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静か餅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

静か餅しずか餅(しずかもち)は、栃木県芳賀郡益子町に伝わる音の怪異[1]

概要

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夜中になると遠方から、「コツ、コツ」との粉をはたくような音が聞こえてくる[2]

音が次第に近づいてくることを「餅の中に搗き込まれる」と言って、運が向いてくる兆しとされる。この際には(農作業用の道具の一種)を後ろ手に差し出すと、そこに財産が入ってくるという。逆に音が次第に遠ざかって行くことは「餅の中から搗き出される」と言い、運の衰える兆しとされる[2]

誰にでもこの音が聞こえるわけではなく、聞こえる人と聞こえない人がいるとも言われる[2]

隠れ里の米搗き(かくれざとのこめつき)」ともいい、この音を聞いた者は長者になれるという[2]

アイヌにも似た伝承があり、炉辺で寝ているとき、地中からをつく音が聞こえると、その年は豊作になるといい、綿を入れて搗くようなことが聞こえても豊作、何も入っていない臼を搗くような音なら冷害不作になるという[3]

脚注

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  1. ^ 民俗学研究所編著 著、柳田國男監修 編『綜合日本民俗語彙』 第2巻、平凡社、1955年、691-692頁。 
  2. ^ a b c d 柳田國男『妖怪談義』講談社講談社学術文庫〉、1977年、23-24頁。ISBN 978-4-06-158135-7 
  3. ^ 知里真志保編訳「えぞおばけ列伝」『アイヌ民譚集』岩波書店岩波文庫〉、1981年、189頁。ISBN 978-4-00-320811-3 

関連項目

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