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『韃靼疾風録』(だったんしっぷうろく)は、司馬遼太郎の長編歴史小説。清朝興隆の時代を舞台としており、司馬最後の長編小説となった。『中央公論』1984年1月号から1987年9月号まで連載。第15回大佛次郎賞(1988年)を受賞した。
何故か九州北西部の平戸島に漂着した満洲族(本書における「韃靼」)の公主(姫)アビアを送るため、平戸藩(松浦家)に仕える桂庄助は、朝鮮半島を経て明朝と戦っている謎多きその故国(後金、のちの清朝)へと赴く。数奇な2人の愛の行方を軸に、「17世紀の歴史が裂けてゆく時期」に、東アジア世界の陸海に展開される雄大な長編ロマン。
- 『韃靼疾風録』(上・下、中央公論社、1987年10・11月)
- 『韃靼疾風録』(上・下、中公文庫、1991年1月)
- 『司馬遼太郎全集 52 韃靼疾風録』(文藝春秋、1998年11月)
- 衛藤利夫『韃靼』 中公文庫、1992年
- 初版は1938年に朝日新聞社、あとがきは、息子の衞藤瀋吉と司馬が書いている。
- 園田一亀『韃靼漂流記の研究』 原書房〈ユーラシア叢書〉、1980年
- 17世紀半ばに、越前商人ら15名が中国東北地域へ漂着し、北京へ送られ、成立間もない清朝を見聞した記録。
- 『韃靼漂流記』 園田一亀校注・解説、平凡社東洋文庫、1991年
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