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阪神記念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

阪神記念(はんしんきねん)とは日本日本中央競馬会阪神競馬場2400メートルで施行していた中央競馬重賞競走である[1]。競走名は阪神競馬場から冠名が取られている。

5歳(現表記4歳)以上の[1]サラブレッド系競走馬によるハンデキャップ[1]混合競走で、1着賞金は当時の金額で60万円だった。1955年から1956年までの2年間だけ施行され、1956年を最後に廃止されたというのが2012年現在に伝えられる記録であり、中央競馬ピーアール・センター発行の『中央競馬レコードブック』、および2006年発行の『中央競馬全競走成績集 【障害・廃止競走編】』においてもこの2年分のみ収録されている[1][2]。しかし競馬評論家の山野浩一によればこの記録には不備があり、実際には1934年ごろから年2回、1953年から年1回施行されていた[3]

本競走の機能を引き継ぐ形で1957年に「宝塚盃」(のちの阪急杯)が新設された[4]

歴史

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  • 1934年 - 鳴尾競馬場の土3400mにて、4歳(現3歳)以上の馬によるハンデキャップの混合の特殊競走として新設。
  • 1943年
    • 春 - 土2700mにて施行。
    • 秋 - 京都競馬場の芝3400mにて施行。
  • 1944年春 - 京都競馬場の芝2400mにて施行。
  • 1944年秋〜1949年春 - 中止。
  • 1949年秋 - 阪神競馬場の芝3300mにて再開。
  • 1950年春〜1951年春 - 芝2600mにて施行。
  • 1951年秋 - 芝2000mにて施行。
  • 1952年春〜 - 芝2400mにて施行。
  • 1953年 - この年より、年1回施行となる。
  • 1956年 - この年を最後に廃止。

歴代優勝馬

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馬齢は2001年以降の表記に統一する。

出走馬に外国産馬が非常に多かった。

回数 施行日 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1934年12月15日 クラミン[5]
(クラミゾ[6][注 1]
牡3 3:47 0/5 永松馨 荒木兵蔵[6]
第2回 1935年4月13日 サラナック[6] 牡5 3:44 2/5 大久保亀治 眞田進次郎[6]
第3回 1935年11月16日 キンチャン[6] 牝4 3:51 1/5 大久保石松 吉村一三[6]
第4回 1936年4月11日 スモールジヤツク[6] 牡4 3:42 0/5 諏訪佐市 乾新三[6]
第5回 1936年11月2日 クレオパトラトマス 牝4 3:46 2/5 伊藤勝吉 東松孝時
第6回 1937年4月17日 リヨウゴク 牡4 3:43 0/5 大久保亀治 尾形景造 エス・テー
第7回 1937年11月22日 タイシ 牡3 3:47 4/5 大久保亀治
第8回 1938年5月13日 モアーザン 牡6 3:52 3/5 斉藤友吉 仲住達弥 井上四一
第9回 1938年11月20日 ガイカ 牡4 3:48 1/5 大久保亀治 尾形景造 エス・テー
第10回 1939年5月19日 タエヤマ 牡4 3:41 0/5 赤石孔 松尾嘉右衛門
第11回 1939年10月15日 ウオアグロウリ 牡3 3:42 4/5 中村広 尾形景造 石川勇
第12回 1940年5月12日 トキノチカラ 牡4 3:39 1/5 小西喜蔵 田中和一郎 菊池寛
第13回 1940年10月13日 ゴーフオード 牡4 3:43 4/5 伊藤勝吉 平野才一
第14回 1941年4月20日 クモゼキ 牝4 3:44 2/5 稗田十七二 伊勢健二 井関喜一郞
第15回 1941年10月4日 クモゼキ 牝4 3:46 1/5 稗田十七二 伊勢健二 井関喜一郞
第16回 1942年4月26日 テツエイキ 牡4 3:42 1/5 佐藤勇 伊藤勝吉 樋口正一
第17回 1942年10月4日 テツエイキ 牡4 3:41 1/5 佐藤勇 伊藤勝吉 樋口正一
第18回 1943年4月18日 ユウセン 牡4 2:53 2/5 岡島実次 仲住達弥 井上四一
第19回 1943年10月10日 ダイゴアジカワ 牝4 3:52 0/5 梶与四松 美馬信治 富田荒太郞
第20回 1944年5月13日 ヒロサクラ 牡4 2:34 4/5 渋川久作 鶴丸広太郎
第21回 1949年12月18日 エゾテツザン 牡4 3:47 4/5 上田三千夫 上田武司
第22回 1950年5月7日 ナスノタケ 牡4 2:47 1/5 清田十一 伊藤勝吉 長峰常次郎
第23回 1950年10月1日 エゾテツザン 牡5 2:45 0/5 上田三千夫 上田武司
第24回 1951年4月15日 オーエンス 牡5 2:44 3/5 土門健司 松田由太郎 桶谷辰造
第25回 1951年9月16日 ツキカワ 牝3 2:07 0/5 清田十一 伊藤勝吉 仁木清七
第26回 1952年4月6日 トラツクオー 牡4 2:35 0/5 小林稔 久保田金造 岩本政一
第27回 1952年9月28日 ツキカワ 牝4 2:34 4/5 清田十一 伊藤勝吉 仁木清七
第28回 1953年4月12日 クインナルビー 牝4 2:32 4/5 境勝太郎 石門虎吉 高橋虎男
第29回 1954年10月10日 ボストニアン 牡4 2:31 2/5 梅内慶蔵 増本勇 岡本治一
第30回 1955年4月3日 ミツサクラ 牡5 2:32 1/5 坪重兵衛 松元正雄 西村光之助
第31回 1956年5月13日 フアイナルスコア 牡6 2:31 1/5 近藤武夫 伊藤勝吉 仁木清七
  1. ^ 同馬の馬名は「クラミン」とする文献と「クラミゾ」とする文献がある。

中央競馬全競走成績集(291-292頁)によると1955年は回次なし、1956年は「第30回」と記載されている。

参考文献

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  • 「阪神記念」『中央競馬全競走成績集 【障害・廃止競走編】』日本中央競馬会、2006年、289-292頁。 
  • 『阪神競馬倶楽部三十年沿革史』(阪神競馬場50年史別冊),日本中央競馬会 阪神競馬場,1999
  • 『昭和種牝馬総覧』,中條忠一・編著,競馬ガイド・刊,1936

脚注

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  1. ^ a b c d 中央競馬ピーアール・センター「廃止された重賞競走」『中央競馬レコードブック1998』(初刷)中央競馬ピーアール・センター、1998年4月11日、236頁。ISBN 4-924426-56-3 
  2. ^ 中央競馬全競走成績集、291-292頁
  3. ^ 山野浩一「作家リレー特集(4) 重賞レースの考察」『優駿』、日本中央競馬会、1972年4月、14頁。 
  4. ^ 今週の注目レース - 阪急杯 歴史”. 日本中央競馬会 (2012年). 2012年9月10日閲覧。
  5. ^ 『昭和種牝馬総覧』p234
  6. ^ a b c d e f g h 『阪神競馬倶楽部三十年沿革史』(阪神競馬場50年史別冊),日本中央競馬会 阪神競馬場,1999,p58