通崎睦美
通崎 睦美(つうざき むつみ、1967年5月23日[1] - )は、日本のマリンバ奏者、木琴奏者、随筆家。京都市下京区出身。
京都市立醒泉小学校、同志社中学校、京都市立堀川高等学校(音楽科)、京都市立芸術大学音楽学部卒業。同大学院音楽研究科修士課程修了。
略歴
[編集]風呂敷の縫製を生業とする家に次女として生まれる。5歳よりマリンバを始める。1991年にコンサートデビュー。これまでに、ピアノ、ヴァイオリン、アコーディオン、箏、三弦など様々な楽器やダンスとのデュオを結成。また、マリンバ・トリオでの演奏や、オーケストラとの共演なども行っている。
デビュー以来、セルフプロデュースのもとマリンバ演奏のコンサートを続けてきたが、2005年2月、東京フィルハーモニー交響楽団定期演奏会(井上道義指揮)にて、1944年に木琴奏者の平岡養一が初演した「木琴協奏曲」(紙恭輔作曲)を平岡本人の木琴で演奏。それがきっかけで、その木琴と500曲以上もの楽譜やマレットを遺族から譲り受けることとなり、以降、木琴奏者としても活動を本格化させている。2007年7月、京都市交響楽団の演奏会(下野竜也指揮)において、「木琴協奏曲〜夏の雲走る」(林光作曲)を初演、8月に木琴による初のCDを発表した。
文筆活動では、2012年に「忘れられた響き 木琴王・平岡養一」が第19回小学館ノンフィクション大賞最終候補となり、2013年、同作を改稿した『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』を出版[2]、第36回サントリー学芸賞を受賞した。
銘仙を中心としたアンティーク着物の収集家としても知られている。2003年より浴衣ブランド「メテユンデ」のプロデュースを始める。2004年から2005年にかけては、着物から現代美術まで通崎の好みの品々を展示する「通崎睦美選展〜通崎好み」をアサヒビール大山崎山荘美術館など数か所で開催した。2006年には、「ほぼ日刊イトイ新聞」の企画により、腹巻きとブランケットのデザインをプロデュース。着物に関する著書も発表している。
賞歴
[編集]- 京都市立芸術大学大学院賞(1992年)
- 「通崎睦美2夜連続マリンバコンサート」(1993年) - 青山音楽賞
- 「通崎睦美マリンバリサイタル」(1998年) - 大阪文化祭賞、京都府あけぼの賞(2004年)、藤堂音楽褒賞(2007年)
- 『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』で第24回吉田秀和賞(2014年)、第36回サントリー学芸賞社会・風俗部門(2014年)[3]
CD
[編集]- MUTSUMI 〜ソングス・フロム・エイジア(1995年)
- M×PIAZZOLLA(1999年)
- 届くことのない12通の手紙(2001年)
- 1935(2007年)
- スパイと踊子(2014年)
著書
[編集]- 天使突抜一丁目〜着物と自転車と(2002年、淡交社)- タイトルにある「天使突抜」は通崎が居住している京都市内の町名である。
- ソデカガミ 銘仙着物コレクション(2003年、PHP研究所)
- 通崎好み(2004年、淡交社)
- マリンバ練習帖(編著、2010年)
- 天使突抜367(2011年、淡交社)
- 木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」(2013年、講談社)
- 天使突抜おぼえ帖(2022年、集英社インターナショナル)
参考
[編集]- 通崎好み製作所 通崎睦美について
- 通崎睦美プロデュース ゆかたブランド METEYUNDE(メテユンデ)プロモーションサイト
- 天使突抜一丁目〜着物と自転車と(2002年、淡交社)
脚注
[編集]- ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.514
- ^ 『木琴デイズ』その1 出版決定!、通崎好み製作所、2014年12月23日閲覧。
- ^ “第36回 サントリー学芸賞決定”. サントリー (2014年11月12日). 2014年11月12日閲覧。