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騎兵隊の休止

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
騎兵隊の休止
Привал кавалерии
騎兵少尉を演ずるミハイル・フォーキン。1900年頃、マリインスキー劇場にて。
プティパ版
構成 1幕
振付・台本 M・プティパ
作曲 I・アルムスゲイメル
美術
H・レヴォト
〔Heinrich Levogt〕
衣装
E・ポノマリョフ
Евгений Петрович
Пономарёв
設定 オーストリアの小村
初演 1896年2月2日[1]
マリインスキー劇場
ポータル 舞台芸術
ポータル クラシック音楽
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騎兵隊の休止』 (きへいたいのきゅうし、〔原題〕: Привал кавалерии, : Halte de Cavalerie) は、1896年にロシアで初演された、イワン・アルムスゲイメル作曲、マリウス・プティパ振付・台本による1幕物のバレエ作品である。

概要

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ライモンダ』 に続き、劇場支配人フセヴォロシスキーの下でプティパが手がけた作品である。自身の長女で帝室バレエ団のキャラクテール・ダンサーであったマリヤ・プティパの在職25周年を記念する祝賀公演の目玉として作られた。物語にマリー、テレサの2人の娘を設定し、キャラクテールと純粋なクラシック・スタイルのバレリーナをそれぞれ充てることで、2人があたかも競演するような構成となっている。

クラシック・ダンスのテレサ役にもキャラクテールに近い動きが取り入れられており、77歳であったプティパの円熟を示す作品と位置付けられている[2]。テレサ役の初演はテクニックのあるピエリーナ・レニャーニが踊った。

本作品は初演から2年10ヶ月後にはモスクワボリショイ劇場で演じられるなど、10年間のうちにロシア内外で200回以上の上演を重ねた。プティパ自身も回想録の中で成功作の一つに挙げている[3]

あらすじ

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役名
初演者
村の長  V=S・ギレル
Виктор-Станислав Ф. Гиллер
マリー
〔村長の娘〕
 マリヤ・プティパ
テレサ  ピエリーナ・レニャーニ
ピエール  パーヴェル・ゲルト
騎兵大佐  S・ルキヤノフ 
Сергей Иванович Лукьянов
騎兵大尉  A・ベケフィ 
Альфред Фёдрович Бекефи
騎兵将校  I・クシェシンスキー 
Иосиф Феликсович Кшесинский
騎兵少尉  S・レガート 
Сергей Густавович Легат

オーストリアのとある村で、男たちが朝の仕事に出掛けようとしている。マリーとテレサは共にピエールを慕っており、仕事帰りに密会しようとピエールに合図のリボンを手渡す。男たちは野良へ出て行き、女たちは家の中に戻る。愛想良く2人からリボンを受け取ったピエールは立ち止まり、どちらに応えるべきか決めかねている。テレサに一瞬意思表示をしたところをマリーに見られ、小さな悶着が起きる。

そこへ突如、騎兵隊の一群が進駐してくる。ピエールは捕えられ、目隠しをされ納屋に閉じ込められてしまう。騎兵の大佐はマリーを見て彼女の気を惹こうと立ち回り、ついにマリーは接吻を許してしまう。それを見た兵隊たちは2人が結ばれるものと思い、村の女たちと祝福する。ピエールは納屋から辛うじて逃げ、男たちに知らせに走る。

村の男たちが戻ってくることを察知して隊に緊張が走る。危険を感じた大佐は女たちに農具を持たせ、騎兵に対抗しているように見せかける。そして戻ってきた村長に対して、マリーが本当に愛する者と結ばれるならば、持参金を進呈しようと持ちかける。マリーはそれを聞いて、迷わずピエールの胸に飛び込む。大佐は観念したように納得し、約束通り持参金を手渡す。ワインが注文され、和やかな雰囲気の中で、2人の婚約を祝って宴会が始まる。

文献

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  • Beaumont, Cyril W., Complete Book of Ballets, 1949, Putnam, pp.546-548.

脚注

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  1. ^ 新暦。ユリウス暦では1月21日。
  2. ^ Krasovskaya, Vera M., 1998, "Marius Petipa", International Encyclopedia of Dance, vol.4, p.160, ISBN 0-19-517588-3
  3. ^ 『マリウス・プティパ自伝』 石井洋二郎 訳, 新書館, 1993年, ISBN 4-403-23034-2, p.84.