^ [1]
関連項目
[編集]- 両蔣時期
- 動員戡乱時期臨時条款
- 白色テロ (台湾)
- 鄧雨賢
- 国立基隆高級中学 - モデルとなった学校。
- 台中市立東勢工業高級中等学校 - 校舎のモデルとなった。
- 1984年 (小説)
- 傅如芝事件・傅煒亮事件・黎子松事件・光明報事件 - モデルとなったとされる事件。
外部リンク
[編集]- ゲーム
- 映画
- 映画『返校 言葉が消えた日』オフィシャルサイト(アーカイブ)
- 映画『返校 言葉が消えた日』公式アカウント (@henko_movie) - X(旧Twitter)
- 返校 言葉が消えた日 - allcinema
- 返校 言葉が消えた日 - KINENOTE
- Fanxiao - IMDb
- ドラマ
- 分割提案
- 加筆依頼
- 2017年のコンピュータゲーム
- 2010年代のホラーゲーム
- Windows用ゲームソフト
- MacOS用ゲームソフト
- Steam Greenlight通過ゲーム
- PlayStation 4用ソフト
- Nintendo Switch用ソフト
- 台湾で開発されたコンピュータゲーム
- 台湾を舞台としたコンピュータゲーム
- 台湾の歴史を題材とした作品
- 高等学校を舞台としたコンピュータゲーム
- 1960年代を舞台とした作品
- コンピュータRPG
- Unity製ゲーム
- インディーゲーム
- ファミ通クロスレビューシルバー殿堂入りソフト
- 2020年のテレビドラマ
- Netflixオリジナルドラマ
- 台湾のテレビドラマ
- ホラードラマ
- 学園ドラマ
- 自殺を扱った作品
- 復讐を題材としたテレビドラマ
- 台湾を舞台としたテレビドラマ
- 学校の怪談を題材とした作品