遺物包含層
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遺物包含層(いぶつほうがんそう)とは、考古学用語の1つで、土地に堆積した土層のうち、土器や石器などの考古資料(遺物)を包含する(内部に含んでいる)層のこと。いわゆる遺跡のある土地(周知の埋蔵文化財包蔵地)を構成する土層であり、それ自体が重要な考古資料である。
概要
[編集]岩陰遺跡や洞窟遺跡などにおいて、竪穴建物跡のような有形の遺構が形成されない場合、遺物包含層がそのまま遺跡となる。地表面で確認できる遺物散布地(遺物散列地)に対する語。遺物包含地ともいう。
文化層とも同義であるが、文化層は特に遺構を伴う土層という意味合いを含むことがあるとされる[1]。
明治時代から用いられている語であるが、今日では、「後世の撹乱がない遺物を含む土層」という意味合いで用いられることが多い。
考古学と、その主たる研究方法である発掘調査の技術的進歩により確立された、層位学的研究法から生じた概念である。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 歴博大学院セミナー『考古資料と歴史学』(国立歴史民俗博物館編、吉川弘文館、1999年)ISBN 978-4642077545
- 文化庁「第Ⅳ章:土層の認識と表土・包含層の発掘・第1節:遺跡における土層の認識」『発掘調査のてびき-集落遺跡発掘編-』同成社、2010年5月、94頁。ISBN 9784886215253。