高田瑞穂
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高田 瑞穂(たかだ みずほ、1910年(明治43年)5月13日 - 1987年(昭和62年)1月10日)は、日本の近代文学者。成城大学名誉教授。
生涯
[編集]- 1910年(明治43年) 静岡県浜名郡白須賀町白須賀(現・湖西市)に生まれる。
- 1913年(大正2年)3月 浜松西小学校卒業、4月 静岡県立浜松(第一)中学校入学。
- 1928年(昭和3年)3月 静岡県立浜松第一中学校卒業、4月 静岡高等学校文科丙類入学。
- 1931年(昭和6年)3月 静岡高等学校卒業、4月 東京帝国大学文学部国文学科入学。近代文学専攻。
- 1934年(昭和9年)3月 東京帝国大学卒業、4月 東京帝国大学大学院入学。
- 1938年(昭和13年)3月 東京帝国大学大学院(国文)退学、4月 東京帝国大学大学院(哲学)入学。
- 1940年(昭和15年)3月 東京帝国大学大学院(哲学)退学。
- 1941年(昭和16年)5月 東京府立第一中学校(現・東京都立日比谷高等学校)教諭となる。成城高等学校 (旧制)教諭を経て、
- 1954年(昭和29年)創設された成城大学文藝学部(現:文芸学部)教授に就任。
早稲田大学、お茶の水女子大学などの非常勤講師も務めた。耽美派や芥川龍之介などの研究で知られる。多くの研究書と啓蒙書、3冊の受験参考書がある。
『新釈現代文』に関して
[編集]1960年(昭和35年)9月に新塔社で刊行された『新釈 現代文』は、現代文を読むための「たった一つのこと」だけを説いた高校生、大学受験生向けの本である。約20数年間、現代国語の受験参考書としてベストセラーとなった。「たった一つのこと」とは、文脈を追跡するための「内面的運動感覚」である。論旨の展開を追跡する論理感覚とでもいうものであった。1986年(昭和61年)3月最終重版後は、同書は長らく絶版だったが、2009年6月に至り、ちくま学芸文庫で新版復刊された。巻末の石原千秋「解説--人生と研究と参考書」で、近代を知るための思想書としても価値があると説かれている。
著書
[編集]- 『木下杢太郎』天明社, 1949
- 『志賀直哉とその作品』学友社, 1949
- 『志賀直哉』成城国文学会, 1949、学燈文庫, 1954、新版1980ほか
- 『横光利一』市ヶ谷出版, 1951
- 『現代文の学び方』至文堂, 1955
- 『新釈 現代文』新塔社, 1959、新版1984/ちくま学芸文庫, 2009
- 『反自然主義文学』明治書院, 1963
- 『現代小説』学燈社・学燈文庫, 1963、新版1985
- 『近代耽美派 心象と方法』塙書房・塙選書, 1967
- 『近代文学の明暗』清水弘文堂書房, 1971
- 『萩原朔太郎研究』三弥井書店, 1973
- 『芥川龍之介論考』有精堂出版・有精堂選書, 1976
- 『日本近代詩史』早稲田大学出版部, 1980
- 『大正文学論』有精堂出版, 1981
- 『日本近代文学の宿命』明治書院「国文学研究叢書」, 1982
- 『現代文読解の根底』新塔社, 1982/ちくま学芸文庫, 2014
- 『夏目漱石論 漱石文学の今日的意義』明治書院, 1984
- 『日本近代作家の美意識』明治書院「国文学研究叢書」, 1987
編著
[編集]関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 「高田瑞穂教授略歴・著作目録(高田瑞穂教授古稀慶賀)」成城国文学論集13、1981年
外部リンク
[編集]- 成城大学文芸学部紀要「成城文藝」 最下部に1号からの目次へのリンクあり。