釘宮陽一郎
釘宮 陽一郎(くぎみや よういちろう、1961年〈昭和36年〉11月27日 - )は、日本の映像ディレクター、プロデューサー、実業家[1]。神奈川出身。
有限会社トラッシュスタジオ代表取締役社長。2021年「ショッツアワード」アニメーション部門審査員。
来歴・人物
[編集]日本大学生産工学部卒業後、友人の漫画家長谷川裕一のアシスタント[2]、H-IIロケットのシステムエンジニアを経て、タイトーに就職した[1]。販促・宣伝マンとしてゲーム作品のCM、プロモーション映像を手がける。2001年「ガラクタ名作劇場ラクガキ王国」(PS2)では、宣伝プロデューサーを担当した[1]。同ゲームでは、スタジオジブリ作品「ギブリーズepisode2」とのタイアップ、スタジオジブリ協力で、アドシネ、エンディングアニメーション(演出:田辺修 作画監督:佐藤好春)を制作するなど[3]、その時代のプロモーション活動は、WEB記事で紹介されている[4]。
2004年、アニメーション・ゲームの企画制作会社「有限会社トラッシュスタジオ」を設立[1]。主にアニメーションを用いたプロモーション映像、劇場用映画の企画・制作を手がける。アニメーターの佐藤好春、山下明彦を制作作品に多く起用している[5][6][7]。
その関係で、トラッシュスタジオHPには、佐藤好春、山下明彦の公認情報を併設して、TVCMの作画資料やオリジナルイラストを公開している[8][9]。
2015年には、アニメーションプロデューサーとして大同生命のTVCMを制作。同社の創立者の一人「広岡浅子」のアニメーションCM制作秘話をWEBニュースのインタビューで語っている[10]。
TVアニメCMシリーズでは、2006年から続く九州生乳販連「九州生まれの牛乳」[11]と九州の製パンメーカーフランソア[12]のCMが長期シリーズとなっていて、2017年、フランソア「スローブレッド」シリーズの10年分のCMのアニメシーンを繋いで、再構成した「カシスとアルルの物語」がWEBに公開され話題となった[13]。
また、同年11月、これまでの経験を生かしたアニメーションの参考書(レシピ本)「佐藤好春と考えるキャラクターとアニメーションの描き方」(イラスト:佐藤好春)をナツメ社から出版する[14]。
また、幻灯機やシネコルト、ステレオスコープなどの光学玩具のコレクターであり、アニメーションの制作原画などの収集品は、原画展などに貸出をしている。
スタジオジブリの鈴木敏夫とは親交があり、趣味の映写機を鈴木に提供したり[15]、鈴木が『キネマ旬報』に寄稿した映画宣伝に関する記事で言及されたりしている[16]。
作品
[編集]アニメーション制作
[編集]- ジェットでGO! OPCGアニメーション(監修)2000年
- コスモウォーリア零 OPアニメーション(演出・コンテ)2000年
- ガラクタ名作劇場「ラクガキ王国」 EDアニメーション (宣伝プロデューサー)2001年
- 魔法使いハーレイのスピードストーリー(制作監修)2010年
- ちきゅうをみつめて(アニメーション監修)2011年
- コクリコ坂から(制作業務)2011年
- 風立ちぬ(制作業務)2013年
- かぐや姫の物語(制作業務)2013年
- 思い出のマーニー(制作業務)2014年
- アーヤと魔女 映画公開版(制作業務)2021年
- 君たちはどう生きるか(制作業務)2023年
プロモーション映像制作
[編集]- パズルボブル4 TVCM(演出・制作)1998年
- スーパーパズルボブル TVCM(演出・制作)1999年
- ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国 アドシネ(プロデューサー)2002年
- アスカコーポレーション TVCM 森のココロコロ 始まり編。出会い編 (設定・制作・監修)2006年~2007年
- 九州生乳販連 TVアニメCM・販促品デザイン・設定制作・監修 4作品(設定・制作)2007年~2022年
- マックスバリュ九州 TVアニメCMシリーズ・設定制作・監修 1作品(設定・制作)2008年
- フランソア TVアニメCMシリーズ・設定制作・監修(設定・制作)2007年~2017年
- 薩摩酒造(さつま白波) TVアニメCM・設定制作・監修(設定・制作)2015年
- 大同生命TVCM TVアニメ制作(プロデューサー)2015年
- こもれび森のイバライド プロット制作・TVアニメ制作(企画・プロデューサー)2016年
- 花王 WEBムービー 消臭ストロングシリーズ 親子は続くよ編(プロデューサ)2017年
- グリーンコープ TVアニメCMシリーズ (プロデューサー)2018年
- 花王 春のしあわせ咲く咲くフェア WEBアニメ(デザイン監修・プロデューサー)2019年
- 友晃電気リクルートアニメ WEBアニメ(プロデューサー)2019年
- 花王 春のしあわせ咲く咲くフェア など 花王 WEB・店頭キャンペーンデザイン監修・WEBアニメ (プロデューサー)2019年~2022
執筆
[編集]- 漫画 大奥物語 延命院事件 1989年
- 絵本 森のココロコロ(物語執筆) ミュゼ・アスカ連載 アスカコーポレーション機関誌 2006年~2007年
- 漫画市 アップルBOXクリエート 光学玩具シネコルト考 2016年
- 佐藤好春と考えるキャラクターとアニメーションの描き方 ナツメ社 2017年
出演番組
[編集]※レギュラーのみ
関連記事
[編集]- 「ラクガキ王国 対談 渡辺修司×釘宮陽一郎 情操教育に最適」『CONTINUE』VOL.5、太田出版、2002年6月1日
- 「パンCM、ふんわり5年 福岡・新宮町」朝日新聞九州版、2012年5月18日(P31)
- 「プロデューサー 作品を世に出す仕事 鈴木敏夫×釘宮陽一郎」『SPOT』VOL.6、SPOT編集部 2017年4月16日(P11-P22)
脚注
[編集]- ^ a b c d プロフィール - トラッシュスタジオ
- ^ “長谷川裕一公式ブログ”. 2024年1月7日閲覧。
- ^ 『ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国(PS2) タイトー ゲーム解説書(P28)』。
- ^ “Real Soundテック「ラクガキ音楽」の系譜 ーー『ラクガキ王国』~『ラクガキ キングダム』までの歩みを振り返る 2021年7月5日”. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “ねとらぼ ジブリ作品作画監督・佐藤好春さんが手がけるパンCMが完全にジブリクオリティ”. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “三鷹ネットワーク大学”. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “「キャラクターデザインと作画」 山下明彦 イラストノート 2017年NO43 誠文堂新光社 (P36-P41)”. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “佐藤好春公認情報”. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “山下明彦公認情報”. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “エキレビ! 「なつぞら」に原画参加した佐藤好春は「あさが来た」のモデル広岡浅子のアニメも作っていた”. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “九州生乳販連HP 九州LOVE MILK CLUB”. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “フランソアHP フランソアのCM アニメシリーズ”. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “電ホビWEB 10周年記念!フランソア「スローブレッド」Web限定動画公開!『となりのトトロ』作画監督の佐藤好春氏が描き続けたCMの集大成”. 2024年1月7日閲覧。
- ^ “ナツメ社HP”. 2024年1月7日閲覧。
- ^ ジブリ日誌2007年1月 - スタジオジブリ(1月12日の箇所を参照)
- ^ 鈴木敏夫「映画宣伝の30年」『キネマ旬報』2016年7月上旬号、p.46