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芳賀郡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
栃木県芳賀郡の範囲

芳賀郡(はがぐん)は、栃木県下野国)の

人口56,861人、面積396.5km²、人口密度143人/km²。(2024年10月1日、推計人口

以下の4町を含む。

郡域

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上記の4町のほか、1878年明治11年)に行政区画として発足した当時の郡域は、現在の行政区画では概ね以下の区域に相当する。

宇都宮市桑島町にあたる区域も、後に当郡域に加わっている。

歴史

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芳賀郡衙推定地の堂法田遺跡
(栃木県真岡市)
  • 和名類聚抄によると、当時管内には古家(フルイヘ)、廣妹(ヒロセ)、遠妹(トヲセ)、物部(モノヘ)、芳賀(ハカ)、若續、承舎、石田(イシタ)、氏家(ウチヘ)、丈部(ハセツカヘ)、財部(タカラヘ)、川口(カハクチ)、眞壁(マカヘ)、新田(ニフタ)の14郷があった。

近代以前の沿革

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  • 旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。幕府領は真岡代官所が管轄。●は村内に寺社領が、○は寺社除地(領主から年貢免除の特権を与えられた土地)が存在。(2町191村)
幕末の知行
知行 村数 村名
幕府領 幕府領 2町
41村
勝瓜村、●谷田貝町、石島村、石島村新田(石島村のうち)、伊勢崎村、●西沼村、●大島村(現真岡市東大島)、●高田村、高田反町村新田、●高岡村、青谷村、君島村、西田井鶴田村新田(西田井村、鶴田村のうち)、●東郷村、●根本村、沖杉新田、島村、八条村、●真岡町[1]、●中郷村、●西郷村、下大田和村、堀内村、田島村、●飯貝村、京泉村、原町新田、赤羽新田、上大田和村、上鷺谷村、下鷺谷村[2]、西高橋村、長島村(現芳賀町)、西水沼村、上籠谷村、氷室村、竹下村、与能村、大郷戸村、●山本村、東田井村、塙村、野高谷村、刈沼村、手彦子村
旗本領 54村 鷲巣村、●太田村、●堀込村、上谷貝村、谷貝新田[3]、大島村(現真岡市西大島)、●下大曽村、茅堤村、鹿村、沖村、●大根田村、東沼村、下村、●阿部品村、阿部岡村、水戸部村、根小屋村、西高間木村、下高間木村、道祖土村、須釜村、●西田井村、鶴田村、上高間木村、東高橋村、上根村、赤羽村、●小宅村、●市塙村、●多田羅村、小泉村、本沼村、梅ヶ内村、北益子村、飯村、小山村、笹原田村、木幡村、九石村、大畑村、所草村、黒田村、●町田村、続谷村、羽仏村、塩田村、見上村、杉山村、田野辺村、●中根村、別府村、塩之目村、給部村、秋場村
一橋徳川家 3村 刈沼新田、道場宿村、板戸村
幕府領・旗本領 22村 砂ヶ原村、上江連村、境村、粕田村、寺分村、下大沼村、上大沼村、寺内村、若旅村、大和田村、横田村、物井村、桑野川村、三谷村、下延生村、●上山村、●中村(現益子町)、●大沢村、下大羽村、小貫村、文谷村、大谷津村
旗本領・一橋徳川家領 2村 大道泉村、柳林村
藩領 常陸谷田部藩 26村 ○芦沼村、●○藤縄村、○槻木村、○高岡村(現茂木町)、○天子村、○石下村、○鮎田村、○福手村、○神井村、○増井村、○三坂村、○林村、○檜山村、○青梅村、○小井戸村、●○馬門村、○河井村、○小深村、○山内村、○河又村、○牧野村、○入郷村、○後郷村、○上菅又村、○下菅又村、○坂井村
下野烏山藩 7村 ●下籠谷村、烏生田村、竹原村、生井村、竹内村、大谷高根沢村、○八ツ木村
下野黒羽藩 5村 清水村、●益子村、●上大羽村[4]、生田目村、上稲毛田村
下野大田原藩 4村 ●大平村、椎谷村、●祖母井村、上延生村
下総結城藩 3村 反町村、東水沼村、前沢村
下野宇都宮藩 2村 ●中村(現真岡市)、小林村
下野吹上藩 1村 打越新田村
宇都宮藩・烏山藩 1村 大瀬村
幕府領・藩領 幕府領・烏山藩 2村 亀山村、鐺山村
幕府領・結城藩 1村 大沼村
旗本領・結城藩 3村 長島村(現真岡市)、八木岡村、長堤村
旗本領・吹上藩 2村 青田村、上大曽村
旗本領・吹上藩・結城藩 2村 古山村、程島村
旗本領・茂木藩 1村 ○飯野村
旗本領・烏山藩・大田原藩・吹上藩 1村 芳志戸村
旗本領・黒羽藩・大田原藩・下野喜連川藩 1村 ●七井村
幕府領・旗本領・烏山藩 2村 長田村、●○刈生田村
幕府領・旗本領・結城藩 1村 加倉村
幕府領・旗本領・黒羽藩 1村 ●深沢村
幕府領・旗本領・大田原藩 1村 ●稲毛田村
一橋徳川家領・喜連川藩 1村 下高根沢村
その他 寺社領 1村 小橋村
  • 慶応4年
  • 明治初年 - 高田反町村新田が高田村に編入。(2町190村)
  • 明治2年
  • 明治3年7月17日(1870年8月13日) - 喜連川藩が廃藩となり、領地を日光県に編入。
  • 明治4年
  • 1873年(明治6年)6月15日 - 宇都宮県が栃木県に合併。
  • 1874年(明治7年) - 沖杉新田が小林村に、別府村が田野辺村に、大谷高根沢村が下高根沢村に、手彦子村・秋場村が芳志戸村にそれぞれ編入。(2町185村)
  • 1875年(明治8年)(3町182村)
    • 藤縄村・槻木村が合併して茂木町となる。
    • 北益子村が益子村に編入。
    • 中根村が千本村に改称。
  • 1876年(明治9年) - 塩之目村が上延生村に編入。(3町181村)
  • 1878年(明治11年)11月8日 - 郡区町村編制法の栃木県での施行により、行政区画としての芳賀郡が発足。真岡町に郡役所を設置。
  • 1879年(明治12年) - 2ヶ所ずつ存在した中村、長島村、大島村、高岡村が、それぞれ南中村(現真岡市)、北中村(現益子町)、南長島村(現真岡市)、北長島村(現芳賀町)、東大島村(現真岡市東大島)、西大島村(現真岡市西大島)、南高岡村(現真岡市)、北高岡村(現茂木町)に改称。

町村制以降の沿革

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1.真岡町 2.大内村 3.中村 4長沼村 5.久下田町 6.物部村 7.山前村 8.田野村 9.益子村 10.七井村 11.逆川村 12.茂木町 13.中川村 14.須藤村 15.小貝村 16.市羽村 17.祖母井村 18.南高根沢村 19.水橋村 20.清原村 (紫:真岡市 緑:宇都宮市 桃:益子町 赤:茂木町 橙:市貝町 黄:芳賀町)
  • 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。(3町17村)
    • 真岡町 ← 真岡荒町、真岡田町、真岡台町、真岡熊倉町、西郷村、東郷村、中郷村、亀山村、上高間木村、西高間木村、下高間木村(現真岡市)
    • 大内村 ← 飯貝村、京泉村、堀内村、上大田和村、下大田和村、原町新田、田島村、赤羽新田、上鷺谷村、下鷺谷村、下籠谷村、清水村(現真岡市)
    • 中村 ← 南中村、若旅村、寺内村、伊勢崎村、茅堤村、小橋村、粕田村、寺分村、上大沼村、下大沼村、大沼村、加倉村、長田村、柳林村、八木岡村、勝瓜村(現真岡市)
    • 長沼村 ← 堀込村、太田村、大道泉村、西大島村、上江連村、鷲巣村、古山村、青田村、砂ヶ原村、上谷貝村、谷貝新田、上大曽村(現真岡市)
    • 久下田町 ← 谷田貝町、南長島村、程島村、境村、下大曽村、石島村、大根田村、阿部品村(現真岡市)
    • 物部村 ← 物井村、横田村、高田村、根小屋村、反町村、三谷村、水戸部村、沖村、鹿村、下村、桑野川村、大和田村、阿部岡村(現真岡市)
    • 山前村 ← 小林村、南高岡村、島村、東大島村、須釜村、道祖土村、君島村、青谷村、八条村、西田井村、鶴田村、東沼村、西沼村、根本村(現真岡市)
    • 田野村 ← 長堤村、小泉村、梅ヶ内村、本沼村、山本村、前沢村、大郷戸村、上山村、東田井村(現益子町)
    • 益子村 ← 益子村、生田目村、上大羽村、下大羽村、塙村(現益子町)
    • 七井村 ← 七井村、大沢村、小宅村、蘆沼村、北中村、大平村(現益子町)
    • 逆川村 ← 小山村、小貫村、深沢村、飯村、木幡村、北高岡村、福手村、天子村(現茂木町)
    • 茂木町 ← 茂木町、神井村、小井戸村、鮎田村、林村、三坂村、増井村、青梅村、檜山村(現茂木町)
    • 中川村 ← 河井村、後郷村、山内村、小深村、河又村、牧野村、入郷村、飯野村、馬門村(現茂木町)
    • 須藤村 ← 千本村、上菅又村、下菅又村、町田村、坂井村、黒田村、生井村、大瀬村、大畑村、烏生田村、九石村、所草村、竹原村(現茂木町)
    • 小貝村 ← 続谷村、田野辺村、文谷村、椎谷村、刈生田村、羽仏村、竹内村、塩田村、杉山村、大谷津村、見上村(現市貝町)
    • 市羽村 ← 市塙村、上根村、赤羽村、多田羅村、石下村、笹原田村(現市貝町)
    • 祖母井村 ← 祖母井村、稲毛田村、上延生村、下延生村、与能村(現芳賀町)
    • 南高根沢村 ← 芳志戸村、下高根沢村、八ッ木村、給部村、上稲毛田村(現芳賀町)
    • 水橋村 ← 西水沼村、東水沼村、北長島村、打越新田、西高橋村、東高橋村(現芳賀町)
    • 清原村 ← 道場宿村、刈沼村、刈沼新田、野高谷村、板戸村、竹下村、鐺山村、上籠谷村、氷室村(現宇都宮市)
  • 1894年(明治27年)3月1日 - 益子村が町制施行して益子町となる。(4町16村)
  • 1897年(明治30年)7月1日 - 郡制を施行。
  • 1923年大正12年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 1926年(大正15年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 1928年昭和3年)11月1日 - 祖母井村が町制施行して祖母井町となる。(5町15村)
  • 1949年(昭和24年)4月1日 - 清原村が河内郡瑞穂野村の一部(大字桑島新田の一部)を編入。
  • 1954年(昭和29年)
    • 3月31日(5町10村)
      • 真岡町・大内村・中村・山前村が合併し、改めて真岡町が発足。
      • 祖母井町・南高根沢村・水橋村が合併して芳賀町が発足。
    • 5月3日(5町7村)
      • 久下田町・長沼村・物部村が合併して二宮町が発足。
      • 市羽村・小貝村が合併して市貝村が発足。
    • 6月1日 - 益子町・田野村・七井村が合併し、改めて益子町が発足。(5町5村)
    • 8月1日 - 茂木町・逆川村・中川村・須藤村が合併し、改めて茂木町が発足。(5町2村)
    • 8月10日 - 清原村が宇都宮市に編入。(5町1村)
    • 10月1日 - 真岡町が市制施行して真岡市となり、郡より離脱。(4町1村)
  • 1972年(昭和47年)1月1日 - 市貝村が町制施行して市貝町となる。(5町)
  • 2009年平成21年)3月23日 - 二宮町が真岡市に編入。(4町)

変遷表

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自治体の変遷
明治22年4月1日 明治22年 - 昭和25年 昭和26年 - 昭和29年 昭和30年 - 昭和63年 平成1年 - 現在 現在
真岡町 真岡町 昭和29年3月31日
真岡町
昭和29年10月1日
市制
真岡市 真岡市 真岡市
大内村 大内村
中村 中村
山前村 山前村
久下田町 久下田町 昭和29年3月31日
二宮町
二宮町 平成21年3月23日
真岡市に編入
長沼村 長沼村
物部村 物部村
益子村 明治27年3月1日
町制
昭和29年6月1日
益子町
益子町 益子町 益子町
田野村 田野村
七井村 七井村
茂木町 茂木町 昭和29年8月1日
茂木町
茂木町 茂木町 茂木町
逆川村 逆川村
中川村 中川村
須藤村 須藤村
市羽村 市羽村 昭和29年5月3日
市貝村
昭和47年1月1日
町制
市貝町 市貝町
小貝村 小貝村
祖母井村 昭和3年11月1日
町制
昭和29年3月31日
芳賀町
芳賀町 芳賀町 芳賀町
南高根沢村 南高根沢村
水橋村 水橋村
清原村 清原村 昭和29年8月10日
宇都宮市に編入
宇都宮市 宇都宮市 宇都宮市
河内郡
瑞穂野村の一部
昭和24年4月1日
清原村に編入

行政

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歴代郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 明治11年(1878年)11月8日
大正15年(1926年)6月30日 郡役所廃止により、廃官

脚注

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  1. ^ 真岡荒町、真岡田町、真岡台町、真岡熊倉町の総称。
  2. ^ 記載は下鷺谷村新田。
  3. ^ 記載は上谷貝村新田。
  4. ^ 記載は大羽村。

参考文献

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  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 9 栃木県、角川書店、1984年11月1日。ISBN 4040010906 
  • 旧高旧領取調帳データベース