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魔神バンダー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
魔神バンダー
ジャンル テレビドラマ
原作 東連山
脚本 浜田洋
上田しげし
監督 堀内真直
西河健治
出演者 湊俊一
浅香春彦
加川淳子
フレッド・M・ボサート
吉野妙子
平松慎吾
角本秀夫
菊池英一
オープニング 「魔神バンダーの歌」(佐々木梨里、ハニーナイツ
製作
制作 フジテレビ
放送
音声形式モノラル
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1969年1月5日 - 3月30日
放送時間日曜18:00 - 18:30
放送分30分
回数13
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魔神バンダー』(まじんバンダー/ましんバンダー[注釈 1])は、1969年1月5日から同年3月30日までフジテレビ系で全13話が放送された特撮テレビ番組。放送時間は毎週日曜18:00 - 18:30(JST)。

製作は『怪獣マリンコング』を制作したニッサンプロダクションの後継であるNMCプロ[2][3]

概要

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本作品は、1960年代半ばに手塚治虫の『魔神ガロン』をフジテレビで放映しようとパイロット版を制作したもののお蔵入りしたため[3][4]、それを参考にする形で東連山が原作を担当して企画が進められた。当初、全26回の制作が予定されていたが、半分の13回に短縮された。制作自体は1966年[注釈 2]に終了し[2][3]1967年7月2日より毎週日曜19:30 - 20:00で放送予定だったが[6]、当時日曜18:30で放送中の『リボンの騎士』が「視聴率低迷」を理由に6月25日放送分で一旦休止(結局は30分繰り上げ。詳細は本項参照)、そして19:00の『マッハGoGoGo』の30分繰り上げで、新たに日曜19:00 - 20:00に1時間演芸番組『爆笑ヒットパレード』を設置するため、本作品は時間どりを再検討するものの[7]、結局は放送が延期され、1969年になってやっと放映されることとなった。

この作品は通常の特撮ヒーロー番組の「変身するヒーロー」と違い、守護神バンダーが怒ると頭部が入れ替わり魔神バンダーになるという珍しい形態であった。

ストーリー

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パロン彗星から水爆の数千倍の威力を持つ宇宙エネルギー・オランが持ち去られた。オランを取り戻すため、パロンの王子とX1号が守護神バンダーとともに地球にやってくる。異形の怪人(手がハサミ状の王子たちのこと)の出現に政府は武装警官隊を出動させ攻撃を開始。王子は身を守るため守護神バンダーを呼ぶ。王子たちが地球に来た目的を知った立花博士は、王子たちに協力、オランを取り戻すため、バンダーと王子、X1号はオランを狙うゴーダー一味を始め、さまざまな悪人たちと戦う。戦いの末にオランは取り戻され、パロン彗星に帰ることになった王子とX1号。ところが・・・

スタッフ

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登場人物

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魔神バンダー

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演 - 菊池英一

宇宙エネルギー物質・オランを母星に持ち帰るという使命を受け、パロン彗星からやってきた平和の使者[1]。身長はジャイアント馬場の約2倍だが、怒りに応じて数十倍、数百倍にも巨大化でき[1]、体重は200キロから1.5トンと自由自在に変化する。超物質オランが動力源だが、ゼラチン状の超粘体の脳を有し[1]、王子やX1号からは生命体として認知されている。独特の鳴き声を放ち、普段は丸い頭部に乳白色の目だが、怒ると目が赤くなり、頭部が引っ込んで青い目で角がある別の頭部が出現する[1]。この状態が戦闘形態であり、口から火炎やミサイル、強風などを放ち、海水を吸い取る吸引能力を持つ[1]。手はらせん状の特殊合金製[1]で、指先からミサイルを放つ。脚部にはオランを調節するオラン炉があり、パロン彗星産の硬質石パラモンドで構成された足の爪が、飛行時の噴気孔になる[1]

最終回で日本を救うためミサイルに体当たりし、運命を共にした。その結果、王子とX1号はパロン彗星に帰る手段を失ってしまった。

立花研究所

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立花博士
演 - 湊俊一
研究所所長
犬山五郎
演 - 浅香春彦
博士の助手を務める青年科学者
映子
演 - 加川淳子
博士の助手を務める女性

アメリカンレポート

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バーンズ
演 - フレッド・マイケル・ボサート
東京支社に属する敏腕記者。王子たちと協力して悪人と戦う。
エミー原田
演 - 吉野妙子
アメリカ本社から特派員としてに東京支社に派遣された。

パロン彗星人

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王子
演 - 角本秀夫
バンダーとは別にカプセルに乗って地球へとやって来た少年。地球人で言えば中学生ぐらいの風貌。人間たちからは「宇宙少年」と呼ばれる。雄叫びでバンダーを呼び、メダルで操作する役回りを行う。
X1号
演 - 平松慎吾
王子の護衛役。王子とは別のカプセルに乗って地球に来た。金髪に金髭で顔の色は緑。

放映リスト

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サブタイトルは本放送時にはなし。

放映回数 放送日
第1回 1969年1月5日
第2回 1月12日
第3回 1月19日
第4回 1月26日
第5回 2月2日
第6回 2月9日
第7回 2月16日
第8回 2月23日
第9回 3月2日
第10回 3月9日
第11回 3月16日
第12回 3月23日
第13回 3月30日

放送局

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放送局 放送日時 放送期間
フジテレビ(制作局) 日曜 18:00 - 18:30 1969年1月 - 3月
青森放送 火曜 18:00 - 18:30 1971年10月 - 1972年1月[8]
山形放送 月曜 - 金曜 17:00 - 17:30 1970年9月[9]
仙台放送 水曜 18:00 - 18:30 1972年7月 - 9月[10]
福島テレビ 月曜 - 金曜 17:15 - 17:45 1970年8月 - 9月[11]

再放送・ビデオソフト化

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1970年代に何度か再放送が行われたが、その後再放送されることはなくなった。1984年に『怪獣マリンコング』がトランスグローバル社の通販限定でビデオソフト化されることとなり、特撮作品専門誌「宇宙船」Vol.18(1984年6月号)誌上のビデオソフト・レコード情報コーナーに記事が掲載された際、本作品についても「ファンの声があれば発売するとか…」とビデオソフト化がほのめかされたが、結局実現しなかった[12]

平成に入ってからは唯一、1994年6月に中京テレビの特撮番組再放送枠『今甦る!昭和ヒーロー列伝』で第1話・第5話・第13話が再放送された。これを最後に一切再放送は行われておらず、ビデオやLD・DVD・ブルーレイの発売はされていない。トランスグローバル社は2012年時点で、本作品の版権[1]およびネガフィルムを所有している。

かつて日本テレビ系で放送されていた『スーパーJOCKEY』では部分的に映像が流れたことがある。

漫画版

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本編製作が遅々として進まない中、虫プロから話を受けた井上智が『冒険王』で昭和41年10月号[注釈 3]から連載を開始、昭和42年12月号で連載を終了、増刊号や別冊での単発読切掲載はテレビ放送が実現した昭和44年2月号まで飛び石で5回存在する。井上は、NMCから受け取ったバンダーのデザインがあまりにかっこ悪かったので勝手に変更したこと、脚本担当者がいなくなったため第二回以降はオリジナルストーリーになっていることを、「懐漫市 第3号」のインタビューで語っている。

2010年に「マンガショップ」から全4巻で単行本化された。この本では、原作が平田昭吾となっている。

また、テレビ版のエンディングでも井上智の原画が使用されている。

脚注

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注釈

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  1. ^ 「魔神」の読みについては明確な基準が存在しない。例えば井上智の漫画版のタイトルや当時の雑誌記事、関連書籍[1]のルビでは「まん」とされており、また番組本編第1話ラストのナレーションでも「まんバンダー」と呼ばれている。しかしながら、番組主題歌では明確に「まんバンダー」と発音されている。
  2. ^ 1967年説もあり[4]。魔神バンダーの造形に参加していた前澤範は、『大怪獣ガメラ』(1965年)の後に本作品に参加したが撮影がうまく進まず、『宇宙大怪獣ギララ』(1967年)の参加中に本作品の撮影が再開したと証言している[5]
  3. ^ 書籍『全怪獣怪人 上巻』では「放送開始と同時」[2]、書籍『超人画報』では「1966年10月号」としている[3]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i 円谷英二監修、大伴昌司小山内宏著 編『怪獣画報[復刻版]』秋田書店、2012年10月31日(原著1966年12月)、152-153頁。ISBN 978-4-253-00919-5 
  2. ^ a b c 全怪獣怪人』 上巻、勁文社、1990年3月24日、136頁。ISBN 4-7669-0962-3。C0676。 
  3. ^ a b c d 竹書房/イオン編 編『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』竹書房、1995年11月30日、75頁。ISBN 4-88475-874-9。C0076。 
  4. ^ a b 石橋春海『’60年代 蘇る昭和特撮ヒーロー』コスミック出版〈COSMIC MOOK〉、2013年12月5日、117頁。ISBN 978-4-7747-5853-4 
  5. ^ 「スーパー戦隊制作の裏舞台 特別対談 前澤範×小松義人」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1987 光戦隊マスクマン講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2019年5月10日、32-33頁。ISBN 978-4-06-513713-0 
  6. ^ 1967年6月9日付け「産経新聞夕刊」8面の番組関連記事
  7. ^ 1967年6月20日付け「産経新聞・夕刊」10面の番組関連記事
  8. ^ 『河北新報』1971年10月12日 - 1月4日付朝刊、テレビ欄。
  9. ^ 『河北新報』1970年9月7日 - 9月22日付朝刊、テレビ欄。
  10. ^ 『福島民報』1972年7月26日 - 9月27日付朝刊、テレビ欄。
  11. ^ 『福島民報』1970年8月20日 - 9月7日付朝刊、テレビ欄
  12. ^ 『宇宙船』Vol.18、朝日ソノラマ、1984年、74頁。
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