阿保神社
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阿保神社 | |
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所在地 | 大阪府松原市阿保5-4-19 |
位置 | 北緯34度34分55.58秒 東経135度33分25.77秒 / 北緯34.5821056度 東経135.5571583度座標: 北緯34度34分55.58秒 東経135度33分25.77秒 / 北緯34.5821056度 東経135.5571583度 |
主祭神 |
菅原道真 阿保親王 市杵島姫命 |
社格等 | 旧村社 |
創建 | 不詳 |
本殿の様式 | 流造 |
地図 |
阿保神社(あおじんじゃ)は、大阪府松原市阿保5丁目にある神社[1]。海泉池の北側に位置する[2]。祭神は菅原道真(本殿)、阿保親王(阿保親王社)、市杵島姫命(厳島神社)の三神。旧社格は村社[3][4]。境内には1200年前の阿保親王お手植えと伝わる大くすの木、めおとくすの木、社務所横のくすの木の3本のご神木がそびえる[5]。
阿保神社、屯倉神社、柴籬神社、布忍神社、我堂八幡宮(ここまで松原市)、阿麻美許曽神社(大阪府東住吉区)の6社で「開運松原六社参り」を行っている[6][7]。
祭神
[編集]由緒
[編集]海泉池の北側に展開する阿保集落にある阿保親王邸宅跡の西方にあり[8]、創建は明らかではない。社伝によると本殿は慶長13年(1608年)の再建を記す棟札があったと伝えるが現在では所在不明であり、その後の記録も見出されていない[9]。「阿保(あお)」の名は阿保親王に由来し[5][3]、本殿前には「史跡阿保親王住居址」の石碑が建つ[10]。阿保茶屋の近くにある稚児が池(親王池)は、阿保親王が農民のために築いたと伝わる[11][3]。
1872年(明治5年)には近代社格制度で村社に列せられた[3]。明治・大正・昭和にかけて、松原では村人らによる村相撲が盛んであり、阿保神社、屯倉神社、柴籬神社などの神社に土俵が設けられた[12]。
2022年(令和4年)1月[13]、約150年ぶりに大鳥居が建て替えられた[6]。
境内
[編集]- 本殿
- 本殿の建立年代には疑問が残るが、ひとまず17世紀中頃と考えておく。一間社流造銅板葺で覆屋内にある。丹塗が施されているが、この彩色が当時のものか明らかではない[9]。
- 拝殿
- 拝殿は天保13年(1842年)12月に再建された[14]。拝殿の格天井には48枚の花卉図が描かれており、拝殿の再建と同時期の江戸時代後期とみられる[15]。今後の修復保存事業のために、咲くやこの花館の久山敦名誉館長の協力を得て植物名の同定作業を行っている[15]。
- 阿保親王社
- 厳島神社
- 小字・蛭半才の弁天山にあった神社を、1873年(明治6年)阿保神社に合祀した[16]。市杵島姫命を祀る。
- 大鳥居
- 2022年(令和4年)1月に再建[8]。
- 社務所
- 遥拝所
- 手水舎
- 大くすの木
- 幹周4.85メートル、樹高20メートルで、推定樹齢は300年以上である[17]。阿保親王お手植えと伝わり、松原市制施行60周年を記念して発行された『まつばらいろはかるた』には「楠大樹 千年と伝う 阿保神社」という絵札がある[18][19]。松原市の社寺林では最も多くの社寺でみられるのがクスノキである[20]。
- めおとくすの木
- 社務所横のくすの木
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鳥居
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阿保親王社・厳島神社
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大くすの木
現地情報
[編集]脚注
[編集]- ^ “阿保神社(あおじんじゃ)”. 大阪府神社庁ホームページ. 大阪府神社庁. 2023年10月2日閲覧。
- ^ 松原市、島田暁『松原市史資料集 第9号 (松原市の考古誌)』松原市、1978年3月、62-63頁 。2023年11月2日閲覧。
- ^ a b c d e 井上正雄『大阪府全志 巻之四』清文堂出版、1922年、681-682頁 。
- ^ 『松原市史資料集第8号 壱村限取調調』松原市役所、1977年、52頁。
- ^ a b “阿保神社”. 阿保神社. 2023年10月1日閲覧。
- ^ a b “開運松原六社参り”. 松原市観光協会. 松原市観光協会. 2023年10月1日閲覧。
- ^ 来村多加史、2012、「開運松原六社参りの役割と展開 (PDF) 」 、『阪南論集. 人文・自然科学編』47巻2号、阪南大学学会、ISSN 03881822 pp. 137-142
- ^ a b “阿保神社外観”. 文化遺産オンライン. 2023年10月4日閲覧。
- ^ a b 『大阪府の近世社寺建築』大阪府教育委員会文化財保護課、1987年、407頁。
- ^ 西田孝司、松原市教育委員会『松原歴史ウォーク 1北東コース』松原市、大阪府松原市、2015年10月、6頁 。
- ^ 松原市史編さん委員会『松原市史 第1巻』松原市、1985年、186頁。
- ^ 松原警察署編集委員会『松原警察署史 土地の歴史と人のくらし』松原警察署、1984年、222-224頁。
- ^ “阿保神社の外観”. 文化遺産オンライン. 2023年10月1日閲覧。
- ^ “阿保神社境内のご案内”. 阿保神社. 2023年10月1日閲覧。
- ^ a b “花天井・修復保存事業について”. 阿保神社. 2023年10月1日閲覧。
- ^ a b “阿保親王社・厳島神社 社殿”. 文化遺産オンライン. 2023年10月1日閲覧。
- ^ 松原の郷土を知る会『松原の樹木』松原の郷土を知る会,一般財団法人松原市文化情報振興事業団、松原市上田7丁目11-19、2015年3月30日、2頁 。2023年10月2日閲覧。
- ^ “『まつばらいろはかるた』絵札”. 文化遺産オンライン. 2023年10月1日閲覧。
- ^ “まつばらいろはかるた”. 松原市ホームページ. 2023年10月2日閲覧。
- ^ 松原市史編さん委員会『松原市史 第1巻』松原市、1985年、50-51頁。
参考文献
[編集]- 松原市史編さん委員会『松原市史 第1巻』松原市、1985年
- 『松原市史資料集第8号 壱村限取調調』松原市役所、1977年
- 松原市、島田暁『松原市史資料集 第9号 (松原市の考古誌)』松原市、1978年
- 井上正雄『大阪府全志 巻之四』清文堂出版、1922年
- 『大阪府の近世社寺建築』大阪府教育委員会文化財保護課、1987年
- 『松原歴史ウォーク 1北東コース』松原市、2015年
- 松原警察署編集委員会『松原警察署史 土地の歴史と人のくらし』松原警察署、1984年
外部リンク
[編集]- 公式ウェブサイト
- 阿保神社外観 - 文化遺産オンライン
- 阿保神社のくす - 文化遺産オンライン
- 阿保親王社・厳島神社 社殿 - 文化遺産オンライン