酒井朝彦
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酒井 朝彦(さかい あさひこ、1894年10月1日 - 1969年5月25日)は、日本の児童文学作家。 本名・酒井 源一。教師、編集者をへて創作に専念。1961から1962年、第5代日本児童文学者協会会長[1]。
経歴
[編集]長野県下伊那郡竜丘村(現飯田市)の母の実家に生まれ、1900年、5歳の時に父に死別し木曽の定勝寺に預けられた。小学校卒業後上京し、旧制東京中学を経て早稲田大学英文科に進む。1920年に卒業。その後、働きながら小川未明のネオ・ロマンチィズムに傾倒し童話を書き始める。1924年、未明の推薦により東京朝日新聞に「天に登った蛍」を発表。同年、同人誌『童話時代』を創刊。同誌休刊後、1928年に千葉省三、伊藤貴麿らと同人誌『童話文学』を創刊。同誌は休刊後、1935年に稲垣足穂らを加えて『児童文学』に改題して1937年まで続けた。戦後の1946年には、文部省国語教科書編集委員や児童文学者協会(のちに日本児童文学者協会と改称)の設立に関わる。1961年創作民話『新・信州むかし話』で未明文学賞を受賞。1961年から1962年にかけて第5代日本児童文学者協会会長となる。1969年に死去。1978年に代表作をまとめた童話集『雪の夜の子馬』が刊行された。
著書
[編集]- 『木馬のゆめ』(初山滋絵、金蘭社) 1930
- 『優等童話一年生 國定準據繪入』(日本圖書出版) 1936
- 『ひらがな童話集』(川上四郎絵、金の星社) 1939
- 『雪とうさぎ 創作童話』(初山滋絵、童話春秋社) 1939
- 『酒井朝彦童話 4年生』(文昭社) 1940
- 『いたちと子供』(熊谷元一絵、金の星社) 1941
- 『ふるさとの門』(教養社) 1941
- 『雪国の子供』(文昭社) 1941
- 『土に生きる少年』(大石哲路絵、フタバ書院成光館) 1942
- 『雪にかがやく塔』(渡部菊二絵、金蘭社) 1942
- 『読書村の春 童話』(初山滋挿絵、文苑社) 1942
- 『山国の風土記』(熊谷元一絵、三省堂) 1943
- 『ユキグニノオマツリ』(武井武雄画、中央出版創立事務所) 1944
- 『田んぼの風祭 長篇童話』(東亜春秋社) 1946
- 『春の雪祭 童話』(愛育社) 1946
- 『芽ぐむ春』(中尾彰絵、昭和出版) 1946
- 『子供の田園』(鈴木信太郎絵、啓文館) 1947
- 『春のラッパ 童話集』(弘文社) 1947
- 『ふるさとの絵本 夏の巻』(熊谷元一絵、宮島書店) 1947
- 『ふるさとの繪本 春の巻』(武井武雄画、宮島書店) 1947
- 『春の雪の門』(鈴木信太郎絵、広島図書) 1948
- 『雪国の絵本』(安泰絵、香柏書房) 1948
- 『雪にすむ鳥』(鈴木信太郎絵、雁書房) 1948
- 『ゆきむすめ』(初山滋絵、桜井書店) 1948
- 『母とかやの実』(鈴木信太郎絵、東西社) 1949
- 『ふるさとの花鳥』(安泰絵、広島図書) 1950
- 『酒井朝彦童話』(山下大五郎絵、金子書房) 1952
- 『うめの花と貝がら』(木俣武絵、筑摩書房) 1953
- 『ナイチンゲール』(朝倉摂絵、金子書房、少年少女新伝記文庫) 1954
- 『山の花・古びな』(中尾彰絵、牧書店) 1955
- 『母のふるさと』(山下大五郎絵、泰光堂) 1956
- 『シュヴァイツァー』(小坂茂絵、あかね書房、小学生伝記全集) 1958
- 『少年少女文学風土記 ふるさとを訪ねて 1 長野』(編、泰光堂) 1958
- 『昭和児童文学全集4 塚原健二郎・酒井朝彦集』(東西文明社) 1958
- 『新信濃むかし話』(武井武雄絵、未来社) 1961
- 『子うまのゆめ』(小坂茂絵、ポプラ社) 1963
- 『少年少女日本文学全集9 浜田広介・塚原健二郎・酒井朝彦集』(講談社) 1963
- 『世界の偉人 ノーベル賞に輝く人びと』(武部本一郎絵、あかね書房、小学生偉人全集) 1963
翻訳・再話
[編集]- 『水の国の赤ん坊』(チャールズ・キングズリー、平凡社) 1931
- 『白い象の野原 印度童話集』(初山滋絵、増進堂、大東亜圏童話叢書) 1943
- 『金のしか インド童話』(上田次郎絵、日本書房) 1953
- 『ワグナーの歌劇物語』(田中良絵、ポプラ社) 1955
- 『海の子ロニイ』(エクトル・マロ、編著、宮本孝絵、保育社の幼年名作全集) 1957
- 『こうのとりになった王さま』(ヴィルヘルム・ハウフ、あさいやすお絵、同和春秋社) 1957
- 『古塔の宝』(フランクリン・ディクスン原作、西沢富絵、保育社の探偵冒険全集) 1957
- 『宇治拾遺物語』(編著、池田仙三郎絵、ポプラ社) 1965
- 『せむしのこうま』(ピョートル・パーヴロウィチ・エルショーフ、三好碩也絵 集英社) 1966
- 『ものしりのろば』(セギュール夫人原作、芝美千世絵、日本書房) 1966
- 『若草物語』(ルイザ・メイ・オルコット、小坂しげる絵、講談社) 1966
- 『エジソン』(メドクロフト、講談社、世界の名作図書館) 1967
- 『名犬バックのぼうけん』(ジャック・ロンドン原作、芝美千世絵、日本書房) 1967
ほかアンデルセン、スピリなど多数。
脚注
[編集]参照
[編集]- 郷土ゆかりの作家紹介
- 「酒井朝彦」(高橋忠治、東京書籍、日本児童文学学会編『児童文学事典』) 1988