吉田秀和賞
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吉田秀和賞(よしだひでかずしょう)は、音楽・演劇・美術などの各分野で、優れた芸術評論を発表した人に対して贈られる、吉田秀和芸術振興基金主催の賞である。副賞200万円。
1990年(平成2年)に、水戸芸術館開設を記念して設立され、現在に至る。審査委員ははじめ吉田、加藤周一、武満徹の3人体制。武満の死去後、林光が加わる。加藤の死去後は審査委員長の吉田と審査委員の林の2人体制となる。2012年、林と吉田が死去し、審査委員長が杉本秀太郎、審査委員が片山杜秀の2人体制となる。2015年、杉本が死去し、新しい審査委員として磯崎新が迎えられ、片山との2人体制となる。
受賞者・作品一覧
[編集]第1回から第10回
[編集]- 第1回(1991年) - 秋山邦晴 『エリック・サティ覚え書』(青土社)
- 第2回(1992年) - 持田季未子 『絵画の思考』(岩波書店)
- 第3回(1993年) - 該当作なし
- 第4回(1994年) - 渡辺保 『昭和の名人 豊竹山城少掾』(新潮社)
- 第5回(1995年) - 松浦寿輝 『エッフェル塔試論』(筑摩書房)
- 第6回(1996年) - 長木誠司 『フェルッチョ・ブゾーニ』(みすず書房)
- 第7回(1997年) - 伊東信宏 『バルトーク - 民謡を「発見」した辺境の作曲家』(中公新書)
- 第8回(1998年) - 該当作なし
- 第9回(1999年) - 青柳いづみこ 『翼のはえた指 評伝安川加壽子』(白水社)
- 第10回(2000年) - 小林頼子 『フェルメールの世界 17世紀オランダ風俗』(NHKブックス:日本放送出版協会)、『フェルメール論 神話解体の試み』(八坂書房)
第11回から第20回
[編集]- 第11回(2001年) - 加藤幹郎 『映画とは何か』(みすず書房)
- 第12回(2002年) - 該当作なし
- 第13回(2003年) - 岡田温司 『モランディとその時代』(人文書院)
- 第14回(2004年) - 湯沢英彦 『クリスチャン・ボルタンスキー 死者のモニュメント』(水声社)
- 第15回(2005年) - 宮澤淳一 『グレン・グールド論』(春秋社)
- 第16回(2006年) - 有木宏二 『ピサロ/砂の記憶 - 印象派の内なる闇』(人文書館)
- 第17回(2007年) - 該当作なし
- 第18回(2008年)- 片山杜秀 『音盤考現学』『音盤博物誌』(アルテスパブリッシング)
- 第19回(2009年)- 岡田暁生 『音楽の聴き方 - 聴く型と趣味を語る言葉』(中公新書)
- 第20回(2010年)- 白石美雪 『ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー』(武蔵野美術大学出版局)
第21回から第30回
[編集]- 第21回(2011年)- 椎名亮輔 『デオダ・ド・セヴラック - 南仏の風、郷愁の音画』(アルテスパブリッシング)
- 第22回(2012年)- 新関公子 『ゴッホ 契約の兄弟 - フィンセントとテオ・ファン・ゴッホ』(ブリュッケ)
- 第23回(2013年)- 末永照和 『評伝ジャン・デュビュッフェ アール・ブリュットの探求者』(青土社)
- 第24回(2014年)- 通崎睦美 『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』(講談社)
- 第25回(2015年)- 椹木野衣 『後美術論』(美術出版社)
- 第26回(2016年)- 立花隆 『武満徹・音楽創造への旅』(文藝春秋)
- 第27回(2017年)- 平芳幸浩『マルセル・デュシャンとアメリカ―戦後アメリカ美術の進展とデュシャン受容の変遷』(ナカニシヤ出版)
- 第28回(2018年)- 堀真理子 『改訂を重ねる「ゴドーを待ちながら」 演出家としてのベケット』(藤原書店)
- 第29回(2019年)- 沼野雄司 『エドガー・ヴァレーズ―孤独な射手の肖像』(春秋社)
- 第30回(2020年)- 荒川徹 『ドナルド・ジャッド―風景とミニマリズム』(水声社)
第31回から第40回
[編集]- 第31回(2021年)- 前田良三 『ナチス絵画の謎―逆襲するアカデミズムと『大ドイツ美術展』』(みすず書房)
- 第32回(2022年)- 新井高子 『唐十郎のせりふ―二〇〇〇年代戯曲をひらく』(幻戯書房)
- 第33回(2023年)- 藤原貞朗 『共和国の美術―フランス美術史編纂と保守/学芸員の時代―』(名古屋大学出版会)
- 第34回(2024年)- 鈴木晶 『ニジンスキー 踊る神と呼ばれた男』(みすず書房)