音響顕微鏡法
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音響顕微鏡法(おんきょうけんびきょうほう、Acoustic microscopy)は音波を利用する顕微鏡法。
概要
[編集]音波の中でも特に超音波を使用しており、複数の方式がある。
超音波顕微鏡
[編集]→詳細は「超音波顕微鏡」を参照
超音波顕微鏡には複数の方式があり、何れも超音波を利用して微細組織を可視化する顕微鏡。染色が不要で生体組織を生きた状態で観察できる。半導体の非破壊検査にも使用される[1]。
超音波フォトニック局所プローブ顕微鏡
[編集]試料に断続光を照射して同時に超音波振動を励起することにより、試料が光に対する反応が超音波振動によって変調され、新たな信号が生じるので、この信号を従来の原子間力顕微鏡や近接場光学顕微鏡によって検出することで、時間分解能と空間分解能が同時に得られる。時間分解能は光および超音波の周波数に依存する[2][3]。
光音響顕微鏡
[編集]→詳細は「光音響効果顕微鏡」を参照
光音響効果を利用する顕微鏡で光を試料に照射して発生する音響波によって画像を取得する[4][5]。
トンネル音響顕微鏡
[編集]→詳細は「トンネル音響顕微鏡」を参照
トンネル音響顕微鏡とは圧電変換素子を探針に備えた走査型トンネル顕微鏡で試料に歪を発生させて変調を加えることで試料に超音波を発生させ、検出することにより、超音波源となった作用及び超音波の伝播経路の情報を得る手法[6][7]。
音響インピーダンス顕微鏡
[編集]音響インピーダンス顕微鏡とは超音波の試料内での伝播特性の差異を利用して画像化する顕微鏡[8][9]。可視光領域では差異の乏しい生体組織を無染色で可視化できる。
用途
[編集]- 生体組織や材料の内部構造の観察
脚注
[編集]- ^ 超音波顕微鏡(C-SAM)
- ^ SPMs/hokudai.pdf 超音波フォトニック局所プローブ顕微鏡
- ^ Nunes Jr, Geoff, and M. R. Freeman. "Picosecond resolution in scanning tunneling microscopy." Science 262.5136 (1993): 1029-1033.
- ^ 益田秀樹. "光音響顕微鏡." 日本金属学会会報 21.1 (1982): 48-50., doi:10.2320/materia1962.21.48
- ^ メインストリームに入る光音響顕微鏡法 (PDF)
- ^ 高田啓二. "トンネル音響顕微鏡." 日本音響学会誌 48.10 (1992): 736-741.
- ^ 高田啓二,日立基礎研. "プローブ顕微鏡を用いた音響的手法による高分解能物性イメージング." Proc. Symp. Ultrason. Electron. Vol. 27. No. 2006. 2006.
- ^ 木村あゆみ, et al. "音響インピーダンス顕微鏡による生体組織イメージング." [全国大会] 平成 18 年電気学会全国大会論文集 (2006): 141.
- ^ 生体組織用音響インピーダンス顕微鏡の開発
参考文献
[編集]- 高田啓二, 日立基礎研. "プローブ顕微鏡を用いた音響的手法による高分解能物性イメージング." Proc. Symp. Ultrason. Electron. Vol. 27. No. 2006. 2006.
- 高田啓二. "トンネル音響顕微鏡の原理と応用." 電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 94.62 (1994): 9-16.
- 谷田貝豊彦, et al. "レーザー励起光音響顕微映像法." レーザー研究 11.2 (1983): 153-161.
- 唐木幸一, 酒井貢, 佐々木靖夫. "液体窒素超音波顕微鏡の試作." 応用物理 57.8 (1988): 1242-1248.
- 得永嘉昭. "光音響顕微鏡による透明試料の光音響効果の研究." 信学技報 92 (1993): 25-30., NAID 10014915677
- 河田聡. "光学顕微鏡における新しい映像形成技術." 計測と制御 29.4 (1990): 317-325.
- 得永嘉昭. "簡易型光音響顕微鏡の開発." 信学技報 89 (1990): 33-38.
- 超音波回折限界を超える超解像光音響イメージングの開発
- 光音響効果を使った生体深部の無標識イメージング