青函フェリー
函館ターミナル (北海道函館市) | |
種類 | 株式会社 |
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略称 | SEIKAN |
本社所在地 |
日本 〒040-0076 北海道函館市海岸町22番5号 北緯41度46分57.5秒 東経140度43分38.1秒 / 北緯41.782639度 東経140.727250度座標: 北緯41度46分57.5秒 東経140度43分38.1秒 / 北緯41.782639度 東経140.727250度 |
設立 | 2022年4月1日 |
業種 | 海運業 |
法人番号 | 7440002002324 |
事業内容 | 一般旅客定期航路事業 |
主要株主 | 栗林商船 |
外部リンク |
www |
青函フェリー(せいかんフェリー)は、北海道函館市に本社を置く日本の海運会社。 津軽海峡を往来する航路でフェリーを運航している。
概要
[編集]共栄運輸は、1923年4月に株式会社山祐商会として小樽市で設立された後、1941年6月に社名を現在の共栄運輸株式会社に変更、内航運送事業に進出した。1968年6月に本社を函館へ移転した後、1970年9月に貨物船「はやぶさ」(499総トン)を建造して青函航路で自動車航送事業を開始した。北日本海運は、1944年4月に青森海洋筏株式会社として設立された後、青森海運株式会社を経て1960年5月に社名を笹井海運作業株式会社に変更、1962年5月に日本通運傘下となった後、1970年8月に貨物船「第3朝香丸」(678総トン)を就航させた。
両社は1972年4月に青函航路の自動車航送貨物定期航路事業の免許を受けた後、1973年2月に業務提携を行い、窓口業務などを担う有限会社青函フェリーを設立、共同運航を開始した。その後、1985年に笹井海運作業は社名を現在の北日本海運株式会社に変更している[1]。長らく旅客営業を行わない貨物フェリーとして運航していたが、2000年10月の海上運送法の改正により、自動車航送貨物定期航路事業を一般旅客定期航路事業に事業変更して旅客営業を開始した。
2017年12月には共栄運輸が第2種旅行業登録を行い、旅行代理店との契約締結を開始。JAFや日本RV協会(くるま旅クラブ)等との施設割引提携を実施し、青函フェリー往復と北海道内ホテルのセットプラン設定を皮切りに団体客誘客やホテル・飲食店と提携。NEXCO東日本「北海道観光ふりーぱす」の提携、また、船内無料Wi-fiサービスの提供等利用促進を進める[2]。他に、北海道開発局が推進するシーニックバイウェイ北海道に協力企業として参画し北海道内の秀逸な道等をPRする活動を担っている。
2020年7月20日、共栄運輸の親会社でもある栗林商船が北日本海運の全株式を取得することを発表。株式譲渡実行日は同年9月1日[3]。その後2021年には北日本海運の2隻のファンネルマークを共栄運輸のものに変更した。
2022年3月24日、共栄運輸と北日本海運は2022年4月1日付にて合併し青函フェリー株式会社を発足、併せてロゴマーク(企業シンボルマーク)のリニューアルなども発表された[4]。
航路
[編集]- 青森港は津軽海峡フェリーなどと同様に沖館地区を発着するが、津軽海峡フェリーの「青森フェリーターミナル」は別の埠頭となっており青森市内循環バス「ねぶたん号」、高速バス(盛岡・東京方面)などの発着は津軽海峡フェリーターミナルのみである。なお、青函フェリー青森ターミナル前からの二次交通は、HKグループ(北海道交運事業協同組合)の青森タクシーと提携し、青森駅・新青森駅・浅虫温泉をはじめ、青森市内の大学、弘前大学、北里大学(十和田市)を定額で「青函フェリーdeお気軽タクシー」として提携している。尚、2020年より青森市内循環バス「ねぶたん号」が乗り入れとなっている。
- 函館港は以前一般貨物船用岸壁を共用しており、船尾のみを接岸する縦付け係留を行っていたが、アンカーを使用した接岸となるため作業に時間を要すること、岸壁の水深が5.5mで船舶の大型化に対応出来ないこと、岸壁が耐震化されていないことなど問題があった。接岸作業の時間短縮による輸送効率の向上、船舶の大型化への対応、災害時の海上緊急物資輸送の確保のため、「函館港北埠頭地区複合一貫輸送ターミナル整備事業」として約40億円をかけて横付け接岸可能な耐震強化岸壁(水深6.5m、190m×1バース)が整備された。2014年3月28日に新バースの供用を開始、大型化した新造船はやぶさ (4代)が就航、ターミナルの建屋も新築移転した[5]。
- 2017年(平成29年)11月9日から北海道観光バスにより、青函フェリー前 - 上湯川町(函館駅前・湯の川温泉経由)間の路線バスが新設され[6]、青函フェリー函館ターミナル付近に乗車専用・降車専用の各バス停が設置された。2022年10月1日以降は1日1往復のみがフェリーターミナルまで乗り入れる形となり、2023年2月1日からは会社統合により北海道バスの運行となった[7]。
- 函館バスの最寄り停留所は国道227号沿いの「北浜町」停留所、JRの最寄り駅は「五稜郭駅」となる。
船舶
[編集]ファンネルマークは上下に青と白地に赤く栗林グループの社章となる丸に「七」をあしらい、由来は1400年頃に越後で呉服商を興した先代が「七郎治」を名乗り、八代目の五朔翁が新天地室蘭で由緒ある「七郎治」の名前から「七」をとったものとしている[8]。また北日本海運が建造した船舶は白地で中央に黄色と上下に水色の帯や赤い「K」のマークを入れたものとしていた。
運航中の船舶
[編集]- 共栄運輸時代の2014年就航、2,949総トン、旅客定員300人、車両積載数:トラック32台 函館どつく室蘭製作所建造
- 北日本海運時代の2009年就航、2,048総トン、旅客定員198人、車両積載数:トラック25台 ヤマニシ建造
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青森港に停泊する「3号はやぶさ」。
(2008年10月22日) -
津軽海峡を航行する「はやぶさ」(2014年6月30日)
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青森港に停泊する「あさかぜ21」(2009年8月15日)
過去の船舶
[編集]共栄運輸
[編集]- 1970年9月竣工、499総トン[17]。
- 1973年4月竣工、691総トン[17]。
- 1977年3月竣工、函館ドック建造、999.71総トン、全長87.35m、幅15.00m、深さ4.80m、ディーゼル2基、機関出力6,000馬力、航海速力16.0ノット、車両積載数8tトラック25台。1995年6月引退、フィリピンのTrans Asia Shipping Linesに売却→大規模な改造の上、「Trans Asia 2」として就航中。
- 1980年3月竣工、函館ドック建造、999.60総トン、全長87.35m、幅15.00m、深さ4.80m、ディーゼル2基、機関出力6,000馬力、航海速力16.0ノット、車両積載数8tトラック25台。2000年引退。
- 1995年5月竣工、函館どっく建造、1,759総トン→1,777総トン[21]、全長93.02m、幅15.60m、深さ11.00m、ディーゼル、機関出力6,750馬力、航海速力17.7ノット、車両積載数8tトラック43台、旅客定員12名→80名[21]。2014年引退。
- 2000年竣工、函館どっく建造、2,107総トン、全長101.6m、幅15.8m、機関出力8,000馬力、航海速力18.7ノット、車両積載数12mトラック24台・9mトラック3台、旅客定員105名。2024年引退。
北日本海運
[編集]- 1970年8月就航、676総トン。1972年11月改造、999総トン。
- 1974年1月竣工・就航、岡山造船建造、954.90総トン、全長89.71m、幅14.40m、深さ4.80m、ディーゼル2基、機関出力5,600ps、航海速力16.00ノット、11tトラック20台。
- 1981年4月竣工・就航、函館ドック建造、994.57総トン、全長87.35m、幅15.00m、深さ4.80m、ディーゼル2基、機関出力6,000ps、航海速力18.0ノット、11tトラック22台。「あさかぜ5号」就航に伴い1998年引退。
- 1986年3月竣工・就航、山西造船鉄工建造、981総トン→1,134.00総トン[21]、全長88.68m、幅15.00m、深さ4.80m、ディーゼル2基、機関出力6,000ps、航海速力18.0ノット、11tトラック22台、旅客定員12名→55名[21]。2009年「あさかぜ21」就航に伴い引退。フィリピンのセブフェリーに売却→大規模な改造の上、「CEBU FERRY 2」として就航中。
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函館沖を航行する「3号はやぶさ(2代)」
(1986年3月28日) -
津軽海峡を航行する「はやぶさ(3代)」
(2008年10月22日) -
函館港に接岸中の「あさかぜ3号」「第二ひやま」
(1986年3月28日) -
函館港に停泊する「あさかぜ5号」。
(2008年10月22日)
脚注
[編集]- ^ 「北日本海運」に社名変更 笹井海運作業 - 内航近海海運速報版1985年8月10日号(内航ジャーナル)
- ^ 共栄運輸、第2種旅行業に登録 青函フェリー利用のツアーなど造成 - Traicy
- ^ 栗林商船、函館−青森間のフェリー事業を行う北日本海運の全株式取得へ - FISCO
- ^ “青函フェリー | 函館、青森間の快適なフェリー航路”. 青函フェリー. 2022年3月25日閲覧。
- ^ “函館ターミナル移転および運休のお知らせ”. 青函フェリー. 2015年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年6月24日閲覧。
- ^ “市内路線バス【青函フェリー前】”. 北海道バス. 2017年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月21日閲覧。
- ^ “市内路線バス”. 北海道バス. 2023年3月21日閲覧。
- ^ 栗林商船グループ沿革
- ^ “船舶紹介 はやぶさ”. 青函フェリー. 2023年9月19日閲覧。
- ^ “船舶紹介 あさかぜ21”. 青函フェリー. 2023年9月19日閲覧。
- ^ “船舶紹介 はやぶさII”. 青函フェリー. 2023年9月19日閲覧。
- ^ a b “函館どつく、フェリー建造再開 観光需要にらみ新収益源”. 日本経済新聞. (2022年9月1日)
- ^ “【新造船ニュース】2023年3月、青函フェリー待望の新造船が就航となります!(予定)”. 青函フェリー. 2023年1月17日閲覧。
- ^ "2023年3月就航予定の待望の新造船、11月7日に命名・進水式を実施 ~ 船の名は『はやぶさⅡ』~" (Press release). 青函フェリー. 8 November 2022. 2023年9月19日閲覧。
- ^ 青函フェリー. “青函フェリー/2023年3月就航の新造船の名称は「はやぶさII」”. 流通ニュース. 2023年1月17日閲覧。
- ^ "青函航路に、またまたメイドイン函館の新造船!<2024年1月就航予定> 輸送力を大幅アップし「はやぶさⅢ」(スリー)と命名! ~ 今度の船内デザインコンセプトは、青森市! ~" (Press release). 青函フェリー. 25 August 2023. 2023年9月19日閲覧。
- ^ a b 市来清也「貨物フェリーの動向について」 - 運輸と経済1975年5月号(交通経済研究所)
- ^ a b c d 日本船舶明細書 1985 (日本海運集会所 1984)
- ^ 函館―青森 新船相次ぐ フェリー2社 - 朝日新聞、2014年4月21日
- ^ 日本船舶明細書 1997 (日本海運集会所 1996)
- ^ a b c d フェリー・旅客船ガイド 2006年春季号 (日刊海事通信社 2006)
- ^ “船舶紹介 3号はやぶさ”. 青函フェリー. 2023年9月19日閲覧。
- ^ 2023年度冬をもって引退予定“ありがとう「3号はやぶさ」(西暦2000年就航のミレニアム・ファルコン)想い出写真掲載”. 青函フェリー. 2023年9月24日閲覧。
- ^ 日本船舶明細書 1988 (日本海運集会所 1988)
- ^ “船舶紹介 あさかぜ5号”. 青函フェリー. 2023年9月19日閲覧。
- ^ “【引退】さようなら「あさかぜ5号」”. 2023年1月17日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 青函フェリーオンライン
- 共栄運輸株式会社
- 青函フェリー株式会社 (@seikan_ferry) - X(旧Twitter),Facebook)