野村誠
野村 誠(のむら まこと、1968年10月4日 - )は、日本の作曲家、鍵盤ハーモニカ奏者、ピアニスト。音楽活動のみならず、美術や演劇などの幅広い分野で活動。しょうぎ作曲という、独自の共同作曲法を開発。自身のワークショップ等で多用する。鍵盤ハーモニカ・オーケストラ「P-ブロッ」のリーダー。NPO法人芸術家と子どもたち理事。コラボシアター・フェスティバルディレクター。
経歴
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1968年 名古屋生まれ。京都大学理学部数学科卒業。ピアノを遠藤誠津子に師事。作曲は独学。京都大学入学後は即興演奏に明け暮れ、ピアニストの大井浩明とも親しく交わる。友人と結成したバンド「pou-fou」がSMEJのオーディションでグランプリを受賞、CDデビュー。NHKの音楽番組「私達新音楽人です」にも出演。
1994年 ブリティッシュ・カウンシルの助成金を得て、渡英。ヨーク大学を拠点にイギリス各地で音楽活動。1995年に帰国後、鍵盤ハーモニカを用いた路上演奏を始める。
1996年 JCC ART AWARDSの現代音楽部門最優秀賞を受賞。
1997年 国立武蔵野学院で音楽を指導。1998年 富山大学非常勤講師(現代文化)。
1999年 さくら苑にてお年寄りとの共同作曲をはじめる。長期プロジェクトになり、朝日新聞の「天声人語」にも掲載。
2002年 東京藝術大学音楽環境創造科非常勤講師。2003年 第1回アサヒビール芸術賞受賞。
2005年 横浜トリエンナーレに出品。2006年 NHK教育テレビ「あいのて」音楽・音響監修。
2012年から開催された釜ヶ崎芸術大学で講師を務める[1]。
代表作
[編集]ピアノ曲
[編集]- たぬきときつね
- ONIの衰退(全5楽章)
- たまごをもって家出する
- DVがなくなる日のためのインテルメッツォ(クラリネット版も)
- 2台ピアノのための「ナマムギ・ナマゴメ」
- 2台ピアノのための「パニック青二才」
鍵盤ハーモニカ
[編集]- 八重奏「神戸のホケット」
- 五重奏「あたまがトンビ」
- 鍵ハモ・ミュージカル「でみこの一生」(P-ブロッによる共同制作)
アコーディオン
[編集]- 誰といますか?
- アコーディオンとピアノのための「ウマとの音楽」
- 「ブログ音楽」(鶴見幸代と共同作曲、20曲から成るアコーディオンの小品集)
- アコーディオンとピアノの「動物の演劇」(山下残演出の舞台のための音楽)
オルガン
[編集]- 電子オルガンのための「FとIはささいなことでけんかした」
- 組曲「オルガンスープ」
室内楽・合奏
[編集]- クラリネット、箏、パーカッション、マリンバ、コントラバスのための「自閉症者の即興音楽」
- マリンバとピアノのための「くつがえさー音頭」
- マリンバとピアノのための「てぬき」
- 「宇宙ですてぃにー ワニバレエ」(京都・平盛小学校で4年生とアーティストによる)
- でしでしでし
管弦楽
[編集]- ピアノ協奏曲「だるまさん作曲中」
- 弦楽四重奏「アートサーカス」
- 弦楽四重奏「ズーラシア」
- しょうぎ交響曲第1番「ちんどん人生」、第2番「どこ行くの」、第3番「開館」
ガムラン
[編集]- 踊れ!ベートーヴェン
- せみ
- ペペロペロ
- さるう(ワークショップ参加者と)
- だいんだいん(ワークショップ参加者と)
- 青ダルマどん(ワークショップ参加者と)
- ガムラン楽舞劇「桃太郎」
- タリック・タンバン(サントリーホールサマーフェスティバル2023)
箏・和楽器
[編集]- 箏曲「押亀のエテュード」
- 箏曲「りす」
- 箏アンサンブル「せみbongo」
- 三味線と箏と笙と打楽器による 「つん、こいつめ」
総合音楽劇
[編集]- ホエールトーン・オペラ(日英のアーティストと宮城・大河原町周辺の住民による)
- 演劇交響曲第一番「十年音泉」 (野村は総合監修)
野村幸弘との映像作品
[編集]- 「学校の音楽」
- 「体育館の音楽」
- 「屋上の音楽」
- 「城址公園の音楽」
- 「武家屋敷の音楽」
- 「モダンアートの音楽」
- 「ズーラシアの音楽」
- 「取手の音楽」
など
その他のプロジェクト
[編集]- 小学生とのワークショップ「火の音楽会」(神戸市立自然の家)
- インプロピクニック
- 仕掛けあいプロジェクト「あーだ・こーだ・けーだ(ACD)」(取手アートプロジェクト2006)
個展
[編集]- 音楽ノ未来・野村誠の世界(計4回、2003~2006、滋賀県・碧水ホール)
エピソード
[編集]小学生時代、学校の作文で尊敬する人にバルトークをあげ、怪しまれる。
天文少年で、当時は毎日望遠鏡で空の星を観察していた。
高校時代、作曲家の戸島美喜夫を訪ね、音大受験のためのレッスンを受けようと思う。しかし、戸島に「先生に言われた通りに曲を直すようでは、一流にはなれない」と言われ、音大を受験しないことを決意した。
お年寄りとの共同作曲が注目され新聞、雑誌、テレビなど様々なメディアで話題になり、最初は嬉しいと思ったが、活動が誤解されてしまいそうな記事、勉強不足で取材に来る記者などにうんざりしたという。そんな中で、NHKアナウンサー野方正俊は「野村さんとは、台本を見ずに自由に話をしたい」と生放送にもかかわらず、台本を全く見ずにインタビューをし、野村を喜ばせた。
CD
[編集]- しょうぎ交響曲の誕生~しょうぎ作曲の現在とオーケストラの新潮流(山口情報芸術センター)
- せみ(Steinhand)
- P-ブロッ(P-ブロッ自主制作)鍵盤ハーモニカアンサンブル「P-ブロッ」の作品集。
- INTERMEZZO(エアープレーンレーベル) カウンセラー草柳和之からの委嘱による。
著書
[編集]- 路上日記(ペヨトル工房)
- 老人ホームに音楽がひびく~作曲家になったお年寄り(晶文社) 大沢久子との共著。
- 音・リズム・からだ(民衆社) 林加奈+鈴木潤との共著(服部敬子解説)。
- 即興演奏ってどうやるの(あおぞら音楽社) CD付、片岡祐介との共著。
ほか、雑誌等への寄稿多数。
脚注
[編集]出典
[編集]外部リンク
[編集]- 野村誠のページ(公式サイト) - ウェイバックマシン(2004年9月24日アーカイブ分)
- 野村誠の作曲日記(ブログ)
- 野村誠がリーダーの鍵盤ハーモニカ合奏団「P-ブロッ」 - ウェイバックマシン(2007年1月4日アーカイブ分)
- ※野村の楽譜取り扱い マザーアース株式会社