逆位トリヨードチロニン
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逆位トリヨードチロニン | |
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(2S)-2-Amino-3-[4-(4-hydroxy-3,5-diiodophenoxy)-3-iodophenyl]propanoic acid | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 5817-39-0 |
PubChem | 22069 |
ChemSpider | 559294 |
UNII | 8NZ4Y08T96 |
KEGG | C07639 |
MeSH | Reverse+triiodothyronine |
ChEBI | |
2636 | |
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特性 | |
化学式 | C15H12I3NO4 |
モル質量 | 650.974 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
逆位トリヨードチロニン(3,3′,5′-トリヨードチロニン、3,3′,5′-triiodothyronine、またはrT3)は、トリヨードチロニン(3,5,3′-トリヨードチロニン、T3)の異性体である。
rT3は、甲状腺から血液中に放出されるヨードチロニンの中で3番目に多い0.9%であり、テトラヨードチロニン(レボチロキシン、T4)は90%、T3は9%を占める。ヒトの血液中のrT3の95%は、体内の別の場所で、酵素によってT4から特定のヨウ素原子が取り除かれる事で作られる[1]。
甲状腺によるホルモンの産生は、視床下部と脳下垂体によって制御されている。甲状腺ホルモンの生理活性は、プロホルモンであるT4を活性化したり、不活性化したり、単に廃棄したりして、T3やrT3を機能的に変化させる酵素のシステムで制御されている。これらの酵素は、神経伝達物質、ホルモン、代謝マーカー、免疫シグナル等のシステムの複雑な指示の下に作動する。
甲状腺機能正常患者症候群[注 1]のような状態では、rT3の血中濃度が上昇するが、これはrT3の生成量が変わらないのにクリアランスが減少する為である。このクリアランスの低下は、末梢組織におけるチロキシン-5-デヨージナーゼ活性の低下や肝臓におけるrT3の取り込みの低下によるものと考えられる[2]。また、重症患者、飢餓状態、胎児期には、チロキシン-5-デヨージナーゼ活性が上昇する為、rT3濃度が上昇する[3]。
生成
[編集]注釈
[編集]- ^ 甲状腺機能が正常で他の全身疾患を持ち、血清甲状腺ホルモンの検査値が低値を示す状態。
参考資料
[編集]- ^ Chopra IJ (July 1976). “An assessment of daily production and significance of thyroidal secretion of 3,3′,5′-triiodothyronine (reverse T3) in man”. J. Clin. Invest. 58 (1): 32–40. doi:10.1172/JCI108456. PMC 333152. PMID 932209 .
- ^ Euthyroid Sick Syndrome - eMedicine
- ^ Chatzitomaris, Apostolos; Hoermann, Rudolf; Midgley, John E.; Hering, Steffen; Urban, Aline; Dietrich, Barbara; Abood, Assjana; Klein, Harald H. et al. (20 July 2017). “Thyroid Allostasis–Adaptive Responses of Thyrotropic Feedback Control to Conditions of Strain, Stress, and Developmental Programming”. Frontiers in Endocrinology 8. doi:10.3389/fendo.2017.00163. PMC 5517413. PMID 28775711 .