韓国のフライドチキン
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韓国のフライドチキン | |
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カンジャンチキン(カンジャンで味付け)、フライドチキン(通常のフライドチキン)、ヤンニョムチキン(甘辛いソースで味付け)とグラスに注がれたビール | |
各種表記 | |
ハングル: | 치킨 |
RR式: | chikin |
MR式: | ch'ik'in |
IPA: | [tɕʰi.kʰin] |
韓国のフライドチキン(かんこくのフライドチキン)では、大韓民国(韓国)のフライドチキンについて述べる。
韓国ではフライドチキンは通常チキン(ハングル: 치킨; RR: chikin; lit. chicken)と呼ばれ、韓国で作られた様々な鶏肉の揚げ物を指す。これには基本的なフライドチキン(ハングル: 후라이드 치킨; RR: huraideu-chicken; lit. fried chicken)と甘辛いヤンニョムチキン(ハングル: 양념 치킨; RR: yangnyeom chicken; lit. seasoned chicken)が含まれている[1]。韓国では、フライドチキンは食事、前菜、アンジュ(飲み物と一緒に提供され一緒に飲み食いする食べ物)、食後のおやつとして食べられている[2]。
ニューヨーク・タイムズのジュリア・モスキンは韓国のフライドチキンを「薄くて、カリカリしていて、殆ど透明な皮」と言い表した[2]。鶏肉は通常、揚げる前と揚げた後に香辛料、砂糖、塩で味付けされる。韓国のフライドチキン専門店では普通は小型か中型のニワトリが使用され、これらの若いニワトリの方が肉が柔らかくなる。揚げた後、ソースは鶏肉に薄く均一に塗るために、通常はブラシを使って手作業で塗られる。韓国のフライドチキンではチキンムとビール(あるいは炭酸飲料)がよく一緒に提供される。
用語
[編集]朝鮮語でチキン(ハングル: 치킨; RR: chikin)と発音される単語はフライドチキンを指し、ニワトリはタク(ハングル: 닭; RR: dak)と呼ばれる。この単語は英語のフライドチキン(英語: fried chicken)の音訳のプライドゥチキン(ハングル: 프라이드 치킨; RR: peuraideu chikin)の短縮形である[3]。国立国語院によると、チキン(ハングル: 치킨; RR: chikin)という単語は「細かく刻んだ鶏肉に小麦粉をまぶした後に、揚げたり焼いたりして作る料理」を指す[4][5]。細かく刻まずに揚げたフライドチキンはトンダク(ハングル: 통닭; RR: tongdak; lit. whole chicken)と呼ばれる。チキンとトンダクはどちらもタクティギム(ハングル: 닭튀김; RR: dak-twigim; lit. chicken fritter)と呼ばれることもある[6]。
短縮形でないプライドゥチキンは正しい音訳であるにも関わらず[7]、韓国ではあまり一般的ではない。より一般的に使用されている形のフライドゥチキン(ハングル: 후라이드 치킨; RR: huraideu-chikin)は、1970年代はまだ日本統治時代の影響が残っていたので日本語のフライドチキンから借用した可能性がある。フライドゥチキンという言葉はフライドゥ(ハングル: 후라이드; RR: huraideu)と省略されることが多く、揚げた後に味付けをしない鶏肉の揚げ物を指す。これはヤンニョムチキン(ハングル: 양념 치킨; RR: yangnyeom-chikin; lit. seasoned chicken)と区別するためによく使われる。国立国語院はフライドゥチキンを慣用名として認めず、プライドゥチキンという音訳の使用を主張し、更に洗練された形のタッコギティギム(ハングル: 닭고기 튀김; RR: dakgogi-twigim; lit. chicken meat fritter)とすることを提案している[7]。
歴史
[編集]鶏肉を揚げる調理法は15世紀には既に存在していたので[8]、鶏肉の揚げ物は高麗時代から作られていたと推定される[9][10]。李氏朝鮮時代初期のポゲ(ハングル: 포계; RR: pogye)という名前の鶏肉の揚げ物はカンジャン、ごま油、水溶き小麦粉、酢を順に鶏肉にかけながら油でソテーした[11][12]。
韓国で鶏肉を食べることが流行り始めたのは、1960年代後半にソウルの明洞栄養センターが電気オーブンで焼いた丸鶏の販売を開始したときに始まった[13]。韓国で現代的なフライドチキンが登場し始めたのは、食用油が広く普及した1970年代になってからであった。韓国で最初の現代的フライドチキンのフランチャイズのリムスチキンは、1977年にソウルの忠武路にある新世界百貨店本店地下でユ・ソクホによって設立された[14][13]。現代的フライドチキンは生ビールによく合う食べ物として受け入れられ、この組み合わせを指すチキンとビールを指す朝鮮語のメクチュ(ハングル: 맥주; ハンチャ: 麥酒; RR: maekju)のかばん語のチメクが生まれた[15]。
有名な甘辛い味付けのヤンニョムチキンは、1982年に大邱でフライドチキン専門店(後にメキシコ風チキン専門店に改装[注釈 1])を経営していたユン・ジョンゲによって生み出された。彼は客がフライドチキンの硬くてカリカリした層を噛むのに苦労し、口蓋を傷つけるなどの不便を感じていることに気が付いた。彼は伝統的なフライドチキンに工夫を加えて鶏肉の硬い殻を柔らかくし、甘辛い味付けにすることでより多くの韓国人客を満足させることを決心した[13]。
1984年にケンタッキーフライドチキンが韓国で店舗を開いたことでフライドチキンは更に普及した[16][17]。
1990年代後半のアジア通貨危機によって、解雇された労働者がチキン専門店を開業し、フライドチキンを販売する飲食店の数が増加した[18]。近年、韓国の市場飽和により、メキシカーナチキン、ジェネシスBBQ、キョチョンチキン、ペリカナチキンなどの韓国の大手フライドチキンチェーンの多くがアメリカ、中華人民共和国、カナダ、東南アジアに新たな拠点を構えて事業を拡大している[19]。
2013年までに、韓国には20,000以上のフライドチキンを提供するチキン専門店があり、2017年には36,000店にまで増えた[16][20]。韓国で消費される鶏肉のほぼ3分の1は揚げ物として消費されており、スミソニアン博物館はこれを「どこにでもある食べ物」と呼んでいる[21][18]。
COVID-19のパンデミックの間、国際チェーンのボンチョンは店舗を増やし続けた数少ないレストランチェーンの一つであった[22]。
韓国では企業を早期退職した中高年が開業資金のかからないフライドチキン店を開業するケースが多いが、市場は飽和状態で競争が激化しているために廃業に追い込まれる人も多く、社会問題として取り上げられている[23]。
種類
[編集]味付け別
[編集]- フライドゥチキン(ハングル: 후라이드 치킨; RR: huraideu-chikin; lit. fried chicken) - 単にフライドゥ(ハングル: 후라이드; RR: huraideu)と呼ばれることも多い基本的なフライドチキン。
- ヤンニョムチキン(ハングル: 양념 치킨; RR: yangnyeom-chikin; lit. seasoned chicken) - コチュジャンベースの甘辛いソースで味付けしたフライドチキン[1]。
- バンバン(ハングル: 반반; ハンチャ: 半半; RR: banban; lit. half-half) - 「ヤンニョムバン、フライドゥバン」(ハングル: 양념 반, 후라이드 반; RR: yangnyeom ban, huraideu ban; lit. half yangnyeom, half huraideu)の短縮形で、半分が味付きでもう半分が通常のフライドチキンを指すことが多い[24]。
- カンジャンチキン(ハングル: 간장 치킨; RR: ganjang-chikin; lit. soy sauce chicken) - カンジャンベースの甘くて風味のあるソースで味付けしたフライドチキンで、ニンニクを入れることも多い[25]。
- パダッ(ハングル: 파닭; RR: padak; lit. scallion chicken) - フライドチキンに薄く千切りにしたネギをたくさん載せたりかけたりしたもの[1][26]。
- ハニーチキン(ハングル: 허니 치킨; RR: honey-chikin; lit. honey sauce chicken) - カンジャンをベースとした味付けだが、蜂蜜を加えることでより甘く粘り気のあるフライドチキン[27]。
見た目別
[編集]- トンダク(ハングル: 통닭; RR: tongdak; lit. whole chicken) - イェンナルトンダク(ハングル: 옛날통닭; RR: yennal-tongdak; lit. old-time whole chicken)とも呼ばれ[28]、1970年代風の丸鶏を油で揚げたもの[1]。
- スンサルチキン(ハングル: 순살 치킨; RR: sunsal-chikin; lit. pure flesh chicken) - 骨なしチキン[1]。
ブランド
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e Kim, Violet (2015年6月22日). “Watch your wing, KFC! Korean fried chicken (and beer) is here”. CNN. オリジナルの2017年2月11日時点におけるアーカイブ。 2017年2月10日閲覧。
- ^ a b Moskin, Julia (February 7, 2007). “Koreans Share Their Secret for Chicken With a Crunch”. The New York Times March 4, 2013閲覧。
- ^ 전, 경하「[우리 식생활 바꾼 음식 이야기 기름·닭·소스 388가지 맛 '치킨 공화국' …20년간 외식 메뉴 1위]」『Seoul Shinmun』2017年2月6日。オリジナルの2017年2月12日時点におけるアーカイブ。2017年2月11日閲覧。
- ^ “치킨 (chicken)” (朝鮮語). Standard Korean Language Dictionary. National Institute of Korean Language. 2017年2月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月11日閲覧。
- ^ “치킨 (chicken)”. Basic Korean Dictionary. National Institute of Korean Language. 2017年2月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月11日閲覧。
- ^ “닭-튀김” (朝鮮語). Standard Korean Language Dictionary. National Institute of Korean Language. 2017年2月11日閲覧。
- ^ a b “프라이드치킨 (fried chicken)”. National Institute of Korean Language. 2017年2月11日閲覧。
- ^ 전순의. 《산가요록(山家要錄)》. 1450년대의 농서 요리책.
- ^ 《대식가들》. 한국방송. 2016년 10월29일 방송분.
- ^ “대식가들 - 조선시대 프라이드치킨이 있었다?! 포계.20161029”. youtube.com. Korean Broadcasting System. June 15, 2024閲覧。
- ^ Lagdani, Safae (2020年12月4日). “Fried chicken in Joseon Dynasty”. Talk Talk KOREA. 2021年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月30日閲覧。
- ^ “Fried chicken during the Joseon era?”. 우리문화 Urimunhwa 03 2020 281: 42. (March 2020) June 15, 2024閲覧。.
- ^ a b c “History of Korean-style fried chicken”. The Korea Herald (27 May 2016). 2017年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月11日閲覧。
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- ^ Berry, Harrison. “All Hail the Chicken God: Han's Chimaek serves the crispiest fried chicken in Boise” (英語). Idaho Press. 2020年8月3日閲覧。
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- ^ a b “How Korean Fried Chicken, AKA "Candy Chicken" Became a Transnational Comfort Food” (英語). Smithsonian Magazine (18 October 2017). 18 July 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月1日閲覧。
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- ^ DURAI, ABIRAMI (22 July 2019). “How Korean fried chicken become so popular”. 30 January 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。31 January 2020閲覧。
- ^ Yeon (연), Seungwoo (승우) (11 September 2018). “후라이드치킨이 없던 시절 우린 닭을 어떻게 먹었을까?” [How did we eat chicken at that time when no fried chicken?] (朝鮮語). FarmInsight. 26 July 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。29 January 2020閲覧。
- ^ Maynard, Micheline. “As Other Restaurants Close, Bonchon, Known For Korean Fried Chicken, Is Growing” (英語). Forbes. 2020年8月1日閲覧。
- ^ “フライドチキンと早期退職”. 独立行政法人労働政策研究・研修機構 (2011年8月). 2024年12月1日閲覧。
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- ^ “Seven Singapore places to get your fried chicken fix”. Malay Mail. (2016年4月9日) 2017年2月11日閲覧。
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- ^ 김, 오희「[스마트 리빙 추억의 그 맛, '옛날 통닭' 外]」『MBC News Today』2016年8月25日。2017年2月10日閲覧。
- ^ “South Korean chain offers a different take on fried chicken” (11 July 2019). 2023年5月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月30日閲覧。
- ^ Surewicz, Anita (2024年8月24日). “The Best Restaurants For Korean Fried Chicken” (英語). Mashed. 2024年8月31日閲覧。